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あの……病み系ってこれであってますかね?

私病み系初めて書くから何かもうボツになってる感じがして………

ほんと、最終話まで見ててってくれる神様的存在が居てくれるといいんですけど……(笑)

えー今回短いです。

あと自傷行為あるので苦手な方はUターン〜

大丈夫な方はLet’s Go!















「っ!」

ばちっと瞼を開く。

見慣れた天井。息が荒くなっている自分。重い躰。昼過ぎの起床。

全てが日常となっていた。

そして────────ズキッ!

「ゔッ……!」唐突の頭痛に、私は唸った。

痛みを抑え込むように、ギュッと髪の毛を掴む。

『________。』

“耳鳴り”が響く。頭痛と共に襲いかかって来る“耳鳴り”によって、私の頭は割れそうだった。

「っ…はっ…はぁ……はぁっ…」

疾く、仕事行かなきゃ……国木田君の怒鳴り声、耳に響くから、なぁ…。

重い躰を起こす。

刹那、ぐらっと視界が揺れた。

─────ドサッ

私は床に倒れ込んだ。動く事ができない。

あれ…躰、動かない……。

『________。』

“耳鳴り”が、再び私を襲いかかった。

「ゔァ!」床の上を苦しみにもだえ続ける。

この苦痛が止まるのに、暫くかかった。























***

天井が視界に映る。ほのかに畳の匂いがした。

「っ……く…」顔を覆い隠すように、腕をあげた。

苦しかった。辛かった。怒りと共に羞恥心が湧いてきた。

この気持ちを捨て去りたかった。疾く消してしまいたかった。

きっと、前までの私なら、直ぐに自殺という道を選んだだろう。

それなのに、今の私は“そういう”気持ちがなかった。そう行動に移せなかった。

如何すれば佳いか判らない。それでもこの地獄から解放されたい。

だのに、それを自分で行う事ができないのだ。

あぁ……何で、何で────

「_____…」目を見開く。

視界の隅に“ソレ”が映った。

頭の痛みも躰の重みも辛さも──まるで全て忘れたかのように、“ソレ”しか見えなくなり、気付いたら手に取っていた。

妙に息が荒くなり、汗が流れる。何故汗が出るのか、今になっても判らない。

唯一判ったのは、“コレ”ならこの苦しみから解き放たれると云うものだ。

けれど“ソレ”は、過去に苦労して棄てたモノの一つでもあった。







─────ザシュッ

鋭い痛々しい音が響く。

左手首に筋がつき、その線から大粒の赤い血がポタッと畳に落ちる。

鉄錆の臭いが、私の鼻腔を突付いた。

只々、私の心中には、「切れた」という言葉しか浮かび上がらなかった。

痛みに苦しむ感情も、切った事の後悔も、其の時の私は感じなかった。

「ははっ……」

何故か涙がぼろぼろと零れた。それなのに、私は笑っていた。

─────ザシュ

今度は一回目よりも少し深く切る。

また、痛みは感じなかった。

─────ザシュッ

三回目。

─────ザシュ

四回目。

どくどくと血が溢れ出た。自分の吐息が、耳から脳に響く。その荒い息遣いは、快楽と高揚がまとわり付いて絡み合っていた。

鋭い痛々しい音は、その後も何度も何度も私の耳に響いた。























***

先程までの感情も、快楽と高揚も、共に私の心中から消えていた。

肌が硬い。表情がうまく動かせなくなっていた。

唇が乾燥してカサ付き、喉が嗄れて声が出しづらかった。

重い躰をゆっくりと起こす。

「…!」後悔が躰を包み込んだ。

ポタッと、手首から垂れた赤い血は、布団のシーツと畳に染み込んでいく。

血は止まっているが左手首は傷だらけ、赤く浮き上がった筋の傷跡は痛々しさを感じさせ、右手にはその血がべっとりと付いたカッタァを握っていた。

「ッ─────!!」

声が震える。

握っていたカッタァを壁に投げつけた。

何かに怯えるかのように背中を曲げ、血に汚れた手をギュッと小刻みに震えながら包み込んだ。

「だいじょ、う…ぶ……まっ…まだ、戻れっ───ドサッ!

私の声を、物音が遮った。視線を音が聞こえた方へと移す。

開きっ放しの押し入れから、一つの箱が畳に落ちていた。

箱の蓋が開き、中身が出ている。箱の中から出てきたのは、“三冊のノートブック”と“三葉の写真”であった。

その中身を見た瞬間、絶望が躰から溢れ出した。

「ぁ…あぁ…ゔああああああああぁぁっ!!」

喉が痛かった。

キーンという甲高い音が、耳から脳に響いていた。

私の叫び声だった。喉が潰れかけ、声が出せなくなったのが数秒後だった。

それでも叫びたかった。叫ぶ事しか今の自分にはできないのだろうと思った。

時を超えて躰が変わったとしても……私は、人間失格だ。



布団のシーツを、“左手”で握りしめる。

痛い……。

そんな事は当たり前だ。

何故なら────

















【何故ならコレは、自分への戒めなのだから。】




────人間、失格。

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