肩を落とし、俺が寝る方の敷布団を照の方にまた近づけて、未練がましく膝をついて座る。
枕元の灯りに照らされて浮かぶ、照の精悍な寝顔に思わず見惚れる。
またタイミングを逃してしまったと一人ため息を吐き、布団に入ろうとしたら、 照の口がおもむろに開いた。
💛「しょう…た」
💚「って、おい!!!まだ言うか!!!」
思わず大きな声が出てしまい、照がびっくりして目を覚ました。
もういい。
知らん。
どうとでもなれ。
💛「あべ?」
鳩が豆鉄砲を食ったような顔しやがって。
俺は積もりに積もった思いの丈をぶちまけた。
💚「お前、どこまでお人好しなんだ!」
💛「は?俺のどこが」
💚「翔太なんて忘れろ今すぐ忘れろ。あんなビッチ、照に相応しくない」
照の目に微かな怒りが宿る。
無理もない。寝ている最中にいきなり大声で起こされて、諦めきれない元恋人を悪し様に罵られたんだから。
💛「翔太のことなんて一言も言ってないだろ」
💚「寝言で言ってたんだよ大馬鹿野郎」
💛「は?知らねーよ」
💚「とにかく聞け。あいつは照のことなんてこれっぽっちも想ってなかったし、ましてや本命はたぶん別にいる」
照の顔つきが変わった。
真実を聞きたそうな照と、耳を塞いでいたい照とが頭の中でせめぎ合っているのが見てるだけでよくわかった。
💚「翔太は無自覚だからタチが悪いんだ。だから、もうゆり組に巻き込まれるな」
💛「ゆり組?」
💚「あの二人は両想いなの!!翔太は照を利用して涼太にヤキモチ妬かせて気を引いてただけだよ!!」
💛「そんな……」
泣きそうになる照を見て、一瞬同情しかけたが、ここで怯んだら逆戻り。俺は勢いに任せてどんどん言った。
💚「俺が日頃からゆり組にうるさいのは照に気づいてほしかったからだよ」
💛「え?」
💚「俺の方がよっぽど照のことが好きだよ!」
💛「ちょ、阿部、何が何だか」
💚「俺にしない?」
気づいたら、正座した膝の上に両手の拳を痛いほどに握って、俺は一世一代の告白をしていた。
コメント
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うわぁーあべちゃん頑張ったね
ぐわあああああ!めちゃくちゃ続き読みたいんだけど用事で出かける前ギリギリに読んでるからまた後で戻ってくる!いわあべぇぇ!!💛💚