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#番外編
coco🌹🫶
1,976
28
#本編❌
私の名前は白峰。
周りからは「無表情」「何を考えているか分からない」とよく言われる。
……別に否定はしない。
感情を表に出すのが苦手なだけだ。
そんな私が最近、少しだけ気になる人がいる。
同じC組の、小柄な雷魔法使い。
身長は142センチ。
入学当初の能力測定では、魔力は高いのに制御は最悪。
先生には「0か100しか出せない危険な異能」と言われていた。
正直、最初は長く生き残れないタイプだと思っていた。
実際、実技では毎回自分の腕を焦がして保健室送り。
今日もそうだった。
「うわっ!」
バチィッ!!
腕から火花が散る。
煙が立つ。
そして保健室へ直行。
「……また」
私はため息をつく。
でも、不思議だった。
普通なら心が折れる。
何度も失敗して、笑われて、諦める。
なのに。
「もう一回お願いします!」
昼休みになると先生のところへ走っていく。
放課後になると誰よりも遅くまで訓練している。
焦げた制服のまま。
何度倒れても。
また立ち上がる。
……変な人。
でも。
少しだけ。
ほんの少しだけ。
その姿が気になった。
保健の授業の日。
先生が黒板に脳の絵を描く。
「脳は微弱な電気信号で筋肉を動かしている。」
その瞬間。
彼の目の色が変わった。
「……そうか。」
何かを思いついた顔だった。
嫌な予感しかしない。
授業が終わると案の定。
グラウンドで一人実験を始めた。
「電気を脚だけに流す……!」
バチッ!!
一瞬で十数メートル移動。
次の瞬間。
「ぐあぁぁ!」
勢いそのまま転がっていく。
「……やっぱり。」
私は思わず額に手を当てた。
先生も苦笑いしている。
「発想は面白い。でも身体が耐えられない。」
そう言われても。
「もう一回!」
また挑戦する。
「もう一回!」
また失敗する。
「もう……一回!」
立ち上がる。
その姿を見て。
私は気付いた。
才能じゃない。
この人は。
努力だけは誰にも負けない。
だから。
私は帰ろうとしていた足を止めた。
「……フォーム。」
「え?」
「電気を全部流してる。脚だけじゃなくて体幹にも逃がしてる。」
「だから壊れる。」
彼は驚いた顔で私を見る。
「じゃあ、どうすれば?」
「……見せる。」
私は地面に線を描く。
「魔力は水。」
「急に全部流せば器が壊れる。」
「少しずつ。」
「細く。」
「一定に。」
彼は何度も頷いた。
「ありがとう!」
その笑顔を見て。
私は少しだけ笑ってしまった。
本当に少しだけ。
(……放っておけない。)
そう思ったのは。
この日が初めてだった。
コメント
2件
実は何で白峰かっていうと って雷斗くんと真反対の性格なんだよね
「……放っておけない」って、白峰にとってはすごく大きな気持ちだよね。無表情で冷静な彼女が、初めて人のために動いた瞬間が美しかったです。雷魔法使いの「もう一回!」の繰り返しも、痛々しくてなぜか目が離せなくて。最後のフォームの指導シーン、静かな温かさが胸に残りました。続き、気になります🥀