『……なんで、』
言葉はそれだけだった。…目の前で大先生は悪霊になってしまった。
トントンに助けられ、お寺にワープした後お寺の会議室のような場所に向かいそのままお話をされた。
これからについて、そして大先生の状態に着いて教えられた。
「まず鬱だが、…悪霊になってしまった。今までの鬱は、霊だった。少し力の強いだけの。…だが、どんどん力が強くなり、鬱の中でも感情が高まってしまった。」
「…鬱は、悪霊になってしまった。負の感情が強かったのか、…強い悪霊だ。トントンが全力でやっても、今除霊できなかった。…鬱の力は強大すぎる。危険だ。」
「…そして、1番危険なのは、ロボロ。君だ」
「ロボロお前は、鬱に好かれすぎてしまった。まさに依存関係だ。」
「……、鬱が悪霊になりすぎてしまい、その悪霊に触れてしまえば…、君は、死者と同じ物になってしまう。」
「鬱がもし、俺の力でも除霊できなかった場合、その場合は」
「……鬱を殺す。」
「以上だ。」
要約するとこうだった、…大先生は今、悪霊になってしまっている。トントンが全力でやっても今、除霊出来ていない状態。このままだと、危険だということ。
俺がもしかしたら、死ぬかもしれないこと。
…除霊出来なければ最悪の場合大先生を殺すこと
除霊方法は、グルッペンが作り出した御札を貼り付けること。
『…そんなん、…ちゃうやんか…w…え、…?』
1年間ずっと鬱と一緒にいた。最後の方は結構関係性はあれだったかもしれない。
けど、…、ずっと一緒にいた存在だったんだ。
『…そんなん、…おれ、…嫌やって』
でも、俺も子供じゃない。我儘なんて行ったらいけない…、
「…ごめん、…ごめんな、ロボロ。」
『トントン…、』
『……なぁ、トントン。いい加減教えてくれてもええんちゃうか。大先生のこと。』
「……、それはさ、…俺から教える問題やないんや。…やから、ごめん、ロボロ。俺は教えらへん。」
『……、』
鬱も、トントンも…みんな同じ表情をしてる。
皆、俺に隠し事してる。
酷いなぁなんて、そんな言葉俺はお前に言えない。
『……』
本当にお前ら何者なのか。…俺は誰なのか。
それすら分からなかった。
急に、雪が頭にのる。
雪が降り始めたんだ。
1月22日。都心では珍しい雪が降り始めていた。
まぁ、この1年間は珍しいものでは無かったが…、
『……あ、』
大きく風が乱れた。自分の髪が大きく揺れた。その瞬間、ゆっくりと声が聞こえた。
「…みつけた、…なんで離れるの?…一緒に居てくれればええのに。」
『…へッ…、』
真後ろから声が聞こえた。…その声はいつもの鬱とは違くて…誰なのかも分からない声色。
綺麗な優しい声とは真逆の、…とても低い声。
みんな鬱に目を向けているのに、グルッペンだけは一切鬱に目を向けなかった。
「ロボロッ!!自分の体を触らせるなッ!!!」
『っ、…ぇ、?』
にこり、そう笑って俺の手に触れようとした。
「ロボロッ!!!?手を伸ばせ!!」
『__ッ!!』
バスはこちらに向かってきていた。俺は…泣きそうになりながらその手を伸ばした。
青い瞳の貴方に、…
『ぁ、…』
いつかの記憶、…あの時の俺は、…何を?
『あぁ、…ぁ、…いや、…なんで、…ッ…、』
『……あ、』
「やっと、…いっしょ、」
手はこちらと触れそうだった。
os「馬鹿ッ!!」
俺の事を突き飛ばし、頭からゴロゴロと転がる。
「……酷いなぁ、…マンちゃん。…ぼくはロボロと一緒にいたいだけたのに。」
os「……誰や、マンちゃんなんて呼ばれるほど親しい関係になったわけちゃうけどな。」
「……みんな、…みんな僕のせいで死んじゃったもんねー、…、…、」
gr「……鬱。」
グルッペンが初めて目を向けた。
「…なぁに?」
gr「…お前のせいじゃないさ、…」
「……僕が我儘なんて言わなかったら変わらなかったんだよ。」
「皆死ななかったんだ。…」
gr「…鬱。」
グルッペンはゆっくりと、ゆっくりと歩んでいく。
gr「ごめんな。」
御札は、急に現れ、一気に鬱に張り付いた。
「あ”ッ…、…ぅ、…いやっ、…ろぼ、…ッ…う”ッ…、」
御札が聞いているのか、ゆっくりと鬱は倒れる。
「あ”ぁッ……ッ…、」
『…鬱ッ……、』
sha「ロボロ、近づいちゃ駄目や」
『嫌やッ…!鬱ッ!!大先生!!!』
tn「……解除」
トントンが解除そう言った瞬間、鬱は苦しむのを辞める。
gr「トントンッ!?…なぜ、…、」
tn「………耐えられない、…許してや。…、最後の言葉ぐらい話させてやってや。…どうせ、もう俺らは記憶が無くなるんやッ!!…、」
gr「…それもそう、…だな」
何を言ってるか分からなかった。ただ俺は鬱を見つめた。
「………、そんな、ッ…んな、…悲しい目でみんとってや、…、」
鬱は、ゆっくりと寄りかかり…話し始める。
「…最後に僕の話聞いてくれる?」
『…うん、…、』
次回、最終回
コメント
3件
うわぁ…最後って言葉にこれほど重みと悲しみ感じた小説見たことないです…