テラーノベル
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ついに五話目です パチパチ✌️
五話目もお楽しみください
15歳の誕生日の夜、私は「肉の地獄」の内側で、100回分の全人生の記憶を呼び覚ましていた。 私の肉体は、すでに人間の形を留めていない。 右腕は第12回目の親友の死体。左腕は第45回目の政治犯の歯。腹からは第4回目の戦死した私の腸が溢れ出している。過去99回分の死と怨念がジグソーパズルのように嵌まり込み、私は部屋の床で、どす黒い体液を流す巨大な異形の塊へと変貌していた。 バキバキと顔面の皮膚が裂け、肉の隙間から無数の手が突き出る。 それらが鏡の内側から伸びる「魂の私」の手と重なり、頭の中に歓喜の声が響いた。『――やっと、100人揃ったね。これで、一つになれる』 過去の怨念たちが、私の自我をすり潰して完全に乗っ取ろうと、精神の奥底まで泥のように流れ込んでくる。常人なら一瞬で発狂し、魂ごと溶けて消えていただろう。(――舐めるな) だが、私は100回目の転生者だ。 私は、自分がまばたきをするよりも自然に、過去九十九回の人生をすべて記憶している。 ある人生では、怨霊を調伏する稀代の陰陽師だった。ある人生では、怪異を解剖し尽くしたマッドサイエンティストだった。 退屈のあまり腐りかけていた私の魂に、初めて「生への執着」という名の激しい怒りが火をつけた。(私の肉体(器)を奪いたければ、奪ってみせろ。ただし、99人分まとめて、私の精神の檻で飼い慣らしてやる!) 私は脳内に溢れる怨嗟の絶叫を、過去の精神防衛術で強引にねじ伏せた。 溶け合いかけた自我の境界線を、圧倒的な意志の力で再び激しく引き裂く。 ――ズブ、ズブブ。 鏡のガラスを突き破ろうとしていた異形の肉体から、今度は私の「100回目の意志」が、肉を割いて内側から両腕を突き出した。 自らの顔を割り、親友の腕をへし折り、政治犯の歯を叩き潰しながら、私は異形の塊の中から、血塗れの「人間の少年の上半身」を強引に這い出させた。「ハッ……ガハッ……!」 100回目の、新しい肺が激しく空気を吸い込む。 下半身は未だに99人分の死体が蠢く肉の塊のままだ。だが、主導権(コントロール)は私が奪い返した。 手の平の『眼』が、恐怖に激しく見開かれる。私に混ざり合った99人の死者たちが、私という器の底知れぬ強固さに、初めて怯えを抱いたのだ。 私は、血と膿に濡れた姿のまま、不気味に歪む鏡を睨みつけた。 この100回目の人生は、退屈な余生などではない。私を100回も転生させ、呪いを混ぜ合わせ、弄んできた「世界の管理者(システム)」を引きずり下ろすための、血塗られた復讐劇の始まりだ。
コメント
1件
いや、めちゃくちゃ重厚な展開でしたね……! 15歳の誕生日に「肉の地獄」の内側で100回分の人生の記憶と怨念が一気に襲いかかってくる描写、ゾッとすると同時に「これがこの物語の根幹か」と興奮しました。特に、過去99回の中で陰陽師やマッドサイエンティストだった人生の記憶を持っているからこそ、乗っ取られずに逆に飼い慣らそうとする意志の強さがめちゃくちゃかっこよかったです。下半身はまだ異形の塊のままで、完全に制御できていない不完全さもリアルで、続きが気になります。最後の「世界の管理者(システム)」を引きずり下ろすための復讐劇の始まり、という一文で、今までバラバラに見えていた伏線が一気に繋がる感じがたまらなかったです。設定の骨格がしっかりしてるから、この展開がすごく説得力を持って迫ってきました。
榎本くもり
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Sea Otter2026
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NAL
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