TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

黎と青の約束

一覧ページ

「黎と青の約束」のメインビジュアル

黎と青の約束

9 - 第九章 封印崩壊 ― 天を喰らう愛

♥

14

2025年11月08日

シェアするシェアする
報告する

愛が、天を砕いた。

そして世界は、再び“始まり”を迎える。



蒼の光と黒の闇が交錯する天。

その中心に、青龍とレイが立っていた。

空は裂け、大地は燃え、神域は悲鳴を上げている。


「青龍! やめろ、これ以上は――!」

玄武の声が響くが、青龍は振り返らない。


「もう止まれぬ。

天の理が俺を裁くなら、全て壊してやる。」


青龍の背から、蒼い龍が現れる。

無数の鱗が光を反射し、空を覆い尽くす。

その瞬間、天上から巨大な金の紋章が現れた。


“青龍、汝の名を剥奪する。”




天の声。

冷たく、絶対的な神々の裁き。


だが、青龍は笑った。

「名など要らぬ。俺には――彼女がいる。」


レイの手を握る。

その指先から蒼と黒の光が交じり合い、空を染めた。


「レイ。お前は、俺と共に“新しい世界”を見たいか?」

「……見たい。たとえ、それが終わりでも。」


二人の光が一つになった瞬間、

天上の封印が砕け散り、世界中の神殿が崩壊していく。





同じ頃。


朱雀は炎の中で笑っていた。

「……はは、最高だな、青龍。

理を壊して、愛を選んだか。――なら俺も、好きにやるさ!」


彼の背から紅蓮の翼が広がり、空を裂く。

炎の羽が散り、天の軍勢を焼き払っていく。


白虎は剣を構え、蒼い空を見上げた。

「……レイ。

お前があいつを選ぶなら、俺はその選択ごと守る。」


鋭い爪の剣が光り、現実を断ち切る。

青龍の暴走を止めようとする天の鎖を、白虎が切り裂いた。


「さぁ、行け。

“俺たち四神”が、お前の道を拓く。」


玄武が時間の力を解放する。

世界の流れが止まり、風も音も失われる。


「……この瞬間だけでいい。

お前たちが互いに触れ合える時間を――永遠に。」


玄武の瞳が静かに閉じられると、

時が凍り、空間が青龍とレイを包み込んだ。





光の中。

青龍がレイの頬を撫でる。

「……これが最後になるかもしれん。」

「ううん。最後なんて、信じない。」


レイの瞳は穏やかで、確かな決意に満ちていた。

「あなたが世界を壊すなら、私が世界を創る。

あなたの代わりに、罪を背負うから。」


青龍は目を見開き、そして――微笑んだ。

「……やはりお前は、光だ。」


二人の身体がゆっくりと光に溶けていく。

その輝きが空へと昇り、やがて巨大な輪を描いた。


――新しい神が生まれようとしていた。




蒼と黒、そして紅と白の光が絡み合い、

天に“第零の神”の紋章が浮かび上がる。


レイの声が響く。

「私は誰の上にも立たない。

人と神と、闇と光の間に立つ“調和”の神になる。」


青龍がその名を囁く。

「レイ……いや、これからは――《黎(れい)》と呼ぼう。」


黎。

黎明の黎。

夜明けを告げる者。


その名を呼んだ瞬間、

空が砕け、世界が新しい形へと再構築されていく。





光が収まり、静寂が戻った。


青龍は跪き、彼女の手を取る。

その瞳には、誇りと愛が混ざっていた。


「黎。お前は神々の理を越えた。」

「あなたがいたからよ。」


朱雀が降り立ち、笑みを浮かべる。

「やれやれ。世界が変わっても、恋は消えないらしい。」

白虎が肩をすくめ、玄武が微笑む。


黎は四人を見渡し、そっと微笑んだ。


「ありがとう。みんなのおかげで、私はここにいる。」


彼女が手をかざすと、崩壊した神域が再び形を取り戻す。

花が咲き、風が流れ、世界が息を吹き返す。


――それは“終わり”ではなく、“始まり”だった。




青龍がそっと囁く。

「黎、これからどこへ行く?」

「まだ知らない。でも……あなたとなら、どこまでも。」


彼女が微笑む。

朝日が昇り、世界を黄金に染める。


四神はその光の中で静かに跪いた。

黎はその中心で、蒼い瞳を空へ向けて告げた。


「この世界に、もう“神の涙”はいらない。

これからは、人が愛を語る時代にする。」




風が吹き、花が舞い上がる。


青龍はそっと微笑んだ。

「――黎。

お前が俺の“世界”だ。」


そして、黎は彼に抱かれながら、

静かに、新しい朝を迎えた。

この作品はいかがでしたか?

14

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚