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超短編集
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青白
初心・甘酸っぱい系
青視点
チャイムが鳴って、クラスのみんなが一斉に立ち上がった。
かくいう俺も、弁当袋を持って、教室の反対側に移動する。
弁当を一緒に食べるのはいつも同じヤツ。
筆箱もカバンも、何から何まで兎をモチーフにしてるのを集めてるヤツ。
そんな彼は、どちらかというと身長が高くて色白で、女子にめちゃくちゃモテる。
でも俺はあいつより身長が高いから俺も女子にモテる…なんてのは夢のまた夢だ。
隣のクラスの男子に一回告白された事がある。以上。これが現実。
別に女子にモテたい訳では無い。
どちらかというと、好きな人から好かれたらそれでオッケー、の方。
みんなそうだと言われれば確かに、としか言えないものだから、面白みの無い人間なんだろうなと内心ショックだ。
好かれていたいやつには気づかれて無いんだろうけど。
雑談しながら食べる飯は美味い。
きっと、食べてる相手が話し上手だからなんだろう。
必死に伝えようとしてくれているその身振り手振りが愛おしい。
弁当を食べ終わるのが惜しいくらいには愛おしい。
自席に戻り、左手で頬杖をつく。
窓の外を眺めて、幸せな時間を思い返す。
そういえば、今日の彼の弁当にはかぼちゃプリンがあった。
甘いの、好きなのか。
また一つ、彼のことが好きになった。
さっきもらった棒付きキャンディーを舐めながら、午後の授業をやり過ごす。
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