置いてかないで

「」伊波

〔〕緋八

💡side.

「もっとお前らは自分を大切にしろよｯ！！！！」

そう俺はあいつらに言い放った。

病院の個室で大声で。

自分の体を大切にしない馬鹿どもに。

「俺はｯ,,,お前らを失うのが怖いんだよ,,,,」

透明な雫が頬を伝う。

「お前らにはｯｯｯ,,,,まだ生きてて欲しいよぉっ,,,」

ガタッとその場に崩れ落ちる。

「なんでだよぉっ,,,どうしてｯｯ,,,」

〔ｯｯ,,,。〕

マナは悲しそうにこちらを見つめる。

看護師さんも悲しげな表情で。

〔なんでお前らはｯｯ,,,俺らをｯｯｯ,,,, 〕

俺とマナ以外全員,,,。

無茶をし意識不明の状態でベットに横たわっている。

「ロウｯ,,,カゲツｯ,,,星導ｯｯｯｯ！！！！ 」

「起きろよぉっ,,,！」

目の前が見えにくくなる。

もしかしたら植物状態の可能性があると,,,告げられた。

〔宇佐美ｯ！テツｯ！ウェン！！！！！〕

〔お前ら俺を置いてｯ,,,死なんよなぁ,,,？〕

声が震えながらもそう言うマナ。

涙が床にポツンと落ちる。

---

もうどれくらいたっただろう。

数時間は経ったのだろうか。

俺たちは各自拠点に帰り放心状態になっていた。

「,,,。」

食欲もない。

ただただずっと,,,静かで寂しくて独りで。

悲しくて。

生きる希望さえも無くすほど悲しくて。

辛くて苦しくて。

まだアイツらとやりたいことだって,,,あったのに。

俺があそこで動いていたらこうにはならなかったのかもしれない。

🐝🤣side.

なんで,,,,。

どうして,,,。

どうしてこんな目に,,,。

俺らがあわなアカンのや,,,。

ライと別れ、拠点でただ写真を見つめる。

ウェン、テツ、リトの笑顔を見る度自分が憎たらしくなる。

あそこで俺がヘマしてなかったらこんなことにはならんかったのに。

あそこで守っていればこんなことにはならんかったのに。

何一つ大切なものを守れなかった。

正義もクソも仲間すら守れなかった。

〔なんでやｯｯｯ,,,〕

自分の嗚咽が部屋に響く。

あんなうるさかった拠点も物音立てずに

静かに。

愛する仲間までさえ守れなかったのに。

何がヒーローや。

俺は,,,,出来損ないやったんや。

ヘマして仲間を失い、自分だけ呑気に生きて。

なんで、俺やなくてアイツらがこんなにあわなあかんの,,,,？

俺が意識不明やったほうが良かったとちゃうん,,,,？

神様は,,,,おらへんのや。

現実は残酷や。

誰もが夢見たヒーローだって。

あくまでも夢の中や。

現実のヒーローは,,,,仲間すら守られへん。

最悪なヒーローや。

そのヒーローは俺。

どれだけ過去を恨んだって,,,,

アイツらは戻ってこんのや。

ワイワイしてた雰囲気は今では静かな雰囲気に。

喋る気にもならず、人と会う気もない。

食欲もない。

俺が生きてたって,,,,

意味ないんや。

こんな無能が生きてたって,,,,。

意味ないんや。

しばらくYouTubeの活動は休止した。

配信する気もない。

ただ,,,,アイツらが起きるのを待つだけ。

今アイツらがおったらどれだけ幸せなことやろうなぁ,,,,。

この世に幸せなんで言葉は存在しないと,,,,

今気づいた。

幸せはいつか不幸へ変わる。

そう思った。