ピンポーン
〇〇)はぁ、ドキドキする…
私は今、先生の部屋の前に立っている。
表札には“阿部”の表記。
今日のバレンタインははちゃめちゃだった。
まさか目黒君が私を好きだったなんて思いもしなかった。優奈もそのこと知ってたみたいだし。
でも私が好きなのは阿部先生…!
阿部)…はい
〇〇)あの、〇〇です。先生が風邪って聞いたので、お見舞いに来ました。
阿部)…来てくれてありがとう。でも帰って。
いつもと違う阿部先生の冷たい声に思わず怯んだが、私も食い下がった。
〇〇)私ちゃんと先生と話し合いたいんです。ドアを開けてくれるまで帰りません!
阿部)帰って!今〇〇の顔見たらまた何するかもしれない…!俺は教師なのに、
しばらく沈黙が続く。
〇〇)…でも私は嬉しかったです。阿部先生が追いかけてきてくれたこと、抱きしめてくれたこと。
阿部)…
〇〇)前にも言った通り私は阿部先生が好きです。それは変わりません。
〇〇)阿部先生のかっこいい横顔とかかわいい笑顔とか優しいところとかたまに見える大人なところとか全部大好きです。
阿部)〇〇っ
ドアが開いて阿部先生が立っていて気づいたら2人とも涙が頬を伝っていた。
もう止められなかった。
〇〇)あべせんせいっ!
私は阿部先生に飛びついてそのまま2人で玄関に倒れ込んだ。
体中に阿部先生の体温と匂いを感じた。
〇〇)阿部先生のばかっ
私は先生を抱きしめる手に力を込める
。
阿部)俺も本当はずっと〇〇に近づきたかった。触れたかった。
阿部)だから〇〇に逃げられた時はすごくショックだった。
〇〇)私も先生に冷たくされた時はすごく傷つきました、
阿部先生のふわふわのニットに顔を擦り付けた。
阿部)中入る?
阿部先生の部屋は小綺麗でシンプルだった。
〇〇)…先生の部屋綺麗ですね
阿部)まぁね、物があると落ち着かなくて。何か飲む?
〇〇)…紅茶で
阿部)〇〇コーヒー飲めないの?
〇〇)飲めないです。何が良いのかわかんなくて。
阿部)まぁ、〇〇も大人になればわかるよ。
しばらくして阿部先生がカップを2つ手に持って戻ってきた。
阿部)はい、紅茶ね。
阿部先生が私の前にカップを置いた。
〇〇)あの、阿部先生。これ受け取って欲しいんですけど。
そう言うと私は紙袋に入ったチョコレートを差し出した。
阿部)チョコレート?わぁ、ありがと!
いつもの可愛らしい笑顔でチョコを覗き込む先生。
〇〇)手作りだから下手かもしれないんですけど…//
阿部)ううん、そんなことない。めっちゃ美味しそうだよ!これさ、今食べてみて良い?
〇〇)もちろん!
阿部先生がハート型のチョコを取り出し口に運ぶ。
ドキドキして見ていると瞬く間に阿部先生の顔が笑顔に変わった。
阿部)ん!おいしい!
〇〇)良かったぁ〜 美味しくないって言われたらどうしようかと思いました。
阿部)…〇〇も食べる?
〇〇)えっ、いいんですか?自分の味見してないから食べたいです!
阿部)いいよ
そう言うと何故か私の隣に座る阿部先生。
〇〇)?
阿部先生の手が私の頬に触れた。
〇〇)…へっ⁉︎// あ、阿部先生⁉︎
阿部)チョコ食べたいんでしょ?
そう言って大人っぽく微笑む阿部先生。
阿部先生の顔が近づいてくる。阿部先生の息を近くに感じた。
私は目を閉じる。
チュッ
ファーストキスは甘酸っぱいと言うけれど、私のキスは甘くねっとりとしていた。
そこから私たちの恋が始まった。
おわりっ!
次回特に考えてないです… 明日には出せると思います。
今回描いてるだけでめっちゃキュンキュンした…
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