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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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「パパはお風邪をひいてるから、なるべく静かに遊んでてね」




ドラッグストアでカートを引きながら、子供達にそう言い聞かせる




「斗真!離れないで!」




咳止めシロップ一つ買うのも子供連れだと大変だ、そして斗真は最近すぐにどこへでもいなくなる




「もう!誘拐されるわよ!」




康夫ののど飴と冷えピタをカートに入れる、どうして病院で処方してもらった薬だけ飲んで大人しく寝ていてくれないのだろう



大袈裟なのは昔からだが、あんな情けない姿を彼のファンが見たらきっと呆れるだろう、斗真はグミを買えとレジに持ってくる、正美はディズニープリンスのシャンプーを手に持っている。



どうやら根負けして私がシャンプーを買うまで粘るつもりだ、うんざりしながらシャンプーもカートへ入れる、こうして買わなくて良いものが増えていく。



それでも康夫の風邪は3日目にはすっかり治った、これで平和な平日が帰って来ると私は安心した




「そうそう・・・新しいお友達が出来たの」



私がネクタイを締めている康夫に言った、玄関に腰掛けて皮靴の紐を結んでいる康夫が顔を上げた



「誰?幼稚園のママ友?」



「ううん、そこのショッピング・モールのクレープ屋の子、私より少し年下だけど、多分同じ日ぐらいに彼女も赤ちゃん生まれるの、もしかして彼女の方が早いかも、私のインスタ見てくれてるの」




康夫はクスクス笑う




「インスタじゃ君は友達100人できるかなって勢いだな」


「フォロワーは友達じゃないわ、真希ちゃんは友達!」


「ハイハイ・・・弟子ってことだろう?」




私は呆れて目玉を回した、康夫はソーシャルメディアのことも友人とフォロワーと「アフェリエイト」と「サブスク」の区別もついていない。


彼は玄関に転がっている斗真の運動靴を隅に蹴って、姿鏡で自分を念入りにチェックする、3日ぶりの出勤だから気合が入っている





「それで?フードコートなんかで働いているの?その子」


「それがどうかした?」




私はフードコートなんかと言った彼の言葉にムッとした






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