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A2視点
2Bと9Sが地下空間に入ってきて何故か戦闘になった
A2「2B…頼む話を聞いてくれっ……」
2Bの攻撃を受け流しながら私は必死に叫んだ
2Bはボソリと呟いた
まるで9Sには聞かせたくないかのように
2B「A2…私も貴女と話がしたい、でもここじゃ司令部に筒抜けだから更に地下で話がしたい」
そう言って2Bは白の契約にエネルギーを収束させた
この構えを私は知っている
チャージ攻撃だ
これで地盤の緩くなっているここの地下空間の床を破壊し更に落ちる…ということか
A2「…」
私は2Bが攻撃した箇所に追撃を加える
すると大きな轟音と共に床が揺れ身体が重力を感じた
私は受け身の体制を取ろうと落下しながら身体を捩る
すると2Bが私に手を伸ばした
私は2Bの手を取り地下へと落ちていった
深層空間
2Bがポッドを使い私をゆっくり地面へと降下させる
A2「…助かったありがとう…2B」
2B「私の方こそ…すまない」
そう言う2Bはどこか落ち着いていた
以前会った時よりも表情豊かになっていることに私は気がついた…があえて言わないでおこう
A2「それより…2B、お前も記憶が残っているのか……?」
2B「あぁ…記憶が残っているのは私の知っている限りポッド達とA2、私だけ…みたい」
A2「…!」
A2「9Sは……」
2B「私がバンカーで再起動時に9Sの記憶のバックアップが取れていなかったって…聞かされた」
ポッド042「…すまない」
2B「ポッドが謝ることじゃないよ」
2Bが微笑みポッドを撫でている
A2「…そうか……」
A2「2B、私も謝らないといけない事が……」
私の声を遮るように2Bが言った
2B「『塔』での事は…仕方がない事だった」
2B「私が…私があの時A2にあんなことを頼んだから……」
A2「それは違う!」
私はそう一人で抱え込む2Bに昔の自分と姿を重ねて不意に叫んでいた
A2「2B、お前が背負うことじゃ…ない」
私は2Bが持つ記憶(白の契約)を手にしたからこそ黙っていられなかった
2B「…ありがとう」
2B「でも…私は貴女にも…9Sにも酷いことをした」
2B「だから……私は今度こそみんなを…仲間を救いたい」
この言葉を…私は知っている。
「私の…生きる意味、家族を、仲間を、みんなを守ること」
アタッカー2号の…想い。
2Bの意思を見て私は心が温まるのを感じた
こんな気持ちはいつぶりだろうか
A2「…そうか」
A2「私も…パスカルと会ってきた」
2B「パスカルと…?」
A2「パスカルも…未来の記憶を持っていたよ」
2B「そう、じゃあパスカルにも協力を頼めるかな…」
A2「協力って…」
2B「全員…救う」
その言葉は優しくも力強い気配を漂わせた言葉だった
A2「…」
2B「誰一人…もう悲しませたくないから」
A2「…」
2Bはゴーグルを外し私にと目を合わせた
その淡いスカイブルーの瞳からは強い信念が感じられる
私とは違う別の強さを持っている
私は……
A2「私も、同じ考えだ」
2B「A2…」
A2「私に出来ることなら言ってくれ、お前達の力に…少しくらいはなれるだろうからな」
そう言うと2Bは驚いた様子でニコッと微笑んだ
2B「ありがとう…A2」
少し間を空けて私は口を開いた
A2「一応聞くが…司令部も……”全員救う“に入っているのか?」
2B「あぁ、そのつもりだけど…A2は……」
気まずそうに視線を泳がす2B
その姿を見てまた昔の私を思い出してしまう
A2「…いいさ、手伝うと決めたからには最後まで手伝ってやるよ」
私がそう言うと2Bは白の約定を私に渡してきた
2B「A2…これを持っていて欲しい」
A2「な……」
2Bの持つ白い軍刀……
2Bの記憶を見てあんな思いをするのはもう懲り懲りだぞ…?
私が顔を引き攣らせていると2Bは言った
2B「御守り」
A2「え?」
A2「おまもり…?」
私が聞き直す
2B「…」
2Bは顔を逸らしゴーグルを付け直した
いきなりこんな物騒な物を渡され収集がつかない私は2Bを見て更に困惑した
A2「2…2B?」
2B「A2は早く離れたほうがいい」
急に言われてもどうすればよいのか
2Bは私を押すように岩陰へと誘導する
A2「ちょっと…どういう……」
その時だった
遠くから声が聞こえてくる
「2Bー!」
この声は……
9Sだ
2B「早く」
私は2Bにされるがまま岩陰に隠れた
少しして9Sが降りてきた
9S「2B!大丈夫!?」
そう言いながら慌てて2Bの身体を確認する9S
2B「あぁ、私は大丈夫」
9S「…A2に何かされたりしてませんか…?」
9S「もし怪我とかあるなら…早めに……」
早口だがその様子からは余程2Bを心配していたのが伺えた
なんだか前よりも2Bの事を大切にしているような気がするな…
本当に記憶がないんだよな…?
2B「大丈夫9S」
2B「怪我はない、なにもされていないよ」
9S「…そうですか」
9S「ならよかったです」
そう言いながら9Sはにこりと笑った
9S「バンカーに緊急要請したんですが…電波状況が悪くて……」
2B「この辺は電波網が細いからね」
9S「…」
9S「とりあえずここを出ましょう、またいつ崩落するかもわかりませんからね」
そう言って2Bと9Sは地上へと登っていった
私は2Bと9Sがいなくなった事を確認してから岩陰を出た
2Bから渡された白の約定……
そこに記憶は何もなかった
A2「武器に…記憶が残っていない……」
これは誰も使っていないのだろうか
それとも時間を巻き戻った私という存在による弊害なのだろうか
わからない
A型は論理思考回路が複雑に組まれていないからな
考えてもしょうがないしとりあえず地上に上がるしかないな
そうして私は地上へと登っていった