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白山小梅
12
#借金
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* * * *
瑠維が用意してくれたバスローブを着てからリビングに戻ると、瑠維が冷蔵庫からケーキの箱を取り出しているところだった。
「そ、それってあのフルーツタルトのお店の⁈」
「春香さんもお好きですか? 僕も好きで時々買いに行くんです」
箱を開けると、中にはフルーツタルトが二つ並び、輝きを放っている。
「冬季限定の季節のフルーツタルト、食べたいなぁって狙っていたの。嬉しいなぁ」
いつも行列が絶えない店なので、普段は仕事が休みの日に一人でも食べに行ったりしていた。ここ最近はいろいろなことが重なり、なかなか行くことが出来なかったので、春香の心は踊った。
瑠維が食器棚から皿とフォークを出し、春香がタルトを皿に移し替える。それから二人はカウンターに並んで座ると、ほぼ同時に食べ始めた。
「あぁ、美味しい……こんな時間に食べているのが罪悪感たっぷりなんだけど」
「それならまた泳ぎに行きますか?」
「うーん……明日も早番だし、今日はやめておく」
昨夜のことを思い出し、恥ずかしそうに俯いた。そのことに気付いたのか、瑠維は嬉しそうに微笑む。
「それなら違う運動をしませんか?」
瑠維が何を言いたいのかわかった春香は、大きなため息をついた。
「瑠維くんの体力は底なしなのねぇ」
タルトをペロリと食べ終えた春香は、同じく空になった瑠維の皿を持つと、キッチンへ急いだ。瑠維に赤くなった顔を見られないよう、俯きがちに洗い物を始める。
本音を言えば、もう一度瑠維くんに抱かれたいと思ってしまったが、それを悟られないように配慮する。
だってこんなに性欲が強いなんてバレたくないものーー。
背後に立った瑠維は、背後から春香の体を抱きしめた。
「瑠維くん?」
「ーー僕自身も驚いています」
春香の心臓が激しいリズムを刻み、息苦しくなっていくのを感じる。
「こんなに春香さんが欲しくて、求めてしまうーーこんな僕を抑えられなくて、あなたに拒絶されたらどうしようと不安になるのに、止められないんです」
洗い物を終えた春香はタオルで手を拭ってから、くるりと体を回転させて瑠維の方を振り返る。
彼がどんな表情をしているのか確認しようとしたのに、無表情のため読み取ることは出来なかった。
よく考えてみると、いつも春香に触れる時は了承を得てからだった。そこまでは瑠維の理性は働いているが、春香の返事をもらった瞬間に崩壊してしまうのだろう。
ただ彼がその行動に対して不安に思っていたとは意外だった。それほどまでに抑えが効かないと言われると、春香としては逆に嬉しくなってしまう。
「私、別に嫌とは言ってないよ? やめてって言うのにやられたら嫌だけど、そうじゃないでしょ?」
春香は瑠維の腰に手を回してギュッと抱きしめる。
「私だって本当はずっと瑠維くんが欲しいって思ってるよ。自分の欲望がこんなに底なしなんて知らなかった……んっ……」
唇を塞がれた瞬間、体がふわりと宙に浮いた。ワークトップに下されてもキスが終わる事はなく、それどころか春香の足の間に瑠維が身を滑らせ、バスローブの腰紐も外されとしまう。
「春香さんが僕を喜ばせるからですよ」
「えっ、ちょ、ちょっと瑠維くん……まさか……するの?」
「ダメですか?」
「だ、ダメじゃないけど……」
すると瑠維は春香の首筋に舌を押し当てながら、ゆっくり胸や臍を舐めながら下へ下へと下りていく。足を開かせ、顔を埋めた途端に、春香の体が大きく跳ねた。
「春香さんが甘くて、どうにかなりそうです……」
「しゃ、喋っちゃダメ……!」
初めての感触に立っていられず、ワークトップに倒れ込んでも、瑠維の舌と唇が執拗に春香の敏感な部分を攻め立てる。春香の中で瑠維の舌が動き続けると、体が弓形になって果てた。
ようやく解放された春香は、瑠維を自分の方へ抱き寄せると、熱った顔で口を尖らせる。
「瑠維くん、エッチ過ぎる!」
すると瑠維はメガネをクイっと上げる。
「春香さんが可愛い過ぎるからです」
密着すればするほど瑠維のモノが春香の足の間にグイッと押し付けられ、徐々に呼吸が乱れて体が熱くなっていく。
「……瑠維くん、なんでそんなに元気なの……!」
「言ったじゃないですか。抑えられないって」
「……本当にするの?」
「……ダメですか?」
上目遣いで見上げた瑠維の目を見ると、ダメとは言いたくない。熱を帯び、魅惑的なその瞳にもって見つめられたくなる。
「い、一回だけだからね」
「大丈夫です。今度こそ約束します」
「ここはダメ……ベッドがいい」
「わかりました、すぐに行きましょう」
そう言うと、瑠維は春香を抱き上げて寝室へ飛び込んだ。