話は続いておりません。別の話として見てください。
出てくる人↓
青井らだお
伊藤ぺいん
ヴァンダーマー
ネル
お久しぶりです!!
お待たせしました!
本署にはひとつの光があった。
眩しい、眩しい光。
その光は皆を明るく照らしてくれる。
皆その光を見ていた。
らだお「らだお出勤しま〜す。」
「おはよー 」
「おはよう〜」
いつものように挨拶をする。
疲れが溜まっているのか少し体がだるく感じた。
それもそのはずここ最近は家に帰っていない。
犯罪が多くて人手が足りない。
そのためランクが上にいる俺や、同僚、先輩方が頑張っている。
他のみんなも疲れているのか今日の本署は少し暗かった。
らだお「お疲れ様ですネル先」
ネル「おつかれ〜らだおくん〜、最近は犯罪が多くてぐったりだよねぇ笑」
らだお「はい、人手が足りません、笑」
ネル先と少し話し、俺は資料をまとめることにした。
気がついたことがあった。
犯罪が多いものの、MOZUの犯罪が一切ないのだ。
いや、これは言いすぎかもしれないがほんとに犯罪件数が少ない。
ヴァンさん不在なのかな?と思いつつも俺は資料をまとめる。
ふと周りを見た。
やっぱり皆疲れている。
俺は元気づけられないかと考える。
カランカラン
「おはよぉございます〜!!」
そこには光と呼ばれる人がいた。
俺がただそう思ってるだけかもしれないが。
光と呼ばれる者の名は、伊藤ぺいんという人だった。
ぺいん「皆に差し入れだよ〜!」
「え!なになに〜!」
「差し入れだって!!」
みんなは一気に元気になってぺいんの方へ向かう。
ぺいん「はいこれ、ご飯と飲み物!!皆最近疲れてるでしょ〜?だからちゃんと食べて元気だしてもらおうと思って持ってきちゃった」
「え〜!!嬉しい〜!」
「ぺいんさんありがとうございます〜!!」
「まじ神!笑」
らだお(ぺいんはすごいな、)
俺が出来なかったことを意図も簡単にやってしまう。
皆を元気づけることだって簡単に。
少し暗かった本署内も明るくなっていた。
眩しい光が俺たちを光らせる。
俺はそれが苦しくて、辛くて、いつの間にか本署を出ていた。
もう仕事は済んでいたから外に出ても大丈夫だろう。
本署を出ても太陽の光でまた俺は眩しい光を浴びることになった。
でもさっきよりは苦しくも辛くもなかった。
俺はそのまま家に帰ることにした。
久しぶりに家に帰った。
家の中は暗くて寂しい雰囲気。
俺は無性にイラついていた。
疲れていたのだろう。
俺は机を倒していた。
ドンッ
抑えきれなかった。
なにかが俺を動かした。
机も椅子も服も資料も全部散らかした。
ガシャンドンッ ガシャ、ドンッ
らだお「ぁ、あ」
「ぁ、ぁ゛ァ、ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ァ゛ッ〜!!」
誰かの声が聞こえた。
叫ぶ声が聞こえた。
耳を手で塞いでも貫通して聞こえてうるさかった。
俺は理解した。
俺自身の声だと。
眩しすぎる光に目が覚めた。
俺は気を失っていた。
あんなに暗かった部屋が一瞬にして明るくなる。
横たわった机や椅子。
散らかった服や資料。
昨日まで分からなかったことが鮮明に映る。
俺はカーテンを閉める。
そうすると昨日のように暗い部屋に戻った。
頭が痛い。
喉が痛い。
疲れた。
そんな思いを抱きながら仕事があることに気づいた。
俺は本署に向かう。
眩しい光が俺を照らす。
頭が痛い。
なにかに刺されているような激しい頭痛。
喉も痛くてあまり上手に声が出せなかった。
それでも我慢しながら本署へ向かう。
頑張らないと。
そう思った。
らだお「おはようござ、いま〜す」
「おはよう〜!」
「おはよ〜」
いつものように挨拶をする。
本署に着いた時にヘルメットを忘れたことに気づいた。
でも今はそんなのどうでもよかった。
喉が痛くて挨拶をする時、少しつっかえてしまった。
今日はぺいんと二人でパトロールをする日だった。
なんというタイミングだ。
ぺいんのことは嫌いじゃない。
でもあの光をうけることは嫌だった。
ぺいんはそんな俺を見て心配した。
ぺいん「大丈夫?なんかあったら言ってね?」
らだお「うん…」
ぺいん「難しいことがあってもらだおなら大丈夫だよ!!」
らだお「う、ん…」
ぺいん「僕も手伝うし、大変だったらいつでも言って?」
俺にはその言葉が痛かった。
心配してくれてる、元気づけてくれていると分かっていてもやはり苦しさが勝ってしまう。
らだお(ねぇぺいん、俺には眩しすぎるよ…)
今日はヘルメットを被っていないせいか余計に眩しく感じた。
こちらに光を向けないで。
俺は暗いままでいいから。
もう光を浴びさせないで。
もう…
やめて。
俺は下を向く。
もう光が見えないように。
ぺいん「らだお?もしかして体調悪い?」
らだお「い、や、悪くない…」
ぺいん「何かあったの?らだお?」
ぺいんは優しく俺に聞く。
でも俺にはその言葉は凶器だ。
優しく暖かい言葉のはずなのに、その言葉は俺の全身をさす。
痛い、痛い痛い痛い痛い痛いよ、
らだお「俺、大丈夫だから、」
俺は無理やり笑顔を作りぺいんに言った。
ぺいん「大丈夫じゃないでしょ?僕を頼ってよ、心配だから、 」
らだお「…大丈夫だからッ!」
ぺいん「、ら、だお…?」
思わず大きな声で言ってしまった。
もうやだ。
ぺいんは驚いた顔をしていた。
それもそうだろう。
善意で言った言葉を振り払われてしまったのだから。
眩しくて、痛くて、苦しくて、辛くて、何もかもが嫌で、俺はその場を逃げようとした。
らだお「ごめん、俺、大丈夫だから、ね?」
らだお「パトロール俺がやってくるからぺいんは資料やってていいよ、」
ガシッ
らだお「え、」
ぺいんが俺の手を掴んで止めて来た。
らだお「離して、ぺいん」
ぺいん「なんで、嫌だ、何があったのか教えてよ、」
らだお「…もう、やめて、俺に光を向けないで、」
今まで思っていた言葉が口から出る。
ぺいん「え、?」
らだお「もうやめっ」
バッ
その瞬間俺の視界が真っ暗になった。
ぺいんに嫌な言葉を向けるところだった。
危なかった。
さっきまで目の前が眩しい光で包まれていたのに、一瞬で目の前は暗くなった。
何故だろう。
俺は安心していた。
ヴァンダーマー「らだおさん、迎えに来ましたよ」
ぺいん「ヴァンダーマーッ!!」
らだお「ヴァン、さん?」
目の前が暗くなったのはヴァンさんが俺の目を手で覆い隠したからだった。
ヴァンダーマー「少し目を休めなさい。」
ヴァンさんは俺の耳元でそう言ってくれた。
らだお「ありがとう、ございます。」
俺は素直に従う。
ぺいん「らだおを離せ!!離さないと撃つぞ!」
ヴァンダーマー「撃ってもいいのですか?今主導権を握っているのはこちらですよ?」
ぺいん「ッ?!」
ヴァンダーマー「伊藤ぺいん、らだおさんには貴方の光が眩しすぎる。」
ぺいん「何の話だ!」
ヴァンダーマー「そう、それですよ、無意識にこちらに光を向けている。貴方はわかっていない。」
俺は無言で2人の話を聞く。
ヴァンダーマー「らだおさんがどれだけ頑張ってきたか、プレッシャーに押しつぶされそうになりながら仕事をこなしたか、後輩の分も背負ってきたか、」
らだお(あぁ、この人は、ヴァンさんは…)
ヴァンダーマー「貴方たちは知らないっ警察の人ならわかるはずでしょ、」
ぺいん「ッ、」
ヴァンダーマー「では私たちはこれで失礼します。」
ぺいん「おい!!待てッ!」
ヴァンさんはぺいんの言葉を無視し俺の目を塞ぎ、そのまま歩いていく。
俺はヴァンさんに連れられる。
ヴァンさんは俺の事をよく見ている。
警察である仲間さえ気づかなかったことをヴァンさんは気づいてくれた。
気づいてくれる人がいると言うのはこんなにも嬉しいものなんだなと俺は思う。
初めての感情に包まれる。
俺はヴァンさんの車に乗せられた。
そして俺はお礼を言う。
らだお「ありがとうございます、」
ヴァンダーマー「いえ、ちょうど見かけたので」
ヴァンさんはぺいんとは違う優しさで俺を包んでくれる。
らだお「MOZUの犯罪件数が少なかったのって俺たちを気遣ってのことですか?」
ヴァンダーマー「はい、人手が足りないとお聞きしましたので、」
らだお「優しいですね、」
俺は真っ先にそう思った。
ヴァンダーマー「らだおさんにひとつ提案です。」
らだお「はい」
ヴァンさんはこちらに体を向けまっすぐ見てきた。
ヴァンダーマー「らだおさん、どうですか?私の所に来ませんか?」
らだお「え、…」
ヴァンダーマー「眩しい光がない場所へ、来ませんか?」
らだお「…」
正直俺は迷ってしまった。
行ってはダメなのに、皆がいるのに。
あの光に俺は耐えられない。
でも
その光を無駄にしたくなかった。
俺に大丈夫だと言ってくれた。
皆がいるから。
らだお「ごめんなさい、それはできません」
ヴァンダーマー「どうして?」
らだお「皆がいるから、皆のこと好きだから、光に耐えられなくても俺は、」
でも苦しい。
そこにいたいのに。
ヴァンダーマー「無理しなくていいんですよ」
ヴァンダーマー「貴方は少々人のことを考えすぎてしまいます。そんなに思い込まなくてもいいんですよ」
らだお「ありが、とう、ございます」
それでも俺は、
らだお「皆、優しくて、仲間思いで、こんな俺でも仲良くしてくれて、嬉しかった」
らだお「今度は俺がそれを返す番なんです」
らだお「だからごめんなさい」
ヴァンダーマー「らだおさんらしい答えが聞けて何よりです。」
ヴァンさんは俺の意見を否定せず聞いてくれた。
らだお(あんなこと言った手前だけど)
らだお「今からでも間に合いますかね、笑」
ヴァンダーマー「絶対大丈夫ですよ」
ヴァンダーマー「送ります」
らだお「ありがとうございます」
俺はヴァンさんの車でぺいんの所へ向かった。
らだおがヴァンダーマーに連れてかれた。
頭の中が整理できなくて混乱する。
今迄の言動を俺は思い出す。
らだおなら大丈夫ってなんだ、
僕も手伝うからってなんだ
ぺいん「僕、ずっと無理させてた、?」
ぺいん「ずっと、ずっと頑張ってきたらだおに頑張れって言って、」
僕は知ってる。
頑張れって言葉がどれだけ心を締め付けるか。
らだおはもう頑張っていたのに。
ぺいん「僕は、なんてことをッ、」
ぺいん「ッ、ヒックッ、〜、」
涙が出た。
泣いてはいけないのに、らだおの気持ちを考えたら自然と涙がでた。
ぺいん「泣くな、ッ、泣くのは僕じゃないッ」
ぺいん「らだおに、らだおに会いに行かなきゃッ、ズビッ」
僕はらだおの居場所をマップ上から見る。
どうやららだおはこちらに向かってきてるようだった。
僕は外で待つことにした。
本署に行くと外でぺいんが待っていた。
ぺいん「ッ!!、らだおッ」
らだお「ッ?!」
らだお「…ありがとうございました、ヴァンさん」
俺はヴァンさんにお礼を言う。
ヴァンダーマー「いえ、…早く行ってあげてください、」
ヴァンさんは俺にそういうと車を少し走らせていた。
俺はぺいんのところへ向かう。
らだお「ぺいん」
彼の名を呼ぶと下を向いていた顔をあげ俺に言う。
ぺいん「ッ、ごめん、ごめんらだおッ」
らだお「〜ッ、」
あぁ俺はこんな顔をさせてしまったんだ。
いつものように太陽みたいな笑顔ではなく悲しそうに苦しそうに泣いていた。
ぺいん「ごめん、気づけなくて、ごめん…気づかないで、らだおにずっと無理させてた、」
ぺいん「無責任なこと言ってごめんッ、」
自分の涙を手で拭いながらぺいんは言った。
いつもの笑顔では無いぺいんを見るのはなんだか新鮮で少し面白くなってしまった。
らだお「…笑」
らだお「お前が笑顔じゃないの可笑し笑」
ぺいん「へ、?」
俺の言ったことにぺいんは驚いた様子だった。
らだお「ずっと俺に光をくれてありがと」
らだお「だから笑顔でいて?、笑」
俺は少し笑いながら言う。
ずっと俺を心配して、元気づけてくれたぺいんが好きだ。
だから笑顔でいて欲しい。
心からそう思った。
ぺいん「ぅ゛ッ、う゛んッ、笑」
らだお「笑笑」
ぺいんの拙い返事にやはり笑ってしまった。
そして俺はぺいんの涙を拭う。
後ろを見るとヴァンさんがまだいたので俺はお礼を言おうと思った。
らだお「ぺいん俺ちょっとヴァンさんのとこ行ってくるわ」
ぺいん「ん!わかった」
今度はしっかりした返事で答えてくれた。
もう涙は出ていなくて泣いたあとだけが残っていた。
俺は走ってヴァンさんの所へ向かった。
少し遠くで2人が話している。
私はらだおさんが心配で帰れなかった。
車を背に私は2人を見る。
らだおさんは笑っているようでぺいんは泣きながら笑っていた。
らだおさんはぺいんの涙をぬぐっている。
ヴァンダーマー(いいな、)
少しそう思ってしまった。
すると、らだおさんが何故かこちらに走ってきた。
らだお「ヴァンさん!」
元気な声で私の名前を呼ぶ。
もうすっかり明るい表情になっていた。
ヴァンダーマー「はいどうしました?」
らだお「ありがとうございました、助かりました」
らだおさんはお礼を言う。
いつも助けられている身からすると変な気持ちだ。
ヴァンダーマー「いえ、助けになれて良かったです」
らだお「えっと、じゃ、じゃぁ、」
らだおさんは私の返事に動揺したのかすぐにぺいんの所へ戻ろうとする。
ヴァンダーマー「元気でなー、」
らだおさんは私から離れていく。
らだお「ヴァンさんッ!!」
君はもう一度私の名前を呼ぶ。
私は振り返る。
ヴァンダーマー「ん?」
太陽の光が少し強くなる。
らだおさんは私を見て笑顔になる。
太陽の光のせいかあまり顔が見えなかったがそう見えた。
風が吹きらだおさんは髪を耳にかけ、言う。
らだお「ヴァンさんのこと大好きですよ!!」
ヴァンダーマー「ッ?!」
らだお「ありがとうございました!!」
ヴァンダーマー「…///、、ぁあ、笑」
私はその言葉に驚きまともな返事ができなかった。
ヴァンダーマー「やっぱり君には敵わないな、笑」
らだおさんが私から離れたあと1人つぶやく。
この気持ちを、 これを、恋と呼ばず何と呼ぶのか。
あの言葉が恋であったら、
君も私と同じ気持ちだったら良いのに、
心からそう思った。
おまけ
らだおはヴァンダーマーさんに挨拶しこちらに戻ってきた。
らだおの顔は何故か少しだけ赤くなっていた。
ぺいん「らだお?顔、赤い?」
ぺいん「大丈夫?」
らだお「へ?、うぅん大丈夫、//」
らだおは何故か照れているように見えた。
まぁなんでもいいっか。
らだおが戻ってきたんだから。
僕は今日も仲間と過ごす。
1日1日を大切にしながら。
end
コメント
2件
らだおおおおおおおおおおお わかるぞー!!光って時に自分の敵になることあるよな、自分もそういう時期あったんでうるうる見てました😭 まじ作品神すぎますっ!!供給ありがとうございます🫶🏻💞