「新たな仲間へ。乾杯!」声が響いた。
私の右隣にいる女の子が言った。
「とあちゃん、こんにち、は!よろしくねぇ!」
片言のことばで言われた。
見た目でいうと、大体11歳くらいに見えた。この子も私と同じような境遇でここに来たのだろうか。
左隣の女の子は、「あぁ、その子。永海『えいみ』っていうんだけど。5歳のときに『死んだ』の。だから育った分見た目は成長するんだけど…実年齢は5歳なんだよね。みんなもそうだよ。私も。見た目は20歳ぐらいでしょ?でも、中身は10歳。まぁ、そのうちあなたもわかるよ。私は「幸『ゆき』」。よろしくっ!」
説明とともに自己紹介をされた。
「えっ…えっと…私「永愛『とあ』」っていうんだ。よ、よろしくね。
「うん!よろしく〜!」
この子とはとても仲良くできそうな気がした。
食事が終わると、幸が、
「後で気をつけてね。いろんな大群が群がってくるよ。どこから来た〜とかね。」と告げた。
幸の言う通りだった。色んな人が群がってきて、こんな質問をしてくるのだ。
「どこから来たの?」「何種?」など。たまに、こんなことを言ってくる人もいた。
「君綺麗だね。」「今度遊ばない?」と、なにかをさそう男子もいた。
_…そろそろ、尻尾出していいのかな?みんな尻尾とか出してるしいいか。_
寝る前にそんなことを考えながら布団を被った。
今日は尻尾を出してみよう!
そう思い、昨日行ったホールへと向かった。
ホールへつくと、皆が見開いた目でこちらを見た。
天使のような人も目を見開いて、こちらへ走ってきた。
「その尾は…お前 ゛サードオニックス゛なのか!?」
サードオニックス…?宝石の名前かな?
その天使のような人は私の手を引っ張り、玉座へとむかった。
玉座につくと私を玉座に座らせた。「え、ここ私なんかが座るところじゃ…」
とても高いところだった。下を見下ろしてみた。するとホールに居る人全員がしゃがみ、
「〜〜〜〜〜。」と何かを呟いていた。これはなにかの儀式なのだろうか。
ホールにいる人の中には、永海や、幸がいた。あの二人も?
隣りにいたおじいさんが叫んだ。
「そこまで!…1000年ぶりにサードオニックスが来てくださった…!
サードオニックスが、言葉をお告げになるのだ…失礼のないようにな。」
ホールにいた人は顔を上げなかった。私は、勇気を振り絞って
「かっ…顔を上げてください…!私をたたえてくれるのはう、嬉しいけど…も、申し訳ないので…!」
そういうと歓声が上がった。
「さすが!サードオニックス」と言う声、「偉そうに…」という声も上がった。
何がなんだか分からなかった。
でも、ここがどんなところかは、わかった気がした。