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ぼくの体は一体?
青い顔になりだし不思議に思った。
ゴクリと不気味な音がして、突然、後ろから肩を掴まれた。
ぼくは心臓が跳ね上がり、ハッとして薄暗い廊下を振り返った。
かなり疲れたような真っ青な顔の羽良野先生が立っていた。
服装はボロボロで、元はスーツ姿だったはずが、今は見る影もない。
「歩くん。逃げていいのよ。村の人たちは私が説得します」
羽良野先生は真っ青な顔だけど、優しい学校の先生に戻っていた。
「羽良野先生? 一体何が起きているの? ぼくの家の裏の畑でバラバラにされても生きている子供たちはどうしたの? もうこの世にはいないの?! ぼくは今まで独りぼっちだった! 誰も助けてくれないんだ! 今までは空想の世界で、なんとか生きてきた……。 でも、もう無理! 誰も助けてくれない!この悪夢をなんとかして!」
ぼくは大粒の涙を流して、目の前の羽良野先生に訴えた。
ぼくは一人だった。
今まで事件の話をしたこともない。
一人だけの捜査だったんだ。
「ほれほれ、ほれほれほれほれ」
「ほれほれ、どこいった?」
硬質な声が近づいていた。
「歩くん……」
大原先生は優しい顔が急に苦悶の表情になりだしたが、ぼくに白い液体の入った瓶を渡した。
「後にして……。あなたは強い子よ……。その瓶の中身を飲みなさい。村の人たちは私が説得します……。でも、もう村の為じゃない……」
羽良野先生は後ろを向いて、ゆっくりと歩き出した。
エレベーターの扉が開いていた。
ぼくは真っ暗な箱に入ると、自然に大粒の涙を零していた。でも、勇気を振り絞って一階のボタンを押す。
「怖くない。怖くない……。ここはテレビ番組の中だ。そして、ぼくは心霊スポットの番組に出演しているんだ。羽良野先生も、硬質な声の人たちもぼくを驚かすための。たんなる役者だよ」
そう自分に言い聞かせて空想を信じてみると、涙が引いてきた。
エレベーターの降下音と共に、羽良野先生と硬質な声の人たちの声が聞こえる。
「村の事情は……。私にもわかります……。もう、やめるのもいいかも知れない。だから! 歩くんを襲うのはやめましょう!」
「村の為だ。あの少年は……。村の為。村の為」
「命は短い……。村の為……。村の為……」