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校長先生は話し始めた。
「2人とも、一昨日あたりに、市内でバイクが暴走したのは覚えているかしら?」「「は、はい。」」
そのことは、はっきり覚えてた。暴走したのって、百々子姉さんをひき殺したバイクだよね。
「そのバイクが、学園の子をひき殺してしまったのよ。」「えっ………!?」「ま、まじかよ…!?」
2人同時で、目をかっぴらいた。
「まぁ、一命は取り留めたから、そこはまだ良かったのよ。でも、そこからだったの。」
校長先生は、顔をしかめた。
「開校直後からライバル関係にあった霧菜学園の教員陣からは、[生徒の命を危険に晒した]っていうことで、校長の黒白灰亜から………」
「確かに、学園の生徒に大怪我を負わせてしまったけれども……それと統合の話はまた別だわ。」「何?私の言う事に逆らうつもりね?いい?採鳥家だってもとは私達黒白家から出来た家系なのよ?主導権はこちらにあるわ。」「……………。それでもっ。画良歩瑠学園の校長は私。学園をどうするかは私が…」「うっさい。」
「……何んだよそれ。」
蓮二が、今までで聞いたことのない程の低い声でつぶやいた。
でも、私も蓮二と校長先生に**全面同意だよ!**さすがにその黒白?さんが強引すぎる気がするよっ。
心の底から怒りがあふれ出てきそうだけど、水を差すように本令のチャイムがなった。
「はやく教室に戻りなさい。」
悔しそうな顔の校長先生には、何もフォローの言葉をかけられなかった。
♪〜
ピアノの音が耳によどよどと入ってくる。
どうしても校長先生の話を引きずったままで。
なんか、もっと統合が嫌になってきた。
「桃野?」「あ」
いつの間に、手がとまっていた。
青野君が、きょとんとした目で見てくる。
「大丈夫か?」「あーごめんっ。もっかいやろっか。」「おっけー。あ、でも、少し休憩するか?」「うん。」
冷房庫からお茶を取り出してコップに注いでいると、青野君が切り出した。
統合、気にしてんのか?」「………うん。なんか、ショック。」「まー分からないでもないけどさ…」
同意の声は、重くも悲しくもない。
「青野君は統合、さみしくないの?」「いや別に?」「あそうなの。」「ただ、文句いっても変わらないだろ?」「……そうだけど。」「桃野は嫌なのか?統合。」「うん。」「なんでだ?」「………………と、特に理由はない。だけど、なんか嫌だ。」
ぼそりとつぶやきながら、お茶をあっという間に飲みほす。
校長先生の話を頭で繰り返すたびに、怒りがつのっていく。
「あームカつく!!!!」
ついに怒りが最高潮に達して、テーブルをひとけり。
「おいおい大丈夫か?」