テラーノベル
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後日判明した。
彼女は死んでいない。
“別世界へ転位”。
漂泊者が言う。
「探す。」
ショアキーパーも協力。
この時世界規模で捜索が始まった。
意識が浮上する。
最初に感じたのは、重さだった。
空気が、違う。
元の世界で満ちていた均質な共鳴とは異なる、
ねっとりと絡みつく“個の圧”。
『……ここは』
瞼を開く。
視界に広がるのは深い森。
だが、木々の輪郭がわずかに歪んで見える。
否、歪んでいるのは世界ではない。
自分の認識のほうだ。
足元に、いつも通り淡く光っているはずのリングはない。
代わりに、見えない波のようなものが周囲を満たしている。
触れずとも理解した。
(これは……生命エネルギーの外在化。個の執着で形を変える律)
『念……?』
言葉が、自然に浮かぶ。
観測は完了した。
解析も済んだ。
再現も可能。
だが。
『……面白いね』
自分の律とは、あまりに違う。
その瞬間。
背後から、軽やかな拍手の音。
「へぇ……もう理解しちゃったんだ?♥」
振り向く。
そこに立っていたのは、奇抜な装束の男。
頬には涙のような星と雫のペイント。
細く吊り上がった目が、愉悦を宿している。
――ヒソカ。
「キミ、さっきまで“いなかった”よね?♣」
甘く、愉しげな声。
殺気はない。
だが危険だと、本能が告げる。
彼女はゆっくりと立ち上がる。
服の裾が静かに揺れた。
『そうだね。少し外れていただけ』
「外れてた、かぁ……♦」
ヒソカの視線が、全身を舐めるように巡る。
値踏みではない。
興奮だ。
「キミ、念を使ってないね♣」
『うん。必要がないから』
即答。
ヒソカの口角が上がる。
「最高だよ♥」
瞬間。
地面を蹴る音すらなく、距離が消えた。
彼女の喉元へ伸びるカード。
だが。
彼女は動かない。
代わりに、空間が“半歩”ずれた。
カードは彼女をすり抜け、背後の木を断つ。
ヒソカの目が細められる。
「今の、何?♦」
『あなたの技。綺麗だね』
彼女は指先を軽く掲げる。
空気が震える。
次の瞬間、同じ軌道、同じ速度でカードがヒソカへ返る。
ヒソカは笑いながら回避する。
「コピー? でも違うね……♣」
彼女は小さく首を傾げる。
『借りただけだよ。原理を』
ヒソカの瞳が、愉悦で濃くなる。
「ボクの“伸縮自在の愛”も視えてる?♠」
問いかけと同時に、不可視の伸縮。
彼女の腕に絡みつく。
だが彼女は、絡め取られたそれを見下ろし。
『弾性と粘性の両立。面白い』
指先で触れる。
次の瞬間、性質が“反転”した。
弾性は振動へ。
粘性は減衰へ。
ヒソカのガムが、自壊する。
一瞬の静寂。
そして。
ヒソカは、恍惚の笑みを浮かべた。
「壊したんじゃない。書き換えた……♦」
彼女は淡々と言う。
『壊す必要はないから』
その無垢な声に、ヒソカの背筋が震える。
強い。
「キミ、名前は?」
少しの間。
彼女は空を見上げる。
この世界に、自分を呼ぶ者はいない。
それでも。
『……流浪者』
そう名乗った。
ヒソカは笑う。
「いいねぇ……流浪者♥」
一歩、距離を取る。
今は戦わない。
直感が告げる。
“育つ”。
「ハンター試験、受けるといいよ」
『どうして?』
「面白い人間が、いっぱいいるから♠」
彼女は少し考え。
『観測価値は?』
「保証するよ♥」
沈黙。
そして。
『……じゃあ、行こうかな』
その言葉に、ヒソカは満足げに目を細めた。
(最高だ……♦)
森に、奇妙な共鳴が広がる。
一人は神格に近い観測者。
一人は戦闘に恋する奇術師。
運命は、
静かに交差した。
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スクロールお疲れ様でした〜
この小説視点少ないかも、大体三人称視点で書いてる!!
次はヒソカ視点でございま〜す
するめいか
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