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あくねこ夢小説※主様出てきます。血の表現ありなので苦手な方はスキップ推奨します。
『貴方のナカマデ愛してる。』
〜狂った愛と歪んだ執着〜
fourth story ハンニンハダレ
アモンは、エスポワールのバラ園で
吊るされて遺体で発見された。
…皮肉なことに。彼の好きなバラのツルで。
『……。』
私はアモンの痛いの前に座り込む。
(さっきまで……話していたのに。春の花を買って、咲くのを楽しみにしていた。
どうしてアモンが……殺されなきゃいけないの?)
『…ベリアン。』
『フィンレイ、様…。』
憲兵を連れたフィンレイ様が私のなまえをよぶ。
『何があったんだ?どうしてこんな……。』
『……りゃ、……だろ。』
『ボスキ君?』
グイッ!
俺はフィンレイ様の胸ぐらを掴む。
『見りゃ分かんだろ!?アモンが死んでんだよっ!!』
『貴様悪魔執事!!!フィンレイ様に対して何たる無礼!!』
憲兵が武器を構える。
『…武器をおさめてくれないかい?』
『で、ですが、フィンレイ様……。』
『聞こえなかったかな?』
『は、はい…。』
『…くそ…っ。』
『…心中お察しするよ。ボスキ。君はアモン・リードのことを後輩として可愛がっていたと聞いているよ。アモン・リードもまた、ボスキを尊敬していた。悔しいのは私も同じだ。』
『く…。』
俺は涙を流す。
『…悪魔執事の主。』
『は、はい。』
『今は辛いだろうが…君が執事達の傍にいてやってくれ。』
『もちろんです。』
『必ずアモン・リードを殺害した者を捕まえる。』
フィンレイ様は私の目を真っ直ぐ見つめた。
『はい…っ。お願いします…。』
絶対許さない。アモンをこんな目に合わせた奴を絶対に。
憲兵の人達がアモンの遺体を運び、
白い布に包む。
そして馬車に乗せられるまでを見ることしか出来なかった。
『…おい。アモン!!!』
シュル…っ。
俺は髪を解いてぐしゃぐしゃにした。
『ボスキ…?なにやって…』
『お、おい。お前何を…。』
『髪がほどけたんだ。直せよ、アモン。』
『――。』
いつもなら、『しょうがないっすね〜』って言ってくれるだろ。
『なぁ、頼むから…っ。』
『……憲兵。早く馬車へ。』
『…かしこまりました。』
憲兵は俺を置いて馬車を走らせる。
『く、そっ……っ。あああああああああっ!!!!!!!』
アモンの訃報は…伝書鳩でいち早く伝えられた。私とベリアンは屋敷に戻る。
ボスキは『1人にしてくれ。』と、どこかへ行ってしまった。
パサ…っ。
『嘘、だよな?おい。アモンが殺されたってどういうことだ…!?』
『…俺にも分からないよ、信じたくもない…っ。』
『く…っ。なんで、アモンが殺されなきゃいけないんだ。 』
『…っ…。』
ドサドサドサッ!!
『『!?』』
廊下を歩いてきたラムリが本を落とす。
『ハウ、さん。メガネ君も…今、なんて…?ローズ君が…殺された…?』
『ラムリ…っ。』
『嘘、だよね?ローズ君が死ぬなんて、そんな……。』
『…ラムリ。残念ながら事実です。先程フィンレイ様からも手紙が来ました。』
ナックが声をかける。
『そん、な、嘘だ。嘘だよっ!!!』
ラムリは泣きじゃくる。
『うぁぁぁぁぁぁ!!!!』
『今のは…ラムリ君の声ですね。』
『ラムリ君にとってアモン君は同い年であり、1番話しやすい相手で。慕っていたはずだ。お互いを。そんな相手が……いきなり、死んだなんて……。』
『アモンさんが…一体誰に…。』
『アモンさんがどうして…。』
『エスポワールのバラ園で吊るされていたらしい。くそ…っ!』
『アモン君……っ。』
『一体誰が…アモン君を…』
『……。』
一方その頃――。
『…よく出来ましたね。』
『ぜ、全部言われた通りにしました!だからもう、見逃してください!!』
『…おやおや。何か勘違いをしていますね。あなたたちのお仕事はこれからが本番ですよ。』
『な、何をすれば…?』
『クスッ。』
目の前に悪魔が現れた気がした。黒と赤を纏う。悪魔――。
次の日――
検死の結果を報告したいと連絡が来た。私とベリアンはグロバナー家に向かった。
『報告書によればアモン・リードは後ろから刺され、出血多量により死亡したと報告がある。』
『後ろから…。』
『うむ。このキズの深さ、大きさから察するに…鎌のようなもので刺されたと見える。』『鎌…?』
それを聞いた途端。゛何故か゛1番にルカスが浮かんだ。
『主様?』
『!ごめん、考え事してた。』
『今憲兵達に目撃者や犯行現場を操作してもらっている。また新たな事が分かったら連絡をする。』
『はい。ありがとうございます。フィンレイ様。』
ぺこりっとお辞儀をしてグロバナー家を去る。
ボスキは昨日から帰ってきていない。
(ボスキ、一体どこへ…。)
『……。』
チャキッ
俺は剣を構える。
『くそ、くそ…っ!!!』
俺は無造作に剣を振るい続ける。
『あいつは、アモンは……っっ。殺されるような奴じゃねぇんだよ…っ!!』
俺は涙を流す。
『…そろそろ屋敷に戻らねぇとな。主様が心配する。』
『…ボスキ。』
『!!主、様…?…っ、どうしてここが分かった?』
俺は涙を拭く。
『ハウレスとフェネスが教えてくれた。』
『そうか。…悪かったな。屋敷に戻らずに。』
『…いいんだよ。辛いのは、私も同じだから。ねぇ、ボスキ。』
フワッ
私はボスキを抱き締める。
『!』
『泣きたいなら泣いていいよ。私が受け止めてあげるから。一緒に泣こう。』
『っ、主、様…。くっ…!う、うぅ…。
くそ……っ。』
ボスキは涙を流す。私も泣いた。
この空間は静寂に包まれる。
数日後――。
コンコンっ。
『フィンレイ様。アモン・リードのことについて進展が。』
『!?』
『犯行現場は中央の大地に位置するル・リベール生花店の前…。目撃者はそこにいた客と店主です。』
『そしてその2人はなんと…?』
『犯人は黒いローブを被っていて…凶器は鎌と供述しております。』
『…待て。黒いローブというのは…。』
『……グロバナー家の紋章が入っているあの黒いローブです。』
『何……?』
(何故、グロバナー家の黒いローブを……?)
と、その時だった。
ざわざわ……っ。
門の外で騒がしい声がする。
『やけに騒がしいな。』
私は気になり、外に出る。
『なんだお前達は!ここはグロバナー家の敷地内だ!勝手に入ってくるな!』
『グ、グロバナー家の当主を出してくれ!今すぐ伝えなきゃいけないことがあるんだ!!』
『…なんだ騒々しい。』
『フィ、フィンレイ様!』
コツコツ……。
『っ、グロバナー家の当主か……?』
『そうだが。』
『っ、悪魔執事のアモン・リードの件について話したいことがある。』
『!』
『は、犯人は俺達だ。』
『……何?』
『だ、だから俺達が犯人だと言ってるんだよ!つ、捕まえてくれよ!!』
『……。』
(この者たちの顔…何か引っかかる。何かに脅えているような。強いられているかのような。)
まるで――。逆らえない゛何か゛に怯えているような――。
『…憲兵。この2人を連れていけ。』
『はっ! 』
『君達が犯人どうかは尋問して決める。』
ギラッと睨みつける。
(もし犯人ならば悪魔執事の主に報告せねば。)
一方その頃。デビルズパレス。
『主様。ゆっくり休んで下さい。』
『……うん。』
アモンの事で眠れぬ夜を過ごしていた私は
倒れてしまい、ルカスに運ばれた。
『ねぇ、ルカス。』
『はい。主様。』
『…アモンが亡くなったのにどうして普通でいられるの?』
『……。普通に見えますか?』
『…!』
『悲しいですよ。私も。』
『そう…。』
(違うよね。ルカスじゃないよね。)
『……ルカス。今は1人にしてくれる?』
『…かしこまりました。』
パタンっ。
『…ふふ。』
(やつれてしまって可哀想ですね……あるじ様。悲しい?えぇ。悲しいですよ。アモン君。私の主様に手を出して…こんなことになるなんて。)
貴方を傷つけるものは全て消してあげますからね。私に全て任せて頂ければ大丈夫です。
ですから早く私に――堕ちてきてくださいね。
次回
FIVE story ウソガアバカレル