テラーノベル
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#ダンジョン
「お許しを、お許しを~」
地にうつ伏せたまま涙声で叫ぶ男、ホブゴブリンとやらの前に立ったレイブは優しげな声で言う。
「許すも何もそっちから飛び掛って来たんじゃないかぁ、俺たちはこの先の『小人の隠し穴』を通して貰いたいだけなんだよ、判る? ちゃんと東に繋がってなかったらそこのラタトスク達に責任取って貰うけどさ、取り敢えず入れてくれよ『隠し穴』に、ね?」
「いや、でも――――」
『グギャアァァァーッ!』
「ひっ!」
いつに無く本気以上の大声で吠えたギレスラの首を優しく撫でながらレイブは猫なで声を続ける。
「ほら怒ってんじゃん! 謂れも無く閉じ込めるだとか働かせるだとか理不尽なこと言うからさぁ、ましてやウチの子達は何だっけ? 餌とか何とか言ってた訳だしぃ」
『ブヒィっ! 誰叉焼よっ! キイィーッ! アタシのどこがポークソテーに見えんのよっ! ピギイィッ!』
『グアンギャアァーッ!』
「ひいぃっ!」
ひゅっ! ひゅっ!
ペトラの頭の上に戻ったテューポーンは素早い後ろ蹴りを繰り出す動作、所謂シャドーキックを繰り返している。
因みに左右で意識を失っているホブゴブリンとやらは全てこいつのワンキックでリングに、いや地に伏したのだ、威嚇効果は絶大だろう。
案の定、ホブゴブリンのリーダーっぽい男の背中はガクガクブルブルと不自然な波打ちを止める事が出来ないでいるし、その動きに合わせる様に繰り出されるバッタのキックも鋭さを増し続けている。
ひゅっ! ひゅっ! シュッバッ! シュバババッ! ピヒュッ! ピヒュヒュッ!
一蹴り毎に速度を上げたキックからは、切り裂いた空気が刃と化し、周辺の岩肌をスパスパと切り裂き始める。
「「「「「「ひ、ひいぃっ」」」」」
ジョワアァ……
五体投地しているメンバーの股間から湯気が立ち昇った。
どうやら粗相をしてしまったらしい、哀れな。
不思議なもので一人が完全に抵抗を諦めた状態は仲間達に伝播していくらしく、十人のホブゴブリンの股間は次々と温かい液体で濡れそぼって行った様である。
そして想像以上に早く訪れるずっしりとした冷却効果……
この段になると、強者だった筈のホブゴブリン達は、口惜しさとも恥ずかしさとも取れる涙を揃って落とし始めたのである。
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