❤「ふう」
宮舘涼太にはある悩みがあった。
それは、現在交際中の恋人が「死ぬほどモテる」ことである。
スタッフにも、共演相手の女性にも、そしてなんとメンバーにも。
しかも本人は至って無自覚、無関心。
なので、いつ、何時も宮舘は気が抜けないのであった。
💚「舘さん、俺今日ちょっと照と飲みに行くんだけど…」
❤「うん?どこの店?俺も行くよ」
💚「でも、舘さんまだ収録あるよね?」
❤「絶対に合流するから、GPS切らずにいてね」
💚「もぉ、心配しすぎだよぉ」
阿部は、宮舘が本気で心配していることを知らない。いつものお世辞の一種だと思っている。知識は豊富にあるくせに天然なところのある阿部は、宮舘の心配もどこ吹く風と岩本と深く考えずに食事に出掛けてしまった。
💛「今日は来てくれてありがと」
💚「ううん。珍しいね、照が俺に相談なんて…」
店内の照明は暗い。
お互いの顔がやっと見える程度だ。
見渡す限り店内にはカップルしかいないが、阿部はそのことに気づかない。単に自分たちが芸能人だとバレないように選んだチョイスだと思っている。
💚「ねえ、ここ、照の知ってる店?」
💛「教えてもらった店。普段はこんなところ来ないよ。舘さんじゃあるまいし」
💚「あー!ね、確かに!!」
阿部は無邪気に笑う。
大好きな宮舘の話題になったので一気にテンションが上がっている。 岩本は話の方向を間違えたと密かに臍を噛んでいた。
💚「舘さんってね、凄いんだよ。もう何から何までサプライズだし、超、愛があるの!」
堰を切ったようにはしゃいで話し始める阿部を見て、岩本はそっとため息を吐いた。
💛「ねえ、阿部。その阿部の心の片隅には俺の入る隙間とかない?」
💚「は?照?ないない。あるわけないじゃん」
こうして岩本の想いは一方的に簡単に打ち砕かれた。その後岩本はありもしない悩みをひねり出して、必要のない相談をし、意味のない回答を持ち帰るはめになる。
そして料理をあらかた片付けたところで、満を辞して宮舘がやって来た。
❤「お待たせ。阿部が世話を掛けたね」
💛「いや…」
💚「舘さん!本当に来てくれたの?」
阿部はもう宮舘にメロメロである。岩本などなんのその、積極的に宮館の腕を引いて店を出て行く。
コメント
2件
舘様は気づいてないけど阿部ちゃんは元から舘様しか眼中にないんだね笑笑 可愛いわだてあべ❤️💚