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【七海視点】

目を覚ませば、あたりはもう暗くなっていた。時計に目をやれば8:30を指している。


自分の吐き出したものとキッチンで転がる鍋とカレーを拭き、割れてちらかった皿も一緒に掃除する。

あの二人は外食にでも行ったのか、家は静まり返っていた。


七海「コンビニ….」


なにかものを食べないとおかしくなってしまいそうだった。ストーカーから逃げて疲れたところにあんなに殴られたんだ。当たり前と言えば当たり前だけど。

顔はアザが目立つからマスクをして。しわくちゃになって汚れた服から着替えて。

そろそろ夜は肌寒い。薄い上着を羽織って外へ出る。


こんな夜に外に出るのはストーカーの件もあって怖いけど。とりあえず家の前にはいないようで、一番近くのコンビニへそのまま足を進めた。




めーや「ん?宵崎ちゃんじゃん。どうしたのこんな時間に。」


マスクしてるのに気づかれた…恐るべし観察力…

話しかけられたからには話さないと…


七海「夜ご飯、買いに…」

めーや「え、お母さんとかいないの?」

七海「今日は、居ない、です。」


ふーん、と先輩は買い物を終えたのかコンビニの外へと行ってしまった。

何とか乗り越えた…


おにぎりとインスタント味噌汁を買ってコンビニの外へでる。


めーや「あ、終わった?」

七海「な、んでいるんですか」

めーや「この時間に女の子一人は危ないでしょ、何買ったの?」

七海「おにぎりと味噌汁です」

めーや「え?!」

七海「今日はお腹すいてるので。」


やっぱりこの先輩優しい人、なのか?どうにも掴みどころがないというか…



【めーや視点】


お腹すいててこの量…

普通なのか?さすがに少なすぎじゃね?


ストーカーがほんとかどうかわかんないけど、まぁこのコンビニ来てるくらいだし十中八九この子だろうな。

だからこそこうやって送ろうとしてるわけだけどさ。

隣でおにぎりを頬張る宵崎ちゃんに目をやる。

もうちょっと警戒心持っとかないと…

めーや「あれ、あざ?」

七海「ん゙っ!ゲホッゲホッ」

めーや「わーわーわー落ち着いて落ち着いて」


頬の辺りが青くあざになっていた。殴られた?もしかしてストーカー?


七海「ちょっと、ぶつけちゃって」

めーや「顔を?!どんなぶつけ方よ….」


宵崎ちゃんはいそいそとマスクを付け直していた。

触れちゃダメなやつだったかなぁ


めーや「暴力的な事だったら俺らに任してくれていいからね」

七海「大丈夫です…。」


多分七海ちゃんは人を頼るってこと覚えた方がいいと思うけど。

これをストーカーにやられたのか、親にやられたのか。俺には全く分からないし、対処のしようがないよね。


めーや「ねろちゃんも、また助けてくれると思うよ」

七海「……ごめんなさい。」


うーん。やっぱりねろちゃんになんか抱えてるんだよな~。

俺とはこうやって話してくれるわけだし、避けられてるのはねろちゃんの方だもんね~。


めーや「ねろちゃん別に迷惑してるわけじゃないと思うよ。助けたくて助けたんだろうし。」

七海「でも、噂が…」

めーや「あ〜そっちか。それに関しては宵崎ちゃんの方が迷惑してると思ってたけど。」

七海「私はっ、別に、迷惑してないです……」


段々と小さくなっていく声を最後に、家に着くまで何も発されることは無かった。


やっぱりここか。


めーや「明日ねろちゃんと迎えにこよっか?」

七海「なんで、ですか?」

めーや「あーいや、なんでもない。気にしないで」


応援するって言っても、ここまででしゃばりすぎるのは良くないか。

俺もそろそろ家に帰らなきゃ。


めーや「じゃあね宵崎ちゃん。おやすみ。」

七海「おやすみなさい、ありがとうございました。」

嘘から出たまこと【完結】

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