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両片想い。

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両片想い。

2 - 中編

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2025年07月12日

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早速瑛太と京子は作戦を立てた。

瑛太は玉木を、京子は公美をなんとか告白させよう。

元カップルの大作戦だ。






「お前公美のこと好きなのかよおー?」

玉木はバレたかと思いながらめんどくさそうに答えた。

「だから何?」

こういう時否定しないのが玉木の性格だ。

「告れよ」

瑛太は即答。

「どーせ片想いだし」

自信がなかった。

「両思いだろ」

あの反応からしてあれは両思い。

それは当事者以外誰が見ても同じだった。

「そんな僕のことが好き?話したこともねえのに?」

絶対玉木は瑛太を信用しなかった。

瑛太を信用すると大抵面倒い。

そう人生経験が語っている。

もしここで瑛太を信用してしまうと、

完全に突っ走る。

そして振られ死ぬ。

そう鋭い勘が言っている。

だが今回の玉木の勘は外れていた。


「あんた玉木のこと好きなのおー?」

公美は恥ずかしそうに首を振った。

「顔、赤いけど?」

また恥ずかしそうに手で顔を隠す。

「あんた、隠す気あんの?」

呆れたように京子は言う。

もう隠せない。これ以上は面倒くさい。

そう公美は思いついに言った。

「うん、好き。」

初めて好きだと公美は言った。

「告白、しないの?」

首を縦に振るくらいだと思っていた京子は少しビビった。

「付き合うとかって、よく分かんないし。

恥ずかしい、し。」

「はあ?」

過去に何人も彼氏を持った京子は驚いた。

「デートとかバレンタインとかその他とかメチャクチャ楽しいじゃん!!」

少し興奮気味に京子は語った。

その他の部分が少し公美は気になった。

「振られるの怖いし、どうせ片想いだし。」

公美もまた、今回の勘は外れていた。


京子と瑛太は悩んだ。

絶対両思いなのに片想いだと信じてやまない。

「これは両片想いってやつだね。」

京子は瑛太へそう伝えると瑛太は太めの眉毛をグッと寄せた。

「なんだよ、それ」

京子は言った。

「両想いなのに両方片想いだと思ってる想い。」

「なるほど、?」

さらに瑛太は首を曲げた。




また放課後、

今日は部活がある日だ。

公美は外で元気にテニスをする玉木を見ていた。

玉木は何か視線を感じ、公美を見つけた。

二人は恥ずかしくてすぐに目を逸らした。

そんな姿を瑛太と京子は見て、少し笑った。


「お前どんだけ公美が好きなんだよ」

瑛太は玉木の肩を掴んだ。

「べ、別に、いいだろ、」

玉木は肩にある瑛太の手を跳ね除けた。

どうせ自分はなんの恋愛もせずに朽ちていく。

恋愛となると必ず暗くなる性格だった。

「じゃあ、俺がアドバイスしてやるよ」

瑛太は自信満々で言った。

いつもなら断る、だが今回の玉木は瑛太の自信を信用した。

初めて親友を信用した瞬間だった。

「わかったよ、頼む」



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