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「うわぁ、綺麗!」
私の目の前に広がるのは、薄紫色のシャワーが降り注いでいるかのような、幻想的で思わずため息が出てしまうほど美しい藤棚だ。
中条太一がデートと称して私を連れてきた場所は、この時期、満開に咲き誇る藤が見れると話題の有名スポットで、評判どおりの圧倒的なその光景に私は、一瞬にして心を奪われた。
心地よく吹く風に髪がなびくと、垂れ下がる沢山の小さな花も同じようにサラサラと優しい音を奏でながら揺れ、その立派な幹を囲むように作られた回廊には、ハラハラと小さな花びらが儚く舞う。
その一枚が偶然、私の手のひらに乗ったことがなんだか嬉しくて、後ろを歩く人物にアピールをする。
「ねぇ、今の見た!?私の手に花びらが乗った」
「ほんとだ。いいな、俺もほしい」
そう言って私よりも大きい手の平を上に向け、花びらが乗るのをじっと待っているけど、彼の手には一向に花びらは乗ってはくれなくて、な***********************
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