コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
【七海視点】
目を覚ませば、あたりはもう暗くなっていた。時計に目をやれば8:30を指している。
自分の吐き出したものとキッチンで転がる鍋とカレーを拭き、割れてちらかった皿も一緒に掃除する。
あの二人は外食にでも行ったのか、家は静まり返っていた。
七海「コンビニ….」
なにかものを食べないとおかしくなってしまいそうだった。ストーカーから逃げて疲れたところにあんなに殴られたんだ。当たり前と言えば当たり前だけど。
顔はアザが目立つからマスクをして。しわくちゃになって汚れた服から着替えて。
そろそろ夜は肌寒い。薄い上着を羽織って外へ出る。
こんな夜に外に出るのはストーカーの件もあって怖いけど。とりあえず家の前にはいないようで、一番近くのコンビニへそのまま足を進めた。
めーや「ん?宵崎ちゃんじゃん。どうしたのこんな時間に。」
マスクしてるのに気づかれた…恐るべし観察力…
話しかけられたからには話さないと…
七海「夜ご飯、買いに…」
めーや「え、お母さんとかいないの?」
七海「今日は、居ない、です。」
ふーん、と先輩は買い物を終えたのかコンビニの外へと行ってしまった。
何とか乗り越えた…
おにぎりとインスタント味噌汁を買ってコンビニの外へでる。
めーや「あ、終わった?」
七海「な、んでいるんですか」
めーや「この時間に女の子一人は危ないでしょ、何買ったの?」
七海「おにぎりと味噌汁です」
めーや「え?!」
七海「今日はお腹すいてるので。」
やっぱりこの先輩優しい人、なのか?どうにも掴みどころがないというか…
【めーや視点】
お腹すいててこの量…
普通なのか?さすがに少なすぎじゃね?
ストーカーがほんとかどうかわかんないけど、まぁこのコンビニ来てるくらいだし十中八九この子だろうな。
だからこそこうやって送ろうとしてるわけだけどさ。
隣でおにぎりを頬張る宵崎ちゃんに目をやる。
もうちょっと警戒心持っとかないと…
めーや「あれ、あざ?」
七海「ん゙っ!ゲホッゲホッ」
めーや「わーわーわー落ち着いて落ち着いて」
頬の辺りが青くあざになっていた。殴られた?もしかしてストーカー?
七海「ちょっと、ぶつけちゃって」
めーや「顔を?!どんなぶつけ方よ….」
宵崎ちゃんはいそいそとマスクを付け直していた。
触れちゃダメなやつだったかなぁ
めーや「暴力的な事だったら俺らに任してくれていいからね」
七海「大丈夫です…。」
多分七海ちゃんは人を頼るってこと覚えた方がいいと思うけど。
これをストーカーにやられたのか、親にやられたのか。俺には全く分からないし、対処のしようがないよね。
めーや「ねろちゃんも、また助けてくれると思うよ」
七海「……ごめんなさい。」
うーん。やっぱりねろちゃんになんか抱えてるんだよな~。
俺とはこうやって話してくれるわけだし、避けられてるのはねろちゃんの方だもんね~。
めーや「ねろちゃん別に迷惑してるわけじゃないと思うよ。助けたくて助けたんだろうし。」
七海「でも、噂が…」
めーや「あ〜そっちか。それに関しては宵崎ちゃんの方が迷惑してると思ってたけど。」
七海「私はっ、別に、迷惑してないです……」
段々と小さくなっていく声を最後に、家に着くまで何も発されることは無かった。
やっぱりここか。
めーや「明日ねろちゃんと迎えにこよっか?」
七海「なんで、ですか?」
めーや「あーいや、なんでもない。気にしないで」
応援するって言っても、ここまででしゃばりすぎるのは良くないか。
俺もそろそろ家に帰らなきゃ。
めーや「じゃあね宵崎ちゃん。おやすみ。」
七海「おやすみなさい、ありがとうございました。」