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早速瑛太と京子は作戦を立てた。
瑛太は玉木を、京子は公美をなんとか告白させよう。
元カップルの大作戦だ。
「お前公美のこと好きなのかよおー?」
玉木はバレたかと思いながらめんどくさそうに答えた。
「だから何?」
こういう時否定しないのが玉木の性格だ。
「告れよ」
瑛太は即答。
「どーせ片想いだし」
自信がなかった。
「両思いだろ」
あの反応からしてあれは両思い。
それは当事者以外誰が見ても同じだった。
「そんな僕のことが好き?話したこともねえのに?」
絶対玉木は瑛太を信用しなかった。
瑛太を信用すると大抵面倒い。
そう人生経験が語っている。
もしここで瑛太を信用してしまうと、
完全に突っ走る。
そして振られ死ぬ。
そう鋭い勘が言っている。
だが今回の玉木の勘は外れていた。
「あんた玉木のこと好きなのおー?」
公美は恥ずかしそうに首を振った。
「顔、赤いけど?」
また恥ずかしそうに手で顔を隠す。
「あんた、隠す気あんの?」
呆れたように京子は言う。
もう隠せない。これ以上は面倒くさい。
そう公美は思いついに言った。
「うん、好き。」
初めて好きだと公美は言った。
「告白、しないの?」
首を縦に振るくらいだと思っていた京子は少しビビった。
「付き合うとかって、よく分かんないし。
恥ずかしい、し。」
「はあ?」
過去に何人も彼氏を持った京子は驚いた。
「デートとかバレンタインとかその他とかメチャクチャ楽しいじゃん!!」
少し興奮気味に京子は語った。
その他の部分が少し公美は気になった。
「振られるの怖いし、どうせ片想いだし。」
公美もまた、今回の勘は外れていた。
京子と瑛太は悩んだ。
絶対両思いなのに片想いだと信じてやまない。
「これは両片想いってやつだね。」
京子は瑛太へそう伝えると瑛太は太めの眉毛をグッと寄せた。
「なんだよ、それ」
京子は言った。
「両想いなのに両方片想いだと思ってる想い。」
「なるほど、?」
さらに瑛太は首を曲げた。
また放課後、
今日は部活がある日だ。
公美は外で元気にテニスをする玉木を見ていた。
玉木は何か視線を感じ、公美を見つけた。
二人は恥ずかしくてすぐに目を逸らした。
そんな姿を瑛太と京子は見て、少し笑った。
「お前どんだけ公美が好きなんだよ」
瑛太は玉木の肩を掴んだ。
「べ、別に、いいだろ、」
玉木は肩にある瑛太の手を跳ね除けた。
どうせ自分はなんの恋愛もせずに朽ちていく。
恋愛となると必ず暗くなる性格だった。
「じゃあ、俺がアドバイスしてやるよ」
瑛太は自信満々で言った。
いつもなら断る、だが今回の玉木は瑛太の自信を信用した。
初めて親友を信用した瞬間だった。
「わかったよ、頼む」