「死になさい、命のために」
ムーが森へ行きたいと言うので、フルーレも連れて森へ出掛けていた時のことだ。空から天使が降り立ち、私達に襲いかかってきた。フルーレは私を守ろうと戦ってくれており、この森は屋敷の近くの森であるため、ムーに助けを呼びに行って貰っている。
「あっ……!」
「フルーレ!!!」
カキン、とフルーレの持っていた武器が天使によってはじかれ、地面に落ちる。抵抗する手段を失ったフルーレを追い込む様に、天使は武器を振り上げ、フルーレ目掛けて武器を振り下ろす。
「フルーレ、危なっ………!」
「主様〜!助けを呼びに来ましたー!!」
私はフルーレと天使の間に割り込み、フルーレの代わりに攻撃を受けた。肩から腹にかけて大きく裂かれた傷から手が流れ落ち、衣服を赤で染める。薄れゆく視界の中、天使のいた方向を見るとそこには天使はいなく、武器を持ったボスキが居た。彼にしては珍しく焦ってている様子で、私を抱える。
「…、………!!」
「……ま…………!」
「…………………」
何やら話し掛けられているが、いかんせん耳が聞こえず分からない。私はそこで意識を手放した____
「いやー、久々に死んだな。あ、フルーレ怪我大丈夫?」
手放した意識は直ぐに戻り、ボスキの腕の中でケラケラ笑う。皆私を見て驚いている様だ。まぁ、死んだ人間が即生き返ったらそりゃそうなるかとまた笑う。
「主様…?」
「どうしたの、ムー?」
「生きて、いるんですか…?」
「そーだよ。ほら、傷もないでしょ?」
「よ、よがっだでずぅぅぅぅ!!!」
泣きだしたムーを自分へ引き寄せ、抱き締め……ることなく私の体はルカスのいる所へと運ばれることとなった。とりあえずボスキめっちゃ早かっとだけ言っておこう。
ルカスとひとしきり診終わった後、部屋にいたラムリが泣き崩れていた。因みにボスキの後からついてきていたフルーレもギャン泣きであった。そんな2人を慰めているとわなわなと震えだしたボスキとルカスが真剣な表情で私を呼んだ。
「説明を、と言いたい所ですがお説教が先みたいですね」
「ゑ」
「俺を見ても助けてやらねぇよ。俺があん時どんな思いで主様を運んだと思ってやがる」
「えっと…ごめん?」
「なんで私達が怒ってるか分かっていないようですね。ここに来る途中にあった皆からも説教受けてもらいますからね」
(あ、ガチ怒りだこれ)
私を心配した皆がフルーレから説明を受けると一斉に私の方を向き、ルカスの説教に加わったのであった。泣きながら説教されるなんて初めてよ、なんて反省の色が全く見えないことを思いながら説教を聞き流す。
数時間もすれば皆落ち着いた様で、私が生き返った、という事の説明を求めてきた
「……黙っててごめんね」
「私ね___」
コメント
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めっちゃ面白かったです!これからも投稿頑張って下さい