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第14話 「守るほど、壊れていく」
《Nocturne》の夜は、また忙しかった。
でも前みたいな“騒がしさ”じゃない。
どこか、張りつめた静けさがある。
prとtgは、ルールを守っていた。
守ろうとしていた。
「tg、それ」
「うん」
「そこ置け」
「分かった」
必要以上に触れない。
必要以上に近づかない。
でも――
その“意識してる感”が、逆に不自然だった。
akがぼそっと言う。
「逆に気まずくなってない?」
mzは即答。
「なってる」
ktyは心配そうに見ている。
「前より距離ある気がする……」
atは短く。
「悪化」
その夜。
事件は小さなミスから始まった。
グラス。
注文の取り違え。
人の流れ。
tgが急いでカウンターへ戻ろうとした瞬間。
足が滑る。
「あ」
次の瞬間。
prの腕が出る。
強く引く。
支える。
一瞬の接触。
また、ルール違反。
空気が止まる。
tgが見上げる。
prも気づく。
でも今回は。
離さなかった。
「……まただな」
tgが小さく言う。
prは眉をひそめる。
「仕方ねぇだろ」
tgは少し笑う。
「でもさ」
「これ、ルール守れてなくない?」
その一言で、prの中が少し揺れる。
「……守れねぇだけだろ」
低い声。
tgは黙る。
でも、少しだけ目が柔らかい。
閉店後。
裏口。
二人だけ。
静かすぎる空気。
tgが言う。
「ねぇprちゃん」
prが見る。
「ルールさ」
「やめない?」
prの目が少し動く。
「は?」
tgは続ける。
「守ろうとするほどさ」
「逆に気になるし」
「ずっと意識してる方がしんどい」
沈黙。
prは少し黙る。
「……じゃあどうすんだよ」
tgは少しだけ笑う。
「分かんないけど」
一歩近づく。
今度は迷いなく。
「でもさ」
「今の方が苦しい」
その言葉で、prの中が一気に崩れる。
――ああ、そうだ。
守るっていうのは楽になるためじゃなかった。
“意識させるため”だった。
prはゆっくり息を吐く。
「……面倒くせぇな」
tgは笑う。
「うん」
「でも嫌じゃないでしょ」
prは一瞬黙る。
そして、小さく言う。
「……ああ」
その瞬間。
ルールは終わった。
でも関係は壊れない。
むしろ、少しだけ“生っぽく”なる。
続く
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いまさらだけどこの話色々とちゃっぴーが決めてるんだよね
あほなのでかんがえられへん
コメント
1件
第14話、読み終えました……すごく好きです。 「守ろうとするほど、逆に気になる」って、あの距離感、すごく分かります。気をつければ気をつけるほど、逆に“意識してる”ってバレちゃうんですよね。tgが「今の方が苦しい」って言ったところ、胸がぎゅってなりました。prの「守るっていうのは“意識させるため”だった」って気づきも、重い……でもちゃんと届く。 ルールをやめたことで、関係が壊れるんじゃなくて、もっと“生っぽく”なったのが、すごく良かったです。更新、ありがとうございます🤍