亮平side
翔太💙『じゃあ俺たち、大浴場に行ってくるから』
相当にご立腹の翔太は、蓮ではなく涼太に行き先を告げると、俺と二人で大浴場へ向かった。
野獣ふたりは夕飯前に一杯飲むらしい。
俺は涼太に〝行ってくるね〟と小さく手を振ると〝長湯しすぎないようにね〟と優しく返ってきて嬉しくなって顔が熱くなると、益々翔太は機嫌が悪くなった。
翔太💙『いいね涼太は優しくて!』
亮平💚『まぁそうだね涼太は優しいね。 蓮だって、翔太に優しいでしょ』
一通り洗い終えると、湯船に浸かっていつもの彼女会が始まった。翔太は折り畳んだタオルを頭の上に乗せて、俺はタオルで髪の毛を包んでいる。
翔太💙『蓮が優しい?冗談じゃない。どこが優しんだよ!いつも意地悪ばっかりだ』
そうかな?蓮はいつも翔太の事を最優先して、最終的には翔太の思い通りに蓮が動いてるように俺には見えるけど・・・
亮平💚『それって、ベットの上での話でしょ?』
翔太💙『両方だよ。いつも俺の反応見て楽しそうに意地悪してくる』
〝でも結局、意地悪で強引な所が好きなんでしょ。俺にはそう見えるけど?〟と言うとブツブツ文句言いながらも段々と尻窄みになった。
話は徐々に夜の営みの話へと移行していく。またいつものパターンだ。
最近は翔太から誘うことが多い上に断られることがあって悩んでいるのだとか。
亮平💚『別に今日だって蓮からがっついてたでしょ?何も心配いらないよ』
翔太💙『仕事で疲れてる時なんか、面倒臭そうな顔するんだ〝昨日もしたでしょ〟っ言って何にもしてくれない時もある』
無い物ねだりとは、よく言った物だ。
俺らの場合は逆に涼太がほとんど誘ってくる。朝の早い仕事も抱えてるから、あまり毎日はお互いに避けたい所なんだけど・・・
まぁ俺・・・可愛いから仕方ないよね。
ついつい涼太を誘っちゃってるみたいなんだよね。
亮平💚『それにしても、さっきは蓮から迫られて嫌そうだったけど?変じゃない?嫌がるのは』
蓮から誘われれば嫌がるなんて、翔太の我儘でしょ。
翔太💙『蓮から誘って来る時は、優しくないもん・・・激しいの////怖い・・・』
〝怖い〟だなんて放っておけないな。
確かに、蓮って激しいもんね。
気まづくなるから言えないけど・・・
亮平💚『つまり、毎日したいのに断られる上に、蓮から求められると怖いって事?』
翔太💙『うん』
やっぱり翔太の我儘に聞こえるけどね。蓮には蓮の言い分がありそう。
亮平💚『因みに、いつもどうやって誘ってるの?やって見せてよ』
〝いいよ〟というと翔太は、俺に近づいてくるなり、上目遣いで潤んだ瞳を向けると
翔太💙『シャツ引っ張って〝ねぇしようよっ〟て言ってる』
あぁ〜悪くないけどね。
亮平💚『そのまま返事待たずにキスしてみたら?』
〝キスもしてみたけど・・・〟そう言うと翔太は悲しそうに節目がちになるとポロポロと涙を流した。
可愛いなぁ。
翔太💙『この前〝疲れてるからやめて〟って言われてうう゛ぅ俺の事、もう飽きたのかも・・・』
あらあら、可哀想に。頭をぽんぽん叩いてあげると首に抱きついて離れない。
確か翔太って、キスはあまり上手じゃないかもね。
口淫はすごく上手なのに・・・
亮平💚『あのさ、翔太キスあまり上手じゃないかも・・・ごめんね。練習してそっちで誘ってみたら?俺の経験からしてキスが上手だとそっちの雰囲気に持って行き易いよ』
翔太💙『んっ////じゃぁ俺にして見せて』
亮平💚『はぁっ?ダメでしょそれは』
翔太💙『じゃぁ誰と練習するんだよ?涼太としても良いのかよ?』
亮平💚『ダメに決まってるでしょ!』
はぁ〜まぁキスくらいね・・・蓮誘うためだし。
〝分かった今日だけ特別に教えてあげる〟そう言って翔太と唇を重ねた。
翔太 side
最初は優しく触れるだけのキスだったのに、肩に置かれた亮平の手に力が籠ると、片方の手を後頭部に添えて顔の向きを変えると、隙間から舌が侵入してきた。舌を抱き合わせると、水音が響いてキスの事以外考えられなくなる。時折腕を優しく撫でている。
翔太💙『ンンッふっ』
亮平💚『こんな感じでどう?言葉じゃ説明しづらいけど・・・大丈夫?翔太』
翔太💙『うん・・・すごくイイ。気持ち良くなっちゃったよ』
〝相変わらず正直なんだから。じゃぁ俺にして見せて〟と要求した亮平は顔を近づけてきた。
〝分かった・・・なんか緊張するね〟と言って、同じようにして見せた。
亮平💚『うん悪くないね。舌で、上顎を擦ったり、歯列をなぞるともっと相手を気持ち良くさせられるよ////』
色々とキスでも練習が必要なんだな。これで俺の誘いに乗ってくれればいんだけど・・・
翔太💙『それもして見せてよ!』
何だかふたり変な気分になってきて、お互い顔が真っ赤だ。亮平は、舌を差し込んで丁寧に教えてくれた。キス一つで感じちゃってる自分がいて、今度は全身が熱い。やばいのぼせちゃう。
翔太💙『んっンンッ////はぁ亮平気持ちイイ』
亮平💚『ふふっ翔太煽るのは上手なのに///もっとこう舌を吸ったり…どう///?』
翔太💙『んっ////あっこう?あぁうん気持ちイイね……///』
蓮 🖤『おい💢元カレ1号離れろ。誰もいないからって何やってるの?いい加減にしろよ翔太💢』
涼太❤️『亮平こっち来なさい💢』
マズイ蓮の声が・・・
そう思った時には視界がぐらついて、心配そうな顔をした亮平だけが目に飛び込んでくると、そのまま暗闇に取り込まれた。
蓮 side
あまりにも2人がお風呂から上がってこないから、浴場を除いたら、翔太が欲情してた。
なんて・・・笑えないシチュエーションに、一緒に着いてきた舘さんは冷ややかな視線を阿部ちゃんに向けている。怒った舘さんは怖い・・・
怒る間も無く翔太くんがのぼせて倒れた。ふたりは浴場に残ると、翔太くんだけ連れて部屋に戻った。
暫くうちわで仰いでいた。
だいたいの説明は阿部ちゃんから聞いた。
そして、怒られた。
亮平💚『相当に悩んでるみたいだよ。ちゃんとそう言う事はふたりで話さないと。そのままにしてたらまた前みたいに拗れちゃうよ』
・・・それはごめんだ。もうあんな辛い思いしたくない。
蓮 🖤『嫌なんじゃなくて・・・翔太くんの身体が心配なんだよ。つい激しくなっちゃうから・・・一回じゃ終わらないだろ?』
涼太❤️『蓮は言葉数が足りないんだよ。ちゃんと翔太には言葉で伝えないと、不安しか生まないよ?』
元カレ2人のアドバイスは説得力がある。
しかし裸でキスの練習はないだろっ💢
ましてやそれが元カレでは冷静ではいられない。舘さんはよく平気でいられるな。最初こそ怒ってたけど、理由を聞いたら優しく笑って阿部ちゃんの頭撫でて〝亮平は優しいね〟だって・・・
翔太💙『んっ痛っ』
あっ起きた〝優しく、優しく〟2人から頂いたアドバイス。
涼太❤️『怒ったらダメだよ優しくね』
亮平💚『そう、過ぎた事は水に流しなさい。優しくね蓮。また何かあったら俺らを頼っていつでも力になるから』
〝何が過ぎた事だ!本人が言うなよ〟って思いながらも特大のアイドルスマイルで微笑んで浴場を後にした事を思い出す。
〝優しく、優しく〟
蓮 🖤『翔太くん大丈夫?頭痛いなら起きないほうがいい。水持ってくるね』
水を飲ませてあげると、ムクリと起き上がった。
蓮 🖤『まだ横になってなよ?ゆっくりしてた方がいいよ。おいで抱っこしてあげようか?』
翔太💙『・・・どうしたんだ?そんなに優しくして・・・何かあるだろっ怒ってるだろ?怖いな』
怒ると怖い。優しくしても怖い・・・
どうしろと言うんだ?
早速、元カレ1号と2号の力を借りたい・・・
蓮 🖤『ごめんね翔太くん。あの・・・阿部ちゃんから聞いた。別に翔太くんとエッチするのが嫌なんじゃなくて・・・心配なの翔太くんの身体。前も痛くなっちゃったでしょ?つい激しくなっちゃうから』
翔太💙『だからなの?疲れてるからじゃないの?俺がヘタだからじゃない?俺の身体に飽きちゃったんじゃない?うう゛ぅう゛嫌いじゃない?』
あ〜可愛い。このまま泣かせたままにしておきたい。
〝優しく、優しく〟
蓮 🖤『おいで翔太くん。ごめんね余計な心配させちゃって大丈夫だよ。翔太くんは魅力的だから///自制するの大変なんだよ』
俺の膝の上に乗せて抱っこすると、涙を拭って俺の頭の後ろに手を回すと翔太くんは、自身に引き寄せキスをした。
・・・早速練習の成果を試しているようだ。
なるほど、なかなか阿部ちゃんイイ仕事をしたようだ。
蓮 🖤『んっ////翔太キス上手//』
翔太💙『ほんと?シたくなった?どう?』
蓮 🖤『ねぇ折角のキスが台無しだよ///コラッちょっと////さっきしたでしょ////やめなさいよ///ンンンンッ翔太』
最後の誘い文句までワンセットで教えてもらいたいものだ・・・
それにしても相変わらず口淫がお上手。
その後、翔太くんを心配してお風呂から帰ってきた2人に行為を見られた翔太くんは、暫く和室の隅に蹲っていた。
蓮 🖤『翔太、もうすぐご飯だよ。こっちおいで』
亮平💚『大変ね。お子様の子守りは』
涼太❤️『大丈夫だよ。ご飯になったらすぐ機嫌直すから』
翔太くんは運ばれてきた夕食を見るや否や元気を取り戻した。俺の隣にちょこんと座ると、子ツバメが餌を待つように小さな口を目一杯開けている。
亮平💚『あらあら、ほんとに大変』
涼太❤️『イイ加減にしなさい翔太。蓮が食べれないだろ』
蓮 🖤『大丈夫ですよ。いつもなんで』
亮平💚『ほら蓮はやっぱり優しいじゃない』
翔太💙『ふふ////』
〝何の話?〟と翔太くんに聞くと〝知らない〟と言って上機嫌にコップを握ると一気に飲み干した。
蓮 🖤『馬鹿それお酒だよ』
あぁ〜まっいっか。
その後も何度かお酒を飲むと手をつけれないほどに酔っ払っている・・・
いつの間に借りたのか2人は違う部屋へと手をひらひら振りながら消えて行った。
翔太💙『んふっ////蓮おいで……キスの仕方教えてあげる///』
おいおい楽しみしかないんだが・・・♡