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「 おい 、 聞いてん の ? 」
「 …… ああ 、 」
曖昧 に 返し 乍 、 視線 を 逸ら す 。
凝乎と 見て居たら 、 屹度 俺は 無意識に 喉を 鳴 らして仕舞 う 。
何でだ 。
何で 此奴 殻 だけ 、 こんな 匂い が する 。
此奴 が 汗をかけば 、 其の 一滴 迄 甘露に 思えて 。
濡れた 髪 殻 滴る 雫さえ 、 舌で 受け止めた ら どんな 味が するんだろう 、 何て 考えて しま う 。
気づけば 、 心臓 が 異様に 五月蝿い 。
口内 が からからに 乾いて 、 息を するのが 苦し い 。
「 …… っ 」
知られたく無 い 。
こんな 衝動 、 悟られて は いけな い 。
だけど 、 もう 無理だ 。
僕は 世界中 の 何よりも 、 此奴 を 欲して 仕舞ッて居 る 。
「 何 ? 」
無邪気 に 首を 傾げる 仕草に 、 胸が 焼け る 。
僕は 直ぐ に 目を 逸らし 、 無理矢理 吐き出し た 。
「 …… 何でも無い 」
未だ 言え無い 。
未だ ── 「 御前 は 甘い 」 何て 。
口の 中で 溶け た 言葉を 、 喉 の 奥に 沈め る 。
けれど 確か に 芽生えて 仕舞ッた 此 衝動は 、 もう どうやッても 誤魔化せない 気がし た 。