テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

⚠️この話は、ポケモン×カンヒュのクロスオーバーです。




手持ちポケモンは全て主の独断と偏見です。バトル描写あり



















































国連さんの話を聞いてから数ヶ月が過ぎた。


一時は世界滅亡の危機だと騒いでいたメディアや政府も、今では “非日常” を受け入れ始めている。


更に、ポケモンの暴走に関しては日本政府と韓国政府が中心となって対処する、という共同声明が発表されて、一般市民達も安堵の表情を浮かべる者が増えてきた。

まぁ日本と韓国の国民達は最初から落ち着き払っていたのだが。


そんなこんなで、壊された街の修復と市民達のメンタルケアも済んだ今現在…

世界は次のステップへ歩を進めようとしていた。









「お兄ちゃ〜ん!!資料持ってきたよっ!」


「ありがとう。そこに置いといてくれる?」



此処は東京都内にあるポケモン研究所の一つ。


ポケモンの出現が確認された当初、

ゲー○フリークとポケモンファンが一致団結し、政治家のおじいちゃん達にお願いして早急に作ってもらったのだ。


政府が直々に手を掛けた施設なだけあって建物内は常にピカピカに磨かれており、

更には監視カメラから侵入者撃退用のレーザーポインターまで、幅広い効力を持つセキュリティがそこかしこに張り巡らされてある。


正直言って政治家がここまで動いてくれるとは思っていなかったが、もしかして未知のモンスター怖さで藁にもすがる思いだったのだろうか?

保身第一の金ありおじいちゃんらしいといえばらしい理由だ。


今回は普通に助かったから別に気にはしないが。



「いや〜まさか説明無しでここまでちゃんとした施設作ってくれるなんて思わなかったよ!

予算がどうので絶対揉めると思ってたのに」


「あの人達もポケモンが怖かったんだろうね。

これは上司に聞いたんだけど、施設建設の会議は満場一致の賛成だったみたいだし」



実の所、最初は少し揉めたのである。


予算がどうのリスクがどうのなど議論を交わしていた所、

一人の議員が「俺は感電して○ぬなんてごめんだ!!!!」と感情的に叫んだ瞬間に反対派が消えたのだそう。



「にゃぽん、これ終わったら次は北海道と東北地方に行くよ。

そこにも研究所が建設されたみたいだから資料届けに行かなきゃ」


「えぇ〜またぁ!?にゃぽんもう飽きた!ポケモン捕まえに行きたい〜!!」


「それは僕も同意だけど仕方ないでしょ…」



ポケモンは味方であり、敵だ。


東京だけポケモン方面に強くても、他の地方で大災害が起これば意味がない。

バランスよく、各地域に知識を広める必要がある。


世界一のポケモン大国の名にかけて、自らも学びつつ前進していく必要があるのだ。


そう決意を固めたその時、一人の研究員がこちらに駆け寄ってきてこう言った。



「祖国!これは我々の仕事ですから、どうか貴方様は休んでいてください」


「そこまで気を遣わなくてもいいですよ。これは私が好きでやっていることですし…」


「ですが…こんな事務作業を祖国様に押し付ける訳には……

あっ!でしたら各地域を回ってポケモンの様子を観察するというのはどうでしょう?」



研究員の言葉に、にゃぽんの尻尾が勢いよく立った。そして目をキラキラさせて研究員の手を掴み、一言。



「是非やらせて下さいっ!!!!」



猫耳美少女にキラキラ視線を向けられた研究員が顔を赤らめる。

見かねた僕はそっと二人を引き離した。



「にゃぽん、研究員さんが困ってますよ」


「えへへっ….ついやっちゃった」


「ととっ、とにかくそういう事ですので….行ってらっしゃいませ祖国様!!!///」



びゅーーーっと走り去っていく研究員の背中を見送った後、僕はピカチュウを出して前を向いた。



「よし、行こっか」


「おー!」


「ピッカピカ!!」


































「うわぁあぁぁ….!!✨️」



感嘆の声を漏らす僕らの前に広がるのは、


エメラルドグリーンがかった大海原。


雲ひとつない、澄みきった蒼い空。


そして……



「「ポケモン〜〜〜〜〜〜ッッッッ!!!!!」」


「ぴっぴかちゅ!!」



空を、海を、大地を彩る不思議な生命….

沢山のポケモン達が、ありのままの姿で動いていた。


ゲームの中で見た光景とさほど変わらない。ポケモンがいるだけで世界が更に美しく見える気すらする。

あぁ、こんな素敵な子達を生み出したうちの国民(主にゲー○リと株式会社ポ○モン)って素晴らしい!!



「ねっねぇねぇ!!にゃぽんワタッコ捕まえたい〜!行ってきてもいい!?」


「いいよ!僕もケンタロスとか捕まえたいし!」


「やったぁ〜!!!」



にゃぽんの後ろに続いて、わーーっ!!と走り出そうとしたその時。



「おや日本さん。こんな所で奇遇ですね」



ピタッと日本の足が止まった。この胡散臭い丁寧な口調は…..



「………..あぁ、イギリスさん」


「はしゃいでいた所申し訳ございません。つい声をかけてしまいました」



特徴的なモノクルとシルクハットに、格式ばった年代物のスーツ。

胸にはアンティーク調のループタイといった、いつものイギリスだ。


ただ、いつもと違う点が一つあった。



「…あれ?イギリスさん、そのボール……」


「私もポケモンとやらを捕まえにきたんですよ。

色々な種類がいると聞きましたし、私との相性がいい個体もいるかなと思いまし……って何ですかその疑惑の目は」



ジト…..と明らかに嫌そうなオーラを放つ日本に、イギリスが思わずツッコむ。

だが日本の気持ちも分からなくもない。


三角貿易、アヘン戦争、ジャガイモ飢饉、パレスチナ問題….

他にもジャンヌ・ダルクの処刑や、自国の海賊にGOサインを出してスペイン船を沈没させたりと、前科大アリの元・大英帝国相手に、軽い気持ちでポケモンを任せられない….!


下手すればソ連やナチスと同等か、それ以上の大罪を背負っている人権ガン無視国家だ。

幾ら丸くなったとはいえ、捕まえたポケモンを実験に使う可能性も全ッ然捨てきれないのが怖すぎる…!!


そんな風に、頭の中で最悪エンドを張り巡らせる日本の心中を察したのか、イギリスがため息をついて話しかけた。



「………..失礼ですね。

流石に生き物に対して非道い仕打ちはしませんよ」


「ちょっと信用できないですね」


「日本さん、貴方そんなハッキリ言う性格でしたっけ?」


「ポケモンに関しては我が国が一番よく分かっていますからね。

必要さえあれば、意見程度幾らでも出しますよ」



流石オタク大国。趣味にかける情熱は人一倍…いや国一倍だ。

だからなのだろうか、ポケモンに向ける目はいつもより優しく見える。



「…………….まだ信用は出来ませんが」



ちらっとイギリスの方を見て、すぐにポケモンの方へと視線を戻す。


恐る恐る、といった感じで出てきた言葉は。



「ポケモンの捕まえ方、教えてあげてもいいですけど?」



即OKした。


































「さて、どの子を捕まえましょうか」



辺りを飛び跳ねるポケモン達を観察しながら、イギリスは日本の横を歩いていた。


因みに肝心の日本はというと….



「………..何やってるんです?」


「この辺りに生息するポケモン達を図鑑登録してます。

スマホロトムと連携させているので、想像以上に作業が楽ですねぇ〜」



ポケモンを観察しつつ、ポチポチと画面を作業している日本。

思わず、機械いじりをしている時のドイツと姿を重ねてしまって、それは無い無いと首を振って思考を遮断させた。


するとその時。



「?日本さん、アレは放っておいても大丈夫なのでしょうか?」


「はい?」



イギリスの視線の先にあったのは…



「らるぅ、らるるぅうっ!!(泣)」


「カー!カー!!」



ヤミカラスの群れに襲われているラルトスだった。

近くに彼らの巣が落ちているのを見るに、うっかりやらかしてしまったのだろう。


気の毒な状況に変わりは無いが、日本にとってはもう一つ重大な問題があった。

それは……



「…………….色違い?」



ボソッと呟いた日本。聞き慣れない単語に、イギリスは首を傾げた。



「いろ、ちがい?」


「イギリスさんはここで待っていて下さい。

“あの個体” は保護する価値があります」



日本の反応を見るに、どうやらあれはレアな個体らしい。

だって目がいつも以上にキラキラ輝いている。


そんなことを考えているうちに、

日本はポケットから取り出したボールを天高く放り投げていた。



「ゲッコウガ!!ヤミカラス達にみねうちっ!!!!」


「コウガッッ!!」



ボールから躍り出た忍者のようなモンスターが、目にも止まらぬ速さでヤミカラス達を一刀両断した。

華麗な太刀筋に、思わずイギリスの脳内に日帝の姿が思い起こされる。



「ヤミ、ぃ……」


「ごめんなさいヤミカラス。

この子は私達が預かるべき存在なんです。もう巣を壊したりはしないので、どうか勘弁下さいね」



しゅたっと降り立ったゲッコウガと共に、ヤミカラス達に謝罪の言葉を述べる日本。


スイスやフィンランドから聞いてはいたが、この判断力と圧倒的な猛獣使いのセンス。

自分達とはまるで格上の存在…今、改めて分かった気がする。



「らる……?」


「驚かせてしまいすみません。今から手当するので、このヒールボールに入っ────」



ボールをラルトスの額にかざそうとした刹那。



「ヤミィイイッッッ!!!!!!」



完全に倒れていなかったヤミカラスの1匹が、最後の抵抗とばかりに日本へと飛びかかった。



「っ、あ……!」


「コウガッッ!!!!」



しかし、すんでの所でゲッコウガが日本を抱えて飛びずさり攻撃を回避した。

だがヤミカラスは翼をはためかせ、続けて近くにいたラルトスに向けてエアカッターを放った。



「やばっ……!!」



突然の事態に、敬語も外れた日本が軽く悲鳴を漏らす。

しかし、放たれた斬撃がラルトスの体に傷をつけることは無かった。何故なら……



「ッ………..!!」



バシュッバシュッ!!と、ラルトスを庇ったイギリスの背中と腕に、斬撃が突き刺さったからだ。


予想だにしなかったその瞬間に、日本の目が大きく見開かれる。…イギリスが、庇った?

あの冷酷非道な元・大英帝国が、たった一匹の小さな存在のために体を張った?



「イギリスさん……!?」


「くっ………..貴女は、怪我していませんね?」



ラルトスに向けたほっとした様な笑顔は、いつもの紳士の皮をかぶった古参臭い笑顔ではない。心からの笑顔。

イギリスは色違いラルトスの希少力を正しく知っていたわけではない。だと言うのに、彼は自分の意思でラルトスを助けたのだ。


そこまで考えて、日本はやっと冷静な思考に戻った。


今度は自分がイギリスの思いに応える番だ。



「ゲッコウガ!イギリスさんを守れ!!」



日本の指示で、ゲッコウガが一瞬でヤミカラスとイギリス達の間に割って入る。


そしてそのまま。



「…….“みずしゅりけん”。」



聖水で生成された飛び道具が放たれ、ヤミカラスの真横で一斉に爆発する。

余波によって、ヤミカラスは気絶した状態で地面へと落下した。



「………..終わっ、た……?」


「ふぅう…..ありがとうございました、ゲッコウガ」


「コウガ!」



駆け寄ってきた日本に頭を撫でられて、ゲッコウガが嬉しそうに鳴く。その様子を静かに見つめていると、日本がこっちを向いた。


…………ん?何だか顔がどんどん青ざめていくような……



「うわあああぁぁぁぁぁぁっっっイギリスさん!!!!!」



悲鳴を上げながら猛スピードでこちらに駆け寄り、おぞましいものを見るかのような目で腕と背中にできた傷を凝視していた。

……リアクションがアメリカ並にオーバーである。



「すみませんすみません!!(泣)私が付いていながらイギリスさんにお怪我を負わせてしまって….!」


「そ、そんなに謝らなくても…この位平気ですよ。私達は国なんですからそう簡単には死にませんし」


「いえこれは私の責任です….本ッ当ラルトスにも申し訳ないです……」



しょぼん….と落ち込んでしまった日本の背中を、ゲッコウガがあわあわしながら慰めている。

やっぱりポケモンが絡むと、いつもの冷静さやポーカーフェイスは全部崩れてしまうようだ。



「らるぅ……?」


「大丈夫ですよ。貴女は彼のことを気にする必要はありません」


「らるる、らるっ!」


「だから大丈夫ですって。

この方はポケモンを相手にすると途端にIQが下がるだけなんですよ」


「らるるるぅ!!」



すると今度は、日本とゲッコウガがイギリス達の様子をじぃっと見つめていた。



「………何です?」


「いや….もうラルトスの言ってることが分かるんですね」



目をぱちくりとさせた日本に、イギリスは何故かこそばゆい気持ちになった。

…ちょっと待て。それってつまり……



「イギリスさん、ラルトスのこと気に入りました?」


「……!?!?」



イギリスの緑色の瞳が見開かれるのと同時に、ラルトスが初めて表情を緩めた。

揃って頬を紅潮させた一人と一匹の様子に、ゲッコウガと日本は笑って二人に語りかけた。



「コウ、コウガ」


「えぇそうですね。ラルトスも同じ想いの様ですし……イギリスさん」



” 私の代わりに、ラルトスをゲットしますか? “



にっこり笑った日本に、返す言葉は一つしか無かった。




「………..はい。日本さん。」


「ラル!」



日本・韓国を除いた世界初のポケモンゲット。


トップバッターは、イギリスとなった。































「は?あのブリカスが世界初のポケモンゲットですって?」



後日、にゃぽんから話を聞いたフランスは、遥々日本の研究所へと趣いていた。

勿論理由は憎きイギリスにいちゃもんをつけるためである。



「は?誰がブリカスですって?フラカス」


「アンタのことよ変態カス。

日本も大変だったわね….こんな面倒臭い奴のゲットに付き合わされて」


「いや、全然大丈夫なんですが……」



苦笑する日本に、フランスは退屈そうにため息を吐いている。

この女は私を何だと思っているのだろうか?とイギリスは額に青筋を浮かべながら微笑んだ。



「というか貴女何しに来たんですか。

私はこれから日本さんに、ポケモンについての知識講座を開いてもらうんですから、邪魔しないでくれません?」


「は?何抜け駆けしようとしてんのよ。私も日本に教えてもらおうと思って来たんだけど?」


「何言ってんですか。日本さんは私の専属コーチなんですけど??」


「え、初耳ですけd「貴方はちょっと黙っててください」理不尽……」


「ぶふっ!(笑)嫌われてるじゃない、ざまぁないわねwwww

日本、そんな男ほっといて私の専属になりなさい!」


「調子に乗るのもいい加減にしてくれません?」



ヒートアップしていくドーヴァー海峡コンビに挟まれた日本は、背中から冷や汗が伝っていくような感覚に襲われた。


構図はまさに、

「私のために争わないでッ!(涙キラキラ)」である。


だがそんな三国の背後に、救世主が降り立った。



「お前ら何してんだ?」



50☆の星条旗に、首元がふわふわしたダウンジャケット。右手にコーラ、左手にチーズハンバーガーを持った世界一の男。


彼の名は……



「アメリカさん!」


「日本挟んで何してんだよ。まぁた痴話喧嘩か」


「フランスが煩いんですよ。日本さんは私の専属コーチなのに横取りしようと…」


「いやいや妄想も大概にしなさいよね。日本は私の……」


「ハァ…何言ってんだよ」



ぐいっと体を引き寄せられる。アメリカの大きな胸板に顔をぐりぐりと押し付けられて、少し苦しい。


そんな日本の心情などいざ知らず。アメリカは圧を含んだキラキラ笑顔でこう言った。



「日本は俺の、だろ?」


「「…………….」」



そんな圧力MAXフェイスと声音で言われては、流石の三国も黙るしか無かった。


アメリカはそれに満足したのか、固まってしまった英仏コンビを置いて嬉々として日本の肩を抱いて走り出す。



「さぁ日本!本来なら俺よりイギリスを優先させた罰を与えたい所だが、

今度はこの俺にふさわしい最強のポケモンを捕まえに行くぞ〜!!」


「罰って…アメリカさんは初心者なので、まずは小さな個体からゲットしてくださいね!!」


「Booooo!!!!!」








































次回、チート国家のポケモンゲット。


to be continued……?

ポケモン×カンヒュ

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

431

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚