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???「じー」???「何やってるんですか?瑠璃人さん」
???「ふぁ……眠い……」
ここは、廊下の途中。「瑠璃人」は柱に隠れながら「雨花」をみていた。そこに話しかけたのは「橙」。
瑠璃人「雨花ってさ。結構謎っぽいところ多いじゃん?」
橙「確かにそうですね」
瑠璃人「それにあいつちょっとしたトラブルに巻き込まれたらスイスイっと抜け出せる知恵もある。オレそういうのできないから雨花にお手本になってもらおうと想って!」
橙「なるほど……でも、いつトラブルが起こるかなんて分からないんじゃないですか?」
瑠璃人「だと想って、既に仕掛けておいた」
橙「え?」
瑠璃人の視線の先には、雨花と……もう一人男子生徒がいた。そして……
雨花「おっと」
「すみません」
雨花に男子生徒がぶつかってきた。
雨花「…………。いえ!大丈夫ですよ!」
そして男子生徒は、去っていた。
橙「……で、仕掛けておいたとは?」
瑠璃人「やっぱ橙でも分からねぇか。あいつはな。今、雨花の財布を盗んだんだよ」
橙「え?!」
瑠璃人「あいつはオレが仕掛けた仕掛け人。スりの名人で、オレがあいつに雨花の財布をスるようお願いしといた。さぁ……この後雨花はどんな対応をするのか……」
橙「ん?雨花さん。何か持ってませんか?」
瑠璃人「え?」
瑠璃人は双眼鏡を取り出すと、雨花の方向をみた。雨花が持っているものは……
瑠璃人「あ、あいつ……仕掛け人の財布と……しかもスマホまでスり返してる……!?」
雨花は、仕掛け人の財布とスマホを持っていたのだ。
橙「雨花さん……スりまでできちゃうんですか!?」
瑠璃人「それに、オレにスった姿をみせなかったってことは、スりの名人よりも素早くスったってことになる……一体どんな経験を積めばそんなことできるんだ!?」
橙「あの財布とスマホどうするんでしょう……」
雨花は、仕掛け人の財布とスマホをしばらくじっとみると、進行方向に歩き出した。
瑠璃人「な、何事もなかったかのように歩いている……」
橙「雨花さん、自分の財布盗まれてるのに、何故、あんな平然としてるんです!?」
瑠璃人「あっ、雨花が止まった」
雨花は止まると、仕掛け人のスマホを取り出した。
橙「電話かかってますね。もしかして……」
瑠璃人「仕掛け人が誰かの携帯でスマホに連絡してるのかも……」
雨花は、電話に出た。
雨花「もしもーし」
『あ、あなた……さっき俺がスった……雨花か?』
雨花「そうだよ〜」
『あ、あの……すみませんでした!なので、俺の財布とスマホ返してくれませんか?』
雨花「別に返すのは良いよ〜でもさぁ〜わたしなんかにスったことがバレてるようじゃいずれ捕まっちゃうよ?悪いことをする時は、バレないようにしなくちゃいけないんだから〜」
『は、はぁ』
雨花「だから約束して。スる相手はわたしだけにして」
『え!?スるのは良いのか!?』
雨花「別に良いよ。中身のお金もあげる。でも、財布は返して。……あの財布にはわたしの大切な写真が入ってるの。あっちなみにあなたに同情してる訳じゃないよ。わたしが勝手に誰かにとってあなたのことを悪者扱いされたくないって言うエゴで動いてるだけだから」
『!』
雨花「じゃあさっきスった場所で待ってるね〜よろ〜」
『は、はい!』
ピッ
瑠璃人「…………」
橙「……あんな言葉……あんな優しい言葉を言えるのは雨花さんぐらいでは?」
瑠璃人「…………オレには、確かにできないな。はぁ……」
瑠璃人は項垂れ、橙は背中をポンポン優しく叩いた。
雨花「……そこ二人!橙ちゃんに瑠璃くん!さっきからみてるの知ってるよ!!」
瑠璃人「げ!?知ってんのかよ!?」
橙「気づかれてるのは知ってましたよ」
雨花が二人に近寄る。
雨花「瑠璃くんが主犯だったんでしょ?」
瑠璃人「え!?オレたちの会話の内容まで知ってたのか!?」
橙「雨花さんの耳は、地獄耳ですね」
雨花「ふっふっふ!ドヤさァ」
瑠璃人「こいつ恐すぎ」
その後、
「かしら!フルーツティー買ってきました!」
雨花「……あ、はは……どうも」
「かしら!次の授業もおサボりなさるんですよね?良いサボりスポット抑えときました!」
雨花「……あぁうん」
「かしら!寝ている姿もかっこいいっす!」
雨花「……えぇっと……」
「かしら!どうやったらかしらみたいに強くなれますか?!」
雨花「いや、わたし強くないし」
「そんなことないです!尊敬します!」
雨花「多分言ってる強さの分類が違う……」
「かしら!次は何を……」
雨花はその男子生徒からずっとかしら呼びされるのであった。