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麗は鏡を見つめながら、うっとりとため息をついた。
「……ハァ、美しい。いや、美しすぎる……!鏡よ鏡、この世で一番美しいのは──」
部屋にいた鈴ため息まじりに答える。
「貴方でしょ?」
「フッ、わかっているじゃないか!」麗は満足げに髪をかき上げる。
だが、その瞬間、髪のセットが少し乱れたことに気づき、表情が一変。
「えっ、待って!?今の僕、完璧だった!?いや、完璧だ!いや、でも……ほんの少しだけ崩れたかもしれない……!くっ……この世の終わりかもしれない……!」
慌てて鏡に駆け寄り、必死に髪を直しながら、涙ぐむ麗。
「僕が美しくなくなったら、この世界はどうなってしまうんだ……!?美しさこそが平和を生むのに……!」
鈴は呆れ顔でつぶやいた。「いや、世界は普通に回るわよ。」
しかし麗は聞いていなかった。鏡の前でポーズを取りながら、再び自己陶酔に浸る。
「……よし、完璧だ!やはり美しさは正義!僕こそがこの世の光……!」
その姿を見た鈴は、もうツッコむ気力もなく、そっとその場を後にしたのだった。
「…麗、ケープいる?」
「いる」
………
「そんなことしたって意味がないなんて君が言わないから、僕は君といて快適に思えるんだよ。」