「…さもくん、どっか行くの?」
私、ななっし〜はさもくんが色々準備していたので気になって声をかけた。
「うん。ちょっと任務が入って…」
任務…私と同い年なのに凄いなあ、私なんて武器すらまともに使えないよ。
………そういえば
「さもくん怪我大丈夫なの?」
だいぶ治ってきたとはいえ、完治したわけじゃない。
その証拠に、手首と頭には包帯が巻かれてるし、足だって捻挫してる。
「…まあ、大丈夫だよ、今回は戦うわけじゃないし、それに凸さんも一緒に行くから。」
「…凸さんが一緒に行くなら、大丈夫かな…」
「大丈夫、それじゃ俺もう行くね。」
「行ってらっしゃい」
「…それで凸さん、今回の任務は”蒼天”からのなんだよね?」
俺は書類を見ながら凸さんに小声で話しかける。
今いるのは蒼天っていう、簡単に言えば俺たちに任務とかを命令してる組織みたいなとこ。
「ああ、色々銃とかの武器を造ったから、移動しといてだってさ」
「…こういうの蒼天の人たちがやればいいのに」
ぼそっと、普段は言わない愚痴を言ってみる。
聞こえないぐらい小さな声のはずなのに、凸さんには聞こえてたらしい。
凸さんはめんどくさそうにため息をついた。
「…まあ、あっちも今は大変らしいし…」
「…」
「…それより、さもさんついてきてよかったの?まだ怪我治ってないし、家にいても良かったのに…」
…それ、ななっし〜にも言われてたなあ
「凸さん一人だと色々心配じゃん、ポンコツだし」
「ちょ、さもさん!?」
「それに、皆他の任務で忙しいでしょ、ななっし〜はまだ任務に慣れてないし、慣れてる俺が行ったほうがいい。」
「………さもさんは自分のこと」
凸さんがなにか言いかけたところで、武器が置いてある部屋に着いた。
「それじゃ、ちゃちゃっと終わらせるかあ…」
「凸さん武器壊さないようにね。」
「分かってるって」
武器が入ってる箱を運んでる途中、俺は凸さんと何気ない世間話をした。
「…そういえばさもさんって、好きな人とかいないの?」
…………………………は?
「いやいや急に何!?」
「さもさんぐらいの年なら、そういう人いないかなーって」
「…にしても急すぎでしょ…」
「………で、いないの?」
「………い、いないよ!」
「へー、ななっし〜とかは?どう思ってるの?」
………んー?
「な、なんでななっし〜のこと話題に出したの!?」
「だってななっし〜と仲いいじゃん、最初あったときも話せてたみたいだし。」
「それだけ!?」
「うんそれだけ」
「………うう、もう!ちゃんと運ばないと、蒼天に凸さんが真面目に仕事してなかってたって報告するから!」
「えちょ待ってそれだけは勘弁して」
「ならちゃんと運んで」
「………はい」
…ななっし〜は俺と同じな感じがしたから、安心するだけだし…好きとかそういうのじゃない
〈凸もり視点〉
うーんやっぱりそう簡単には言わないか…
………けどさもさんの顔赤いんだよなあ、これってやっぱり…そういうことだよな!?