side story
阿部side
やってしまった。
どうしても〇〇に近づきたくて、〇〇さんに好きって言われて、抑えられなくて、…〇〇さんに抱きついちゃったんだ。
あの時の目黒の軽蔑したような目、〇〇さんの潤んだ瞳。
怖くなって俺は逃げ出した。
阿部)俺ってバカだよね…
それからずっと学校に行けていない。行くのが怖い。最近はずっとゲームをしているか寝ている。
わかっている。教師と生徒は恋愛関係に至ってはいけない。
俺は今日もぼーっとニュースを眺めていた。
アナウンサーが軽快な笑顔で話している。
アナウンサー)今日はバレンタインということですが、渋谷パルコでは…
そうか、今日はバレンタインなんだ。今日は学校中大騒ぎなんだろうな。
ピンポーン
阿部)?
宅配なんて頼んでないけどな…、
阿部)はい
するとインターホンの向こうから少し緊張した〇〇さんの声が流れてきた。
〇〇)あの、〇〇です。先生が風邪って聞いたので、お見舞いに来ました。
わざわざ心配して来てくれたのかと胸が痛んだ。
だけど、いけない。この前と同じことをするわけにはいかない。
阿部)来てくれてありがとう。でも帰って。
自分ができるだけの1番冷たい声を出した。
〇〇)…私ちゃんと話し合いたいんです。ドアを開けてくれるまで帰りません!
阿部)帰って!今〇〇の顔見たらまた何かするかもしれない…!俺は教師なのに、
ダメだ…!ダメだ、ダメだ!
しばらくして〇〇さんが口を開いた。
〇〇)…でも私は嬉しかったです。阿部先生が追いかけてきてくれたこと、抱きしめてくれたこと。
インターホンから聞こえてくる〇〇さんの声は不思議なほどに綺麗で穏やかだった。
〇〇)前にも言った通り私は阿部先生が好きです。それは変わりません。
俺の方に何かが伝った。
〇〇)阿部先生のかっこいい横顔とか可愛い笑顔とか優しいところとかたまに見える大人なところとか全部大好きです。
気づいたら俺の足は玄関に向かっていて。
阿部)〇〇っ
〇〇も泣いていた。
〇〇が飛びついてくる。
2人で玄関に倒れ込んだ。〇〇の匂いを感じる
〇〇)阿部先生のばかっ
阿部)俺も本当はずっと〇〇に近づきたかった。触れたかった。
阿部)だから〇〇に逃げられた時はすごくショックだった。
ずっと言いたかった本音を〇〇にさらけ出していく。
〇〇)私も先生に冷たくされ時はすごく傷つきました、
〇〇も負けじと拗ねたような口調で言った。
〇〇が俺のニットに顔を擦り付けてくる。それだけで〇〇が愛おしいくて仕方がなかった。
阿部)中入る?
信じられない。大好きだった〇〇が今お手の家の部屋にいるなんて。
〇〇)あの、阿部先生。これ受け取って欲しいんですけど。
そして〇〇は何やら紙袋を取り出した。
覗いてみると中には手作りらしいチョコレートが入っていた。
〇〇)手作りだから下手かもしれないんですけど…//
顔を赤くして俯く〇〇に、胸がキュンとする。
阿部)これさ、今食べてみて良い?
〇〇)もちろん!
チョコレートは甘くて美味しかった。思わず顔がほころぶ。
おいしい、と言うと〇〇が目を輝かせて喜んでくれた。
そんな〇〇が全部愛おしくて、俺は独り占めしたくなった。
阿部)〇〇も食べる?
〇〇)えっ、良いんですか?自分の味見してないから食べたいです!
俺は〇〇に近づいた。
〇〇は何が起きているのかわからなくて、目をぱちくりさせている。
そんな可愛い顔に触れる。
〇〇が顔を真っ赤にした。
阿部)チョコ食べたいんでしょ?
2人の顔が近づいていく。
〇〇がぎゅっと目を瞑った。
2人の唇が触れた。
〇〇、一生俺から離れないでね?
きゅんですっ(by向井)
おわりっ。
次回も考えてないです!
明日…出せるかな…(明日から学校だぁ)
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