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数日後。恵奈々は傷が癒え切っていないまだまだ本調子とは言い難い体で、いつもより重く感じるカバンを背負って学校に向かう。本当は学校に行きたくなかったが、今日は恵奈々がずっと片思いしている滝山亮に会えると思ったら、まだ気が楽だった。


昼休み。

恵奈々は亮に呼び出されて、屋上に向かった。

「お前、このノートを探していたんだろ?」

亮はそう言うと、恵奈々がずっと探してたノートを懐から出した。

「どうしてそれを…?」

恐る恐る尋ねてみる。正直、李音がそのノートを盗んで、恵奈々のいないところでこっそりと亮に手渡したなんて思いたくもなかったが、その心配はなかった。亮は大切そうにノートについていた埃を払うと、恵奈々に手渡した。

「はい。もう無くすんじゃねーぞ」

この時だけは正直嬉しかった。ノートを盗んだ犯人が亮なら安心だったと思い込んでいた。ノートを盗んだ犯人は決して李音ではないと、常に思い込んでいたのだ。

しかし、現実はそう甘くない。亮から「これは李音から預かった」と言われたときは一気に絶望の淵へと追いやられたような気分になった。この瞬間に、私は本当の意味ですべてが嫌になって、ノートを持っていない方の手で痛いほどの力で拳を握った。それはまるでもう、ライブの事などどうでもよく感じるほどに。

この気持ち、この歌に乗せて

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