テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
『うちんとこの回線がトんでもぅたんよ!』
マナ君がそう言って画面の向こうで嘆いていた
どうやら自分の前にライ君にも話していて、ライ君からdyticaへも連絡がいっているらしい
マナ君とライ君は既に一緒にいてお昼ご飯を食べながら今からの行動について話し合っていたそうだ
『と、いうことで!テツぅ…お前んとこ、遊びに行っていい?』
「えっ⁈う、うち⁈ま、まぁ、いいけど…なんにもないよ?」
絶対電話の向こうで上目遣いで話してるだろ…と、思うくらいの猫なで声のマナ君
それは反則だと思うよ…断れないじゃないか…
断る気なんて全くないのにそれを悟られないように必死だな、俺
『そこは大丈夫!俺とライで準備するから!テツは家で待っててくれればええよっ!』
ありがとな!また後で~!
そう言って、電話は切れてしまった
「え…っと、今から?マナ君と、ライ君が…?」
嵐のように過ぎていった連絡を飲み込むように復唱する
「‼‼…部屋っ‼片づけなきゃっっっ!」
汚部屋というほどではないが、それでも自分が過ごしやすい状態の配置のこの部屋をどうにかしなければ!
なんだよ急すぎだろ!なんて言って慌てて動き出す俺の口角は上がっているに違いない
===============================================
「ま、マナ君?緋八さん?…こんなに来るなんて、聞いてませんけど?????」
玄関で固まる俺の前には俺以外のヒーローが全員いた
「おん、誰がいくなんて言ってへんもんなぁ?ま、とりあえずあがるで~」
ぞろぞろ家に入っていく皆に「あ、どうぞ…」なんていいながら目の前を通り過ぎていく仲間を見送る
想定外のことで若干のパニックだ…あ、グラスあったかな…
そんなことを考えてみんなの背中を見ていたら
「急にわりぃな、テツ、大丈夫か?」
振り返って少し見上げた位置に心配そうな顔をしたリト君がいた
「だ、大丈夫だよ!グラスあったかな?って考えてただけだからっ!」
そんなに顔に出ていただろうか、情けないところを見られてしまっただろうか…
そんな気持ちを押し込んで、えへへ…と笑う
「食器類も食べ物も飲み物もこっちで用意したから心配すんな!テツは場所提供者なんだからゆっくりしてろよ!」
そう言ってリト君は軽く俺の頭をなでて通り過ぎていく
サラっと気遣える男なんだよなぁ…くそ、かっこいいぜ
俺もいつか真似してみよう…なんて格好悪いこと考えながらリト君の触れた頭に手をやり
その手をぎゅっと握りしめて背中を追いかけてみた
===============================================
「あーー!食べたし飲んだし遊んだぁぁ!」
「たまにはこうやってみんなで集まるのもえぇなぁ。回線とんだおかげやね!」
「そこはこれを思いついた俺のおかげじゃない?」
「えぇ~!う~んと、じゃあ、二人のおかげっちゅうことでっ!」
マナ君とライ君が仲よく顔を見合わせて訳の分からないことを話している
ものすごい量のご飯と飲み物の残骸が部屋に転がっていた
まだ明るいうちから集まっていたはずなのに、外を見ればもう真っ暗だった
ウェン君はカゲツ君と台所で片づけをしてくれているし
小柳君とるべ君はまだゲーム…
あ、リト君が洗い終わった缶をつぶして袋に入れてくれてる
「ねぇ、ちょっとタバコ吸ってきていいかな?」
皆に聞こえるように、でもうるさくならないように声をかける
OKの返事をもらってベランダにむかう
暖かくなってきたといっても夜はまだ少し寒く感じる
煙草に火をつけて煙を吐き出して気が付いた
「そっか…時間が経つのって早いんだっけ…」
片付けをしている皆を見て楽しい時間が終わりに近づいているのを自覚して寂しくなってしまったんだ
さっきまでは気遣える男の真似をしよう、なんて考えていたのに…
手伝ったら早く終わってしまう、なんて考えて逃げてしまった
「かっこいい男になるのは難しいなぁ…」
===============================================
私の中の佐伯君は物事をよく見てよく考えてから自分を甘やかす人ですw
34
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!