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蘭は一言で言えば「顔が良いのに非常に残念な男」だった。
端正な顔立ちに、少女のように可愛い雰囲気。透き通るような白い肌に、柔らかそうな茶髪がふわりと揺れる。すれ違う人は思わず振り返り、年上の女性からは「守ってあげたい!」と声をかけられることもしばしば。
しかし——口を開いた瞬間、その幻想は砕け散る。
「鈴先輩!知ってました?『アイスは溶けるまでが賞味期限』って言うけど、溶けたらもはやジュースですよね!」
「いや、だから何?」
「つまり、アイスって実質ジュースの進化系ってことですよ!」
「……蘭、ほんとイケメンの無駄遣いしてるわね。」
顔は天使、言動は残念。蘭はとにかく豆知識と親父ギャグを披露せずにはいられない。真面目な雰囲気になりそうな場面でも、彼の発言が空気をぶち壊す。
ある日、クラスメイトに「イケメンなんだからもうちょっと黙ってたら?」と言われたことがある。蘭は少し考えた後、真剣な顔でこう答えた。
「でも、僕が黙ったら、リンカーンもびっくりな静寂が訪れちゃうじゃないですか!」
その場にいた全員が「はぁ?」と絶妙な顔をしたのは言うまでもない。
だが、そんな残念さもまた、蘭の魅力だ。