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???「さぁてと!食堂のレンジであっためたポテト!いっただき……」???「雨花さん!大変ですよ!」
ここは、生徒会室。「雨花」はポテトを食べようとしていた。そこへやってきたのは「橙」である。
雨花「で、でもポテトが……」
橙「この学校にスパイが現れたんですよ!」
雨花「でも、ポテ……」
橙「しかも妖怪の!」
雨花「ポ……」
橙「ほら!行きますよ!」
橙は雨花の襟ぐりを掴むと、走って雨花を引きづる。
雨花「えぇ……」
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???「この学校が町内会で良くない噂を持たれてるのは知っているね?」
???「それは知ってますが……」
???「スパイってどういうことなんすか?」
???「一体何のスパイなんです?」
ここは、理事長室。「雫」が生徒会メンバーである「桃時」、「兎白」、「瑠璃人」も集めて、会議を開いていた。
雫「この学校の弱み握って、学校を廃校にしようと目論むものが現れたと私の古い付き合いになる妖怪の一人が教えてくれた。その妖怪は予知能力を持っている妖怪なのだ。だから君たちにはそのスパイを探してもらいたい」
雨花「そのスパイは妖怪なんですね?」
雫「あぁそう聴いている」
雨花「なら早めに動いた方が良いですね」
橙「妖怪たちは特殊能力を持っていますし……」
桃時「怪我人が出る可能性があるわね」
兎白「怪我だけで済めばまだ少しはマシだが……」
瑠璃人「とりあえず妖怪たちを当たってみようぜ」
雨花たちは早速スパイ探しに没入した。
兎白「妖怪たちは少しだけ協力的になってくれてはいるが……」
瑠璃人「「俺たちを疑うのか?」って突っかかって来る奴もいるっすからね」
桃時「時間が無いわね……」
橙「せめて妖怪たちの顔と人数を把握出来ていれば……」
雨花「…………」
瑠璃人「どうしたんだ?雨花」
橙、桃時、兎白、瑠璃人と悩ましい顔をしている者がいる中、ただ一人雨花は、スッキリとした顔をしていた。
雨花「いやね?妖怪たちの中にも今も少なからず派閥がある。そんな妖怪だらけの学校なのに、新入りが来たらまず間違いなく、狙われる。それなのに妖怪たちはいつもと変わらない顔をしている。本人たちがさっきみたいに言わなかったとしても、絶対何か起こるはずなのにそれが起きてない。……不思議じゃない?」
桃時「じゃあスパイは人間だって言いたいの?」
雨花「ねぇ、橙ちゃん。何か例えば……顔や体に何か特殊な文様があったり、動き方が特殊だったりする人間いなかった?ここ最近で」
兎白「橙に聴くのか?」
瑠璃人「何で?」
橙「………」
桃時「だって橙は、人間の全校生徒の顔と名前を覚えてるんだもの」
兎白・瑠璃人「え!?!?」
雨花「どう?橙ちゃん?」
橙「今想い出したんですが、車椅子の女子生徒が今年入学しました。体育などにはドクターストップがかかっていて、診断書によると全治二ヶ月だったはずです」
桃時「それならもう二ヶ月は経ってるわね」
瑠璃人「診断書まで覚えてるのか!?すげぇ!」
兎白「本当にすごいな!橙!」
橙「ふふっ、ありがとうございます」
雨花「じゃあ早速明日、その車椅子の子に話しかけてみよう」
雨花一行は、車椅子の女子生徒のクラスに行くことになった。
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雨花「ここだね」
桃時「そうね。じゃあ早速……」
「「車椅子の子!こっちに来なさい!」」
クラスの中は騒然としている。その中に車椅子の女子生徒がいた。
「!、……!」
車椅子の女子生徒は、後ろのドアから逃げようとしたが……
瑠璃人「ハイストッ〜プ」
橙「失礼します」
兎白「手荒なことはしない。安心しろ」
「!、そ、その……」
車椅子の子の声はとても美しい声だった。綺麗な泉の精霊が持つ声のような清めた声の持ち主だった。
「す、すみません……」
車椅子の女子生徒は、涙を流して謝っていた。
雨花「……ここじゃ、野次馬がいるからお互いに話ができない。とりあえず、生徒会室に行くよ」
「すみません……」
桃時「謝るのも大切だけど、どうしてスパイなんかしたの?」
橙「まさかあなたが……」
「「人魚だったなんて……!」」
雨花「道理で美声なんだね」
兎白「とても清らかな美しい声だな」
瑠璃人「聞き惚れちまうぜ」
橙・桃時「じーーーー」
瑠璃人「いや!別にそういう意味じゃない!」
兎白「一番好きなのは桃時だ。誰にも譲らない」
「あ、あの……」
雨花「ちょっとみんな!話がズレてるよ!……それであなたもしかして……」
「「売られてきたんじゃない?」」
橙・桃時・兎白・瑠璃人「え?」
雨花以外の一同の驚きの声が揃う。
「……何故そう思われたのですか?」
雨花「この中だったら妖怪たちと一番交流を持っているのはわたし。そのツテで聴いたことがある。妖怪たちを売買するオークションがあるって」
「!」
橙「そんなものがあるんですか?!」
桃時「それ雫さんに言ってないの?」
雨花「悪いけどわたしは雫さんのことみんなと違ってあんまり信用も信頼もしてないんでね」
兎白「雨花……」
瑠璃人「まぁ何にせよ、あんたはそのオークションで売られたってことね?」
「はい、そうです。私はここから遠く離れた海で生活していました。そこへ、人攫いの手にかかり、強姦目的の男性たちに買われるところを、今の買主に買われました。その買主が、この学校のスパイをやるように命じてきたのです。」
橙「どうしてこの学校なんですか?」
「話によると、この学校の前理事長は「ぬらりひょん」と言われる妖怪の長で、その妖怪のぬらりひょんの情報を現理事長である「雫」という方から盗み出すのが目的でした。もし言うことに逆らえば、すぐに先程言った男たちに売り払うと……私の買主は、人間です。なので……」
雨花「妖怪の重点的な秘密事項を知りたかった……と」
「はい、その通りです」
「本当に」
「「申し訳ございませんでした」」
雨花「でもあなたがまだあなたが悪者にならずに済む方法あると想うよ?」
「え?」
雨花は人魚に優しく笑いかける。
橙「あなた、この人魚さんのこと信頼するんですか?」
雨花「わたしがオークションのことを知ってることは、妖怪たちしか知らない。じゃあ妖怪たちに聞いたんじゃないの?って話になるけど、この子は人魚という妖怪である以上、妖怪たちに近づけば、すぐ妖怪だってバレる可能性があるから、妖怪からは情報は聞き出せない。だからオークションのことを知っているのはわたしだけってことになる。人魚さん、謝るだけで何とかこの場を持たせようとしてたでしょ?」
「!」
雨花「自分からオークションの話をしなかった。一番自分が被害者になれる話なのに。この学校に約三ヶ月いるんだからわたしたち生徒会の噂も知ってるでしょ?わたしたちに関わらないようにしてたんでしょ?身バレする可能性があったから。そこまで用心にして、オークションの話もしようとしてなかった部分が信用できる」
桃時「なるほど」
瑠璃人「こういう時だけ頭が回転すんだよな〜雨花って」
兎白「じゃあ俺たちは雫さんに報告しに行こう」
「で、でも、私のことを私の買主が知れば、あなたたちが危険な……」
雨花「わたしたちの噂……知ってるでしょ?」
「!」
《なぁ!あの生徒会って問題児多いよな》《常闇、キレたら何するか分からない奴、ぶりっ子、天然、ガキ……特に常闇はやばいらしいぞ》《でも妖怪たちとかまとめてるよな》《あいつらって……》
「「本当はすげぇヤツらなんじゃね?」」
「…………」
「ていうか授業あったね」「私たち完全に授業サボってますよね……!」「あっ授業のこと忘れてたわ!?」「まずいな」「たまにはサボりもありなんじゃね?」
「ふふっ、これの一体どこがすごいのやら。まぁ私の買主のことより授業のことを心配してるのは確かにすごい事ですね」
雨花たちは雫のおかげで、何とかサボりは免除してもらったそうな。