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1996年アメリカのとある森で大学生3人が消息を絶った。捜索隊を派遣し一年に渡る捜査が行われたが、手掛かりは見つからず捜査は断念された。その一年後、大学生達の物と思われるビデオカメラが発見された…。
「The Woods」
私達はジョンズ・ホプキンズ大学の映画サークルに所属している。今回の映画のテーマはメリーランド州のバーキッツヴィルに古くから言い伝えられている「魔女の伝説」を取り扱おうと思っている。インタビューから始まり、現地に向かい真相に迫る、と言った内容にしようと思う。
「明日からインタビュー始めるから、用意しないと」
「本当に魔女なんているのか?作り話だろ?」
「それを調査しに行くの」
今回の映画制作にあたって、魔女の伝説を信じているかどうかと言われると、そこまで信じていない自分がいた。
そう考えながら私はカメラを回した。
「皆さんこんにちは!私は監督のミシェルです!今日この日、私たちの伝説の映画を作る瞬間を皆さんにお届けしたいと思います!まずはメンバーから!彼はジェリー!」
「どうも、ジェリーです。あんまりこう言うの慣れてないんだ。」
「次はマイク!」
「こんにちは、マイクです!ジェリーよりはまともにカメラの前での礼儀は出来てるつもりだよ」
私含めたこの3人は幼い頃からの友達で、腐れ縁と言うやつだ。昔からオカルト物が好きな3人だからこそ、今回のプロジェクトも難なく進める事が出来そうだ。
インタビュー初日…。
私達はメリーランド州のバーキッツヴィルへ向かった。このバーキッツヴィルのすぐそばのブラックヒルズの森が魔女伝説が語り継がれている地だ。
「インタビューを始めるよ?まずはあそこの店員から行きましょう」
私達は店に入り、ウェイトレスの20代くらいの女性に声をかけた。
「あなたは魔女伝説を知っていますか?」
「んー、聞いたことはあるけど詳しくは知らないわ。ただ、あの森には行くなと昔から言われているわ。」
「それはなぜでしょうか?」
「魔女が出るからって、魔術にかけられて殺されちゃうってよく言われてたわ。」
どうやら、子供を寝かせる為の作り話の様なものなのかもしれない。今思えば今の時代に魔女なんているはずがないと思えてきた。元から信じてはいないが。
「次はあそこのお爺さんに話を聞こう」
次は散歩をしていたお爺さんに話を聞く事にした。彼は心よくインタビューを受けてくれた。
「魔女伝説をご存知ですか?」
「あぁ、随分と昔の話だよ。昔7人の子供が行方不明になってね。みんなで探したらしいんだが、一つの家を見つけたそうだ。そこに入ると、7人の子供達が殺されていたんだそうだ。犯人はわからないが子供達からは大量の血が抜かれていたそうだよ。」
「それは具体的に何年前の出来事ですか?」
「私が産まれるずっと前の出来事だそうだよ。だけど私がこの地で過ごしてきた中で、失踪や行方不明の事件は聞いてないね。」
「そうですか、ありがとうございました。」
かなり前だそうだが、魔女と関係がありそうな事件が起きていたらしい。7人の子供からは血が抜かれていて、内臓も消えていたそうだ。
儀式か何かに使おうとしたのだろうか?
「ジェリー、マイク、次はあそこの男性にインタビューしてみよう。」
私達は子供連れの男性にインタビューする事となった。この方も心よくインタビューを受けてくれた、この街には優しい人達が多い様に感じる。
「あなたは魔女の伝説について何かご存知ですか?」
「昔聞いたことがあるよ、森に入った人達を攫い儀式の生贄にするってね、ただの噂だよ。でも魔女は見られるのが好きじゃないらしいんだ。昔2人の子供が森に入り、迷ってしまったらしい。そこで魔女に遭遇し、魔女は子供2人を家に連れて行った。」
「その後はどうなったんですか?」
「魔女は見られるのが嫌いなんだ、だから1人の子供を後ろ向きにさせて、もう1人の子供を殺した。その後は後ろを向かせた子供も殺したそうだ。」
「…。」
「ただの噂だし、信じてる方がおかしいけどね。」
「ありがとうございます、ご協力感謝します。」
どうやら子供が犠牲になる確率が高い様だ。あの森では一体何が起きているのだろうか?私達は足を踏み入れていいのだろうか?そんな事を考えていた。そして私達が森に入る時がやってきた。