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「ヴェルリナ…………」
あの深夜の脱走から数日が経過し、報告に上がる事件の件数も増え続ける一方で今もヴェルリナは人を無差別的に殺害しては食料として人肉を貪って鮮血の味を噛み締めている。人肉を食べた事によって更に人格が崩壊し豹変していく。
「あははは……ははっ……もっと血を浴びたい……見たい、血肉でもっと……真っ赤に染まりたい‥……」
彼女は段々と感情や素行、思考そのものが壊滅し、正気の沙汰ではない状態が常時継続し、狂人のように殺戮の地獄に陥れられ、人を無差別に殺害してはそしてその血に濡れた人肉を貪る、その繰り返しの連鎖。
「はははは‥‥ははは……」
乾いた無感情な笑みが溢れ、本格的に彼女本来の人格と理性が喪失し、人間性でさえも失われつつあるヴェルリナ……彼女は悪魔に全てを呑み込まれた。
「……………………」
彼女は血肉を堪能し、気付けばあっという間にに彼女の服や両腕や脚は返り血で真紅色に……不気味な雰囲気の風貌に成り果てていた。「はははは……」一方、エリミア達は警察に引き続き協力して貰い、捜索を続けていたが、しかし肝心な目撃情報や詳細が少なく、指名手配書を制作して全州に協力を要請するも、大した成果は出なかった。難航に停滞的状況に陥っていた。
「かれこれ随分と、事件発覚当初から月日が経ってしまった、この状況をどうにかできないものか……」
「取り敢えずはこのまま根気強く追跡を続けるしか方法はないでしょう、それに幾ら正気を失ってしまっていると言えども、彼女は子供。何は飢えに身体の限界…暴走が止む可能性もありますし」
「そうだと良いんだが……とにかく事件の発生報告が上がっている場所を順に追ってみよう、何れ彼女と合流できるかもしれないからな」
「ええ、急いで向かいましょう」
そうして、新たに遺体が発見された複数箇所を順に廻ってみる事に。そして遂に彼女が見つかった。
「此処は……また悲惨な光景ね、死体がそこら中に放置されてる、しかもやっぱり中には飢えを凌ぐ為に人体解体したバラバラ死体も、なんて光景なの」
と女性警官が言っていると、「…………?、………!!!??、待って‥…!!ヴェルリナ…!」
ルナリスはそう叫んだ。
「あの少女が居たのか…!?」
「ええ、確かに居たわ……でも何処かにまた消えていっちゃったみたいね」
「くそっ………!、此処まで来て逃げられたか 」
「しかし、そう遠くへは行っていない筈‥…彼女がまた遠くへ行方を眩ましてしまう前に……それにまた無差別な大量虐殺で死者が出てしまう前に彼女を保護しましょう!」
でも、そう安易に事は運べなかった。ルナリスが見つけた方向に駆けつけてみるも彼女の姿など、一切なかった。彼女は逃亡を続けており、更に残忍で残酷な劣悪非道の無差別て大量虐殺を次々と……彼女はもう、人を殺害するという非行に対して抵抗感や躊躇いが皆無で、益々本当に快楽殺人鬼に目覚めてしまったようで血を見る度に不気味な笑みで微笑み、人肉ですらも美味に感じてしまう……狂気的な少女に彼女はなった。
人を、一人……また一人と‥……。
「悲鳴が沢山…ああ、あはは……もう興奮が収まらない……!」
ヴェルリナは目についた人間をまるで通り魔のように無差別に次々と殺していく。そして空腹で常に食料を求める欲を満たす為に、飢え凌ぎや好奇心に駆られるがままに、「いやああああああっーー!! 」
「もっと悲鳴を聴かせて、そして人肉が……血に満たされたいの」
彼女は鋭利なナイフで残忍に殺した後に斧とナイフを使い、手足…腹部の臓器、舌など食べられそうな部位は解体し、後は滅多刺しにして粉々に砕く。
解体して得た食料(人肉)を貪り、不気味にまた笑うヴェルリナ。
「ふふっ、美味しい……」
人肉を食べる行為、カニバリズムに対しても躊躇いがなく、自らの意思でまるで食人種のように生臭れた異質極まりない味覚を求めるようになった、血に飢えた吸血鬼のようにも思える。
彼女は白目を向き、一心不乱に冷酷で残虐非道な大量虐殺を己の中に棲む悪魔に囁かれるがままに、『殺せ、その身を紅色で染めろ…殺せ……殺せ殺せ…』
煩いくらいに悪魔は永遠とヴェルリナの脳内を猟奇的思考で埋め尽くして、悪に荒み……心と精神を崩壊させ、最終的に自死への呪いへ導いていく。
死人のように青白く生気も感じられない、それはまるでゾンビのよう………身体や精神や脳、悪魔の呪いを長期的に受け続け、侵蝕されて逃亡して以降、随分と身体中が無数の憑依している悪魔の力によってボロボロに破滅して苦痛の波に覆われる最中、彼女の面影はもう無いに等しい。
大量虐殺殺害によって飛び散った大量の血飛沫は彼女の髪にも真紅色がちらつき、全身が生々しい赤く汚れた血で染まった。
「あ………あ…………ああ、ははは……はは……」
不気味な笑みを浮かべながら、何の宛てもなく彷徨き続け、真っ赤に染め上がった凶器と風貌を更に上書きで血の色で自身を染める。彼女が殺人事件を引き起こしてから早数週間が経過していた、当然これまで彼女が殺めて積み重なった殺人事件の件数は計り知れない数字に。
これが、まさしく恐ろしい事に変わり無いが、しかしそれは逆に目撃情報が浮き上がってきやすい為に、彼女の捜索においては最高の好機なのだ。
「あの少女、中々発見に至らないな。まさか、たった一人の少女を捜索の追跡をするのに此処まで難航状態になるとはな」
「目撃情報が少しずつではあるだけど浮上してきているのはとても喜ばしい事、だけどその反面詳細な行方が一向に掴めていないのが、余計今の現状に焦りを与えてくる…」
そんな不安を抱えながらも、捜索を継続していく事数日。正確には、彼女が行方不明になって約四か月……。
「ヴェルリナ……早く見つかると良いんだけど、お願い…帰ってきて」
「大丈夫、心配は要らないさ。きっと必ず帰ってきてくれるよ」
「ええ、そうね……」
ヴェルリナの保護を急ぐ為にまた翌日も捜索へ出る。しかし、捜索を続行していくも彼女の姿はなく、今日も捜索失敗か……そう思っていた時だった。
「ねえ、彼処に居るの……もしかしてヴェルリナ………、……!!? 」
「あの返り血の量……相当な人を殺害したのね、此処へ来る道中に腐敗しかけの死体、それに手足や内臓が切断されたバラバラ死体もあった、それにあの感じ……‥」
「ああ、また誰かを狙う気だ」
「ど、どうしたら………… 」
「気付かれたら間違い無く襲われる、特にご両親貴方方お二人は彼女に近付かない方が良い」
そうして両親は数人の警察部隊によって囲まれ、ヴェルリナへの接近はあの警察官の二人と、それに加え祓魔師のエリミアとアルベスが向かう事に。
「良いか?今から彼女と俺が彼女に向けて、この麻酔銃で撃つ‥‥そこで貴方達二人には彼女が油断する隙を作って欲しい、例えば十字架を向ける……若しくは注意を逸らす……とにかく彼女を誘導出来るようにしてくれ」
「ああ、分かった」
そして作戦決行の時、エリミアとアルベスは彼女にゆっくりと近づき、「ヴェルリナちゃん、此方よ。さあご両親の元へ帰りましょう?貴女のお母さんもお父さんも、ずっと貴女の帰りを待っているわ」
「あああ‥‥あ…ああ……」
ヴェルリナは悪魔に意識を蝕められ、自我もまるで喪失し、彼女は暴走状態が収まらない。
「悪魔に憑依されてからずっと君は悪魔に心身共に日々追い詰められ…脅され操られ、散々苦しんでいる筈だ、どんな事が起きようとも俺達は君を助けると約束した‥…!」
「黙れ………消え去れ、お前達も全員皆殺しだ…もっと血を浴びさせろ」
ヴェルリナは凶器のナイフを握り、そしてゆっくりと両親の元へ近付き、その凶器を振り下ろし殺害しようと襲いかかる‥…その瞬間、「よし……今だ…!」隠れていた警察部隊が一斉にヴェルリナに向けて麻酔弾を打ち込んだ。
「あ……………、うあ………」
「ヴェルリナ………!!」
「さて、とりあえずこれで確保は完了したが警察署施設に送り、そして身体の全身鑑定をして異常がないかを徹底的に調べ尽くす必要がありそうだ」
「ええ、そうしましょう」
それから、彼女は病院から警察署が管轄で管理している施設に送られる事になった。到着後、ヴェルリナは直様鑑識に渡され、全身を事細かに調べられた。
その結果を部屋前の廊下で佇み待つルナリス達。