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お茶を出されたが怖いので飲まず、勇人を抱いたままソファに座っていた。

偉そうなおじさんや、そのほかの人たちはほとんど部屋を出て行った。

哲人は、ある程度混乱が収まってきたらしく、爺さんと話している。

どうやら、爺さんが私たちの窓口担当になったようだった。

「じゃあ、先ほどの呪文のようなものは、魔法なんですね」

「そうです。魔力を乗せた声で、魔語(まご)を語ることで発動します。しかし、勇者様がたには同じ言葉に聞こえるとは……。その効果もあって、これまでの勇者様は魔法を簡単にお使いになったのでしょうな」

さっきからしゃべっている爺さんの口元を見ていたが、どうやらまったく違う言語を話しているらしく、口の動きと聞こえてくる言葉が違う。

これがよくある自動翻訳というものなのか。だいぶ慣れてきたけど、最初は気持ち悪かった。

「魔法って……誰でも使えるものなんですか?」

「はい、そうです。使える魔法の差はありますが、そうですな、勇者様であれば、伝説級の魔法も簡単にお使いになるでしょう」

「へぇ……」

落ち着いているように見えるが、哲人はまだ爺さんを信じていない。

爺さん(役人さんらしい)によれば、魔王が現れると、この国の神殿に勇者が招かれるらしいが、神の御技らしくてよく分からないそうだ。

よくある誘拐(召喚)とは違うのかな。

魔王が出たから、国が勇者を召喚して、言うこと聞いてもらって倒してもらおうっていう他力本願なアレ。

私としては、犠牲が出まくっててそれしか方法がないことが分かってるなら、否定するつもりはない。

誰だって生き残りたいものね。

だけど、私がその勇者的な立場にあるのなら話は別。

元の世界に戻る方法を探してもいないなら、そんな世界、自分が死ぬ直前に潰しちゃえ☆と思ってる。

否定はしてないよ、心底イラっとするだけで。

とはいえ、あくまで聞いただけだから爺さんの言ったことが本当のことかは分からない。

魔物もいて、魔王が治める土地に近づけば近づくほど、強い魔物がいるとか。

魔法があるってことは、ステータスとか見られるのだろうか。

「使える魔法などは、どうすれば分かりますか?」

哲人が聞く。

じいさんは、どうやら哲人を勇者と考えて話しているらしい。

私と勇人のことはほぼ眼中に入れていない。

いいけどね。

「……魔力を乗せて『自分の人物評価』と魔語で唱えてくだされ。自分の状態を確認できるはずです。我々にとっては、使える魔法や剣技、突出した知識などの状態を確認する、魔法の基礎です」

「なるほどー。魔力を乗せて……<自分の人物評価>……えっ?!」

哲人は言葉を唱え、驚いて固まった。

何か起こったらしい。

私も、隣で小さく口を開いた。

「<自分の人物評価>」

やろうと思ったら、勝手に言葉に魔力が乗って、魔語になるらしい。

便利すぎる。

そして、目の前に透明な画面のようなものが出てきて、いろいろ書かれていた。





氏名:竹峰 邪栄

性別:女

年齢:31歳

状態異常:なし

装備:寝間着

魔法:レベル2153

独自魔法:実現魔法

剣技(短剣):レベル2

体術(蹴り):レベル12

知識:レベル35

称号:さいきょうの魔王様

特記事項:子ども優先、魔法自作可能



待て。

いろいろ待て。

魔法のレベル、ほかと比べておかしくない?

ていうか、称号なにこれひどい。

さいきょうって、最強?それとも最恐?最凶?まさかぜんぶ?

「だっだっだ、だゃーっだ!だぅだぅ」

勇人が、小さな手で私の胸のあたりをぺちぺちと叩く。

座ってるだけだから、飽きてきたかな。

そういえば、哲人や勇人のステータスはどうしたら見られるのだろうか。

ちょっと思いついたので、試してみよう。


私は、隣の哲人を見た。

「<哲人の人物評価>」

哲人が、おや、という顔でこっちを見た。

小さい声だったので、爺さんには聞こえなかったようだ。



氏名:竹峰 哲人

性別:男

年齢:31歳

状態異常:なし

装備:寝間着

魔法:レベル35

独自魔法:警護魔法

剣技(長剣):レベル8

体術(受け身):レベル13

知識:レベル1925

称号:巻き込まれた賢者殿

特記事項:家族命、魔法自作可能



あ、哲人は巻き込まれたんだ。

あれかなぁ、巻き込まれチート的なアレ。

というか、私たちの両方とも勇者ではない、ということはまさか。

「……<勇人の人物評価>」



氏名:竹峰 勇人

性別:男

年齢:0歳

状態異常:なし

装備:着ぐるみの寝間着

魔法:レベル201

独自魔法:天候魔法

剣技(大剣):レベル210

体術(ゆうぱんち):レベル1

知識:レベル1

称号:勇者ちゃん

特記事項:抱っこ推奨、両親(主に母)とセット、魔法と剣技は潜在中のため成長なし、魔法自作可能



まさかの、勇人が勇者でした。

さっきから、魔法・剣術・体術・知識のレベル、称号もおかしい。

適当なの?

ふざけてるの?

ゆうぱんちって私たちがふざけて名付けた、ただのペチペチするやつなの?

特記事項はトリセツなの?

『勇者ちゃん』っていうことは何?

私が勇人に倒されなければいけないの?

それとも、私の『魔王様』っていう称号はギャグなのか?

だめだ、ちょっと考えをまとめる必要がある。

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