相坂は俺に話しかけるやいなや____
『猫ちゃん!?!?』
と目をキラキラと輝かせて
ニャンコ先生を抱き上げる。
ニャンコ先生はじたばたとしながら
力なく
「みゃぉ~~~ん」と鳴き
俺は
「あははははは!」
と笑った____
すると
相坂はポカンと俺の方を見て
『夏目くん……』
と、
「ん?どうした?相坂」
俺がそう、問うと
『夏目くんは……笑うと……とってもいいと思う!!!』
何を言い出すのかと思えば。
「なんだよそれ」
そう言って笑うと
相坂も微笑んで____
『夏目くんの笑った顔……すき』
と。
へ?
今なんて言った?
『私、前からずっと思ってた……夏目くんの事……すき』
相坂は確かにそう言った____
これって____
「相坂……」
そう、口に出した瞬間
ニャンコ先生「みゅーん!」
『わっ!?』
「なっ!?!?」
いきなりニャンコ先生が相坂の腕の中から飛び出して俺にぶつかった!
そして中腰だった相坂と座っていた俺はバランスを崩し____
ドンッ
「いたたたたた……
ニャンコ先生……急に飛びつくのはやめてくれって何度も……」
目を開けると
目の前に相坂の髪____
ってええ!?!?
相坂は俺の体に覆い被さるようにバランスを崩していて____
『いたたたた……夏目くん、ごめん大丈夫……』
そう、顔を上げた相坂と目が合う____
なんだこの体勢は……
『なっ……夏目くん!!ごめっ///』
そう言って慌てて、離れようとするも
相坂は手を滑らせ
『わっ!?!?』
ゴチン!
お互いの頭がぶつかってしまった!
『いたたたたた……あ』
「いってぇ…………」
お互い、座り頭を抱えながら____
目を合わせ____
「『あははははははは!』」
2人、笑う____
こんな事が起きるなんてとても面白可笑しくて____
一通り笑ったあと
「相坂、立てるか?」
そう言い、手を差し伸べる。
『あ、ありがとう』
と相坂は俺の手をとる。
と
急に赤面する____
『あっ……///』
えっ……?
あ……俺……そういえばさっき好きと言われたんだった…………
なんだか俺も急に恥ずかしくなってきて
「ごめん、相坂ッ……教室戻ろう」
手をパッと放し、
2人、さっきとは違う無言で____
赤い顔で
教室に戻った____
_______
その日の晩、
「おい、夏目。今日のあれはなんだったのだ!じれったい!!!」
「先生、うるさい……」
「俺もどうしたらいいか分からなかったんだ……」
「あれは告白だな、夏目、返事はどうするんだ?付き合うのか?あの女の事は好きなのか?」
「わからないんだ……告白されたのも……こう……初めてで……」
「にゃに!?!?初めてなのか夏目!!?」
「ああ……」
そう、俺が言うとニャンコ先生は
俺の横にチョコンと座り
残りの団子をもしゃもしゃと食べながら
「ふんっ!恋やも知らぬ未熟者めがっ」
と、
もしゃもしゃと残りの団子を全て食べきった。
恋、か____
今までそもそも人と上手く付き合うができなかったのに____
恋だなんてそんな事____
『夏目くん!』
相坂が俺を呼ぶ声が頭の中に____
『夏目くん!おはよう!』
相坂が俺の目を見て微笑むのが頭に____
わからない。
これが恋なのかも
そもそも、相坂は、友達として好きと言ったのではないか?
というかそもそも好きだなんて俺の幻聴で……
色々考えてると____
「ふん、返事は早めにだぞ!夏目!」
とニャンコ先生は言った
そのすぐ後
下から
「貴志く~ん、ご飯よ~!」
と、
橙子さんが呼ぶ
「はーい!今行きまーす」
明日____
確かめよう____
相坂に会って____
コメント
1件
くそ!青春じゃねえか! 私も恋したい!!