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「さすがにこれはまずい状況だな…」透は険しい表情で呟いた。
「おい、透。お前、邪魔だけはするなよ?」白川が無感情な声で言い放つ。
透はイラッとした表情で白川を見つめ返す。「白川、お前勝手に突っ走りすぎなんだよ。今回は協力しろよ!」
「協力? くだらねえ。一人で十分だ。」白川は鼻で笑い、冥王に向けて歩みを進めた。
だが、透は白川に声をかけた。「お前だけじゃ、両方を同時に相手にできるわけがない。少しは他人を信じろ!」
白川は一瞬立ち止まり、振り返ると険しい目で透を見た。透はその目を見て気づいた。白川は内心、透を認めているのだと。
その時、冥王が動いた。死者の群れが再び部隊に襲いかかり、天獣は空から光の雨を降らせて攻撃を始めた。絶え間ない攻撃に、朱音や百鬼、他のメンバーたちは防戦一方となる。
「まずい、これじゃ全滅する!」百鬼が叫ぶ。
透は素早く白川の隣に立ち、「仕方ない。お前が認めなくても、今回は俺が手を貸す!」と決意を表明した。
白川は沈黙し、次に口を開いたとき、冷たい態度とは違うものを感じさせた。「…いいだろう。だが、足を引っ張るなよ。」
透は術式「光炎」を展開し、灼熱の炎で包み込んだ。白川「無限拡散」と合わせることで、一掃する力を生み出す。
「炎であいつらを集めろ。俺がまとめて消し去る。」白川が指示を出す。
透は笑みを浮かべ、「やってやるよ。」と呟くと、術式を解放した。亡者たちは炎の壁に追い詰められ、一箇所に集められる。
「行け、白川!」透が叫び、白川は無言で手を前にかざす。
「無限拡散・光炎!」
白川と透の術式が融合し、光と炎が爆発的に拡散する。冥王の亡者たちを焼き尽くし、地面ごと抉り取った。冥王はその様子を冷静に見つめながらも、初めて表情を歪ませた。
「これで…やったか?」透は息を切らしながら白川に目を向けた。
「まだだ…あいつらの本体を倒すまで、終わりじゃねぇ。」白川は冥王と天獣を冷たく見据えた。
冥王は負傷したが、まだ立っていた。そして天獣もまた、空から新たな攻撃を準備していた。
「だが、これで勝つための道は見えたな。」白川は口角をわずかに上げ、透に目を向けた。
透も同じように笑みを浮かべ、「そうだな、あとは二人で仕留めるだけだ。」