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「はぁはぁはぁ」


乱れた息遣いが耳に入る。

室内は魔導具による魔法の明かりで薄暗く照らされている。

この魔導具は五段階で光量を絞ることができるのだが、現在はアリサが恥ずかしがったため一番小さいくなっていた。


二人の熱気が漂い、汗が流れる。今の今まで俺とアリサはベッドで夜の対戦をおこなっていたからだ。

俺はエリクサーを作り出すとそれを口に含む。

乾いた喉が潤い、体力も完全に回復した。


アリサとの交わりで著しく消耗したわけではないのだが、魔法で水を出したりコップに汲みに行くよりはこちらの方が早い。手を抜いた結果、エリクサーを飲むようにしていたのだ。


「ミナト、私にもちょうだい」


息を整えたアリサが起き上がると、彼女の均整の取れたプロポーションが目に映る。

先程まで、何度も触れ、彼女の身体を堪能したのだが、暗闇の中に浮かび上がる白い肌と形の良い胸。艶やかな唇、見ていて飽きることのない女神のように美しい顔立ち。

体力が回復したこともあってか、今すぐにでも押し倒したい衝動が湧きおこる。


俺にとってアリサは大切な存在。無理をさせるつもりはない。

俺はエリクサーを口に含むと、唇を重ね、彼女の喉に流し込んだ。


「んっ……ふぐっ……ケホケホッ」


少し失敗してしまい、アリサは咽ると咳をする。


「下手くそ、もう少し優しくしなさいよ」


唇を重ねたことではなく、一気にエリクサーを流し込んだことに対し彼女は抗議をしてきた。


「そうはいってもな、加減が中々難しいというか……」


「貸して、こうやるのよ」


アリサはエリクサーを奪い取ると口に含み、今度は彼女から俺に覆いかぶさってくる。

肩に手を置き、舌を動かしながら少しずつ液体が口の中に流れてくる。俺が舌を動かすと、彼女は目を大きく見開き顔を離そうとするのだが、アリサの行動は読んでいる。


俺は彼女の後頭部を抑えると、口の中を蹂躙した。


「流石はアリサ、美味かったぞ」


ぽーっとするアリサの頭を撫でながら、俺は余韻を楽しんでいた。


「ほんとむかつくわね、覚えてなさいよ」


普段の時ならいざ知らず、ベッドの上では俺の方が強いようだ。彼女が強気な発言をして俺を睨みつけてきても、唇を塞いで黙らせたり、身体に触れて生意気な言葉を言えなくしてやることもできる。


「アリサが可愛すぎるのがいけないんだって」


身体を重ねるようになってから数週間が経つのだが、彼女はいつまでも純粋で、つも良い反応をするので飽きることがまったくなかった。


頭を撫で、不貞腐れるアリサの機嫌を取っていると、ふと思い出した。


「そう言えば、今日なんだけど、ブロック運びの仕事をしたんだけどさ?」


夜の対戦を始めたのは深夜に差し掛かる時間だったので、おそらく日付を跨いでいるので正しくは昨日だ。


「サリナがアリサの使う身体強化みたいなのを使っていたんだよ」


「ああ、あれね……。魔力を体内の各所に集めることで普段出せない力を発揮できる。これも習得できている魔導師は割とすくないのよね」


「そうなのか?」


アリサがぽんぽん使うので知らなかったが、彼女が普通に使っている魔法や技術は実はあまり使える人間がいないものが多いらしい。

そんな技術を有しているというのは、アリサが努力した結果なのだろうが……。


「あんな小さな身体なのに、20ブロックはある岩塊を持ち上げたんだ。俺も身体強化を覚えればできるようになるのかね?」


実はサリナに負けたことを少しだけ引きずっている。

大の男ではなく、自分より腕が細く、か弱そうな女の子。それよりも力が弱いというのは何やら負けた気がするのだ。


「んー、もしかすると、そのサリナって娘が使っていたの身体強化じゃないかもしれないわよ?」


「そうなのか?」


「そもそも、身体強化って、異世界人が使っていた特殊なスキルを魔導師が自分たちで使うために開発した魔法なのよ。身体の適所に魔力を集めて普段よりも凄い動きをするための。元々鍛えている肉体を強引に強化しているだけだから、とてもじゃないけどブロック20分の重量なんて支えられないわよ」


身体強化ではせいぜい自身の筋力を五倍にあげられるくらい。アリサならばブロック1つをようやく持てるようになる程度らしい。

それ以上を持ちたければ、地道に筋トレをして筋肉をつけていくしかないのだとか……。


「確かに、サリナはそんな筋肉質というわけではない。むしろ、鍛えてそうにも見えなかったぞ」


「女性の身体をまじまじと見てるんじゃないわよ」


アリサは俺の腹筋をつねり上げる。身体強化をしている様子なので結構痛いのだが……。


「とにかく、彼女が普通に小柄な体格ということなら、おそらく特殊スキルを覚えているに違いないわ」


アリサは俺の腹筋をつねりながら説明を続ける。


「過去にも召喚された異世界人が『オーラ』とかいう光を身体に纏わせることがあったの。その時の増加倍率は100倍とも200倍とも言われている。サリナはその『オーラ』を自在に使いこなしてるんじゃないかしら?」


「なるほど『オーラ』ね」


それがサリナの力の秘密というわけか。もしそうだとすると、俺が身体強化を身に着けたところでまだ20倍近い差があることになってしまう。

彼女相手の接近戦は避けた方がよいのだろうな。


「でも、ミナトなら可能性があるかもね」


「どういうこと?」


俺はアリサに聞き返すと、


「これまで、この世界の人間で『オーラ』を身に着けた人間はいないわ。すべて異世界人か異世界人の子孫に限るのよ。その点、ミナトは異世界人だし、エリクサーもある。もしかすると、誰よりも早く『オーラ』を身に着けるんじゃないかと私は予想しているわけ」


アリサに教わり、魔法を身に着けたように、俺ならばエリクサーのごり押しで『オーラ』も身に着けられるんじゃないかとアリサは言った。


「そっか、俺なら覚えられるかもしれないのか……」


アリサに先を示してもらい、興味がわいた。


「とりあえず、私眠くなってきたからもう寝るわ。ミナトも無理しないようにね」


夜遅くまで付き合わせてしまったせいか、アリサは欠伸をすると俺の胸に頭を乗せすやすやと眠り始める。

俺は彼女の頭を撫でると、魔導具の明かりを消し、目を閉じるのだった。


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