テラーノベル
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ハァ・・・「こんなことして私を嫌いにならないでね」
耳に当てたスマートフォンから、静かな部屋に響くような優しい声が聞こえてきた
『嫌いになるわけないだろう、もっと可愛い声聞かせて』
その声は窓からのそよ風のように、ユリアの心を心地よく撫でた
『今君のおなかを触っているよ、ほらだんだん降りていくよ、僕の指だと思って大事な所触って』
ユリアは枕にもたれて、大きく息を吐いた、耳と肩でスマホを挟み、愛しい彼が全裸でベッドに横たわっている姿を想像してそっとパンティの中に手を入れた
『どうなってる?』
「濡れてるああなたに触ってもらいたがってる」
ユリアは甘えた声で囁いた
『ユリア・・・ああ・・・綺麗だ、とっても素敵だよ、僕もガチガチだ、君の中へ入っていい?』
閉じた闇の中で、彼がユリアに覆いかぶさって来る所を想像した、私も我慢できない
「早く入ってきて、良ちゃん、もう待てない」
『たまらないよユリア・・・』
「あ・・・そこ感じる」
「ユリア・・・だめだ一緒にイこう!」
差し迫った彼の声と、荒い吐息がユリアを最高に興奮させる、ユリアは自分の手を動かしながら必死で彼のセクシーな姿を想像した、自分の体で気持ち良くなって切なそうに顔を歪めている彼の顔を
「ああっ!イく!イく!良ちゃん!良ちゃん!」
ユリアは狂おしいリズムで自分の中に入っている二本の指を動かし、煌めく痙攣と共に絶頂の高みへ登った、すぐに彼も後に続いてくれた、耳元で聞こえる耐えがたい男性のあえぎ声が、射精と同時に叫びに変わった
互いのひきつった声が重なり合い、激しい喘ぎが、満足の穏やかな吐息に変わるまで、二人はスマートフォン越しにじっと耳を傾けた
ハァハァ・・・「気持ちよかった・・・またしちゃったね、私達」
ハァ・・・『君とのテレフォンセックスは最高だよ、ユリア』
絶頂を迎えた後の体の緩みを心地よく感じながら、ユリアは彼に寄り添っている自分を想像して言った、
クスクス・・・「あらその言い方は、実際に会ってするよりテレフォンセックスの方が良いって聞こえるわよ?」
『そんなことないよ、もっと良いに決まってるだろ』
ユリアにとってこの体験は愛しい彼氏「良ちゃん」と分かち合ったものなのだ、やっぱり勇気を振り絞って通話中に自分から誘ってよかった
今度はいつ会えるのだろう、公認会計士の繁忙期の彼の負担にならないように、せめてこうして電話だけは毎晩してるけど
本当は一日中ゆっくり彼と過ごしたい、段々瞼が重くなってきた、すると「ふぁ~・・・」と彼のスマホ越しのあくびが聞こえて来た
クス・・・「眠くなってきた?」
『う~ん・・・君のおかげで安眠できる』
お互い忙しい身だから、そろそろ彼を寝かしてあげないと、会えなくても明日も電話しよう、そう思ってユリアは愛しい彼にとびきりセクシーな声で囁いた
「愛してるわ」
『僕も愛してる』
通話が切れるのを確認し、暗がりで枕元にスマホを置いてユリアは鼻まで布団をかけてその中にうずくまった
彼の優しく自分を呼ぶ声が耳について離れない
このまま眠ると夢に出てきてくれそうなので、朝まで眠ることにした
彼とこんな風に電話でセックスするようになって暫く経つ、それにしても電話の彼はなんてセクシーな声なんだろう、まるで別人みたいだ
ユリアはそう確信して夢の中に溶け込んでいった、彼の事が大好きだけど、付き合って三か月、私達はずっとキスから先へ進まなかった
―次に会ったら私達は必ずそうなるわ―
ふぁ~~と自分もあくびをしながら、ニヤニヤしている顔を抑えられずに眠った
やっぱりあの日・・・
勇気を出して自分から誘ってよかったと思いながら・・・
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