テラーノベル
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朝。
「いってきます」
らんの声は、いつも通りだった。
笑っていたし、足取りも普通。
いるまは玄関で靴を履きながら、ちらっと見る。
昨日のことなんて、なかったみたいな顔。
(……)
違和感は、あった。
でも、声はかけなかった。
学校。
授業中。
ノートを取る手が、少し震えている。
視界がぼやける。
(大丈夫)
昨日のことが頭をよぎる。
「触るな」
「いらねえ」
胸の奥がきゅっと締まる。
(迷惑にならないようにしないと)
そればっかり考える。
立ち上がった瞬間。
視界が白くなる。
音が遠い。
「……あ」
床が近づく。
誰かが名前を呼ぶ。
そこで、意識が切れた。
いるまのスマホが震える。
「らんの家族の方ですか?」
保健室の先生の声。
「弟さん、倒れました」
その言葉で、心臓が強く打つ。
ベッドに横たわるらん。
顔、青い。
額に汗。
いるまはドアの前で止まる。
(……俺のせいだ)
昨日の言葉が、耳の奥で繰り返される。
椅子に座る。
らんの手が、布団の上で小さく握られている。
「……ばか」
小さく呟く。
誰に向けた言葉か、自分でもわからない。
「……いるま?」
かすれた声。
ゆっくり目が合う。
「無理すんなよ」
低い声。
怒ってるようで、違う。
「……してない」
嘘だってすぐわかる声。
「俺、迷惑じゃない?」
らんの目は、弱っていて隠せていない。
いるまは息を飲む。
昨日、自分が作った傷。
「……違う」
はっきり言う。
「無理すんなって言ってんの」
「でも」
「でもじゃねえ」
らんの手を掴む。
強く。
「倒れるほうが迷惑だ」
その言葉の裏側は、震えていた。
らんの目に涙がにじむ。
「……ごめ」
「謝んな」
間。
「心配、すんだよ」
静かに落ちる本音。
らんは少し目を見開いて。
それから、安心したみたいに力を抜いた。
手は、まだ繋がったまま。
コメント
3件
ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ♡ やばくね!? やばいやばい...
…さいこうです、え、はじめてぇてぇいがいでしょうてんしまs……0(:3 )~ _(:3 」∠)_