テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
翌日
徹夜をしたも同然の4人はげっそり、、のはずが、なぜか元気に学校にやってきた。
「まつりは結構クマできやすいタイプだけどどうしてるの?」咲苗がクラスで聞いた。
「寝る時にホットタオルつけてるの〜!血行が良くなってクマも落ちるんだー!咲苗だってその黒髪長くて綺麗なんだし、ちゃんと手入れしたらそのげっそりした顔どうにかなるよ〜!」まつりは笑顔で説明した。
「髪の毛とクマは関係ないでしょ。そういうまつりはいっつも使用人に洗ってもらってるのに。」咲苗は本に戻った。
「なんで知ってるの?!」まつりは驚いた顔をした。
「そりゃわかんなくても察するよ。まつりの家は豪邸だし、使用人も警備員も多いし、それに数人の手や服にあなたの特徴的な癖毛の紫色の髪が数本ついてたよ。」咲苗は思い出しながら説明した。
「咲苗ってそう言うとこあるよね。ストーカー向いてそう。」まつりは言った。
「まつりの割には失礼なこと言うじゃない。」咲苗は眉を顰めていう。
「ねえ、まつり。転校生って僕らのクラス?」咲苗の真後ろの席の鈴之助は席にカバンを置いて聞いた。
「そうだよ。律は他クラスの情報を私らに流すと思う?」まつりは振り返ってしゃべった。
「思う。」と、咲苗。
「思う。」と、鈴之助。
「思うんかよ。」と、鈴之助の隣の席、まつりの真後ろの真央が言った。
「咲苗職員室で見なかったの?」まつりは席に座って首を傾げた。
「私が毎朝のように真央と喧嘩して職員室に送られてるとでも?」咲苗の頭に血が登ったような気がしてまつりは黙り込んだ。
「中等になってからだいぶ減ったよな。」真央は天井を見て考えた。
「まつりと鈴之助っていう優秀なストッパーがいるからね。」咲苗は笑う。
「僕は道具じゃないよ?」鈴之助はニヤリと笑った。
「はーいじゃあみんな席ついてー!今日は転校生が来ているの。入ってちょうだい!」
先生が教卓に出てきて、続いてきたのは、
「菅野いのりって言います。小さい頃に父の仕事の都合でアメリカへわたって、海外赴任が終わったので帰ってきたところなの。勉強はちょっと苦手だけど、クラスの仲間になれるように、頑張るね!」
「菅野さんは、根津木さんの隣で。」先生は真央の隣の席を指差した。
いのりは席の隙間を小さな足音で通り真央の隣の席に座った。
「よろしくね、根津木さんっていうの?真央くんって呼んでいい?」いのりは真央に話しかけた。
真央はしばらく考えた後でしゃべった。
「初対面に馴れ馴れしくさせるつもりはない。」
「あ、ごめんなさい。じゃあ今は根津木さんでいい?」いのりは焦ってそういった。
「それでいい。」真央は短くいってノートを取り出しシャーペンの芯を出す。
(真央ってああいう馴れ馴れしいの嫌いだからなー。面倒ごとにならなければいいのだけれど。)咲苗はそう考えては口にせず、前回の理科の授業の参考書を読み始めた。
昼休み
「完全にめんどくせーのに席取られたわ。」真央は愚痴を吐いた。
「第一印象で人を決めるのはどうかと思うよ。」鈴之助はおにぎりを食べてそう言った。
学校内で咲苗たちとはほとんど会話をしない。だから真央は大抵鈴之助とつるんでいることが多い。
「いーやあいつはぜってーろくでもない。俺のセンサーがそう言ってる。俺が初めて咲苗とあった時と同じようなやつが。」真央は自分の頭を指さした。
「真央のセンサーってなに、、?」鈴之助は聞いた。
「部外者は聞くな。」真央は短くこたえる。
「僕いつから部外者なの?!」鈴之助はノリで叫んだ。
「ねえねえ根津木さん。隔絶くんと仲良しなの?」いのりはどこから現れたのか、曲がり角からひょっこり顔を出した。
一方その頃の咲苗とまつりは、、
「まつりっていっつも2段弁当プラスおにぎりだよね〜。ちっちゃい頃からよく食べるよ。」咲苗は自分のだし巻きを口に頬張りながら言った。
「まーねー。お母さん料理上手だから!」まつりは笑った。
「へー、お昼はお母さんに作ってもらってるんだね。」咲苗は答えた。
「使用人が作るご飯も美味しいっちゃ美味しいんだけどねー。」
まつりは楽しそうに言いかけたが、途中で笑顔が消えた。
「なんというか、感情がこもってないっていうか、、」まつりは言った。
「なんてね!ごめんね暗くして。」だが、すぐに笑顔を戻して笑った。
「大丈夫。いろんな家庭があるからね。」咲苗はつぶやいた。
「咲苗のご飯は、いっつも焦げちゃったりしてるけど、どうしてるの?」まつりは咲苗の弁当箱を覗き込んだ。
「悪かったわね、料理下手で。カレーとうどんなら得意なんだけどなー。なぜかこう言うの作ると焦がしちゃって。」咲苗は苦笑いした。
「すご!咲苗これ自分で作ってるの?!ごめん聞いちゃって!」まつりはあわてた。
「大丈夫。事実だから。私が何を言われても傷つかないくらい鉄なのは、あなたも知ってるでしょ?」咲苗は箸をおいて言った。
「それでも、傷つかないからって優しくしないのは、ダメだと思うから。」まつりは言った。
「えらいわね、まつり。」咲苗は笑ってまつりの頭を撫でた。
「頭撫でていいって言ってない!子供じゃないんだよ!」まつりは叫ぶ。
「私にとってはずっと年下よ。」咲苗は言う。
「嫌な事実突きつけないでー!」まつりは叫んだ。
まつりは、一言で言うとこんな人。
明るくてちょっと傷つきやすい人だけど、ちゃんと手を差し伸べてくれる人。
コメント
1件
読みました!今回めっちゃ4人の関係性が深まったなーって感じた。まつりの「感情がこもってない」って発言と、咲苗の「傷つかないくらい鉄」発言、それぞれの背景チラ見せグッときた。まつりの優しさも咲苗の強さも両方ちゃんと伝わってくる。あと真央のセンサー気になる…転校生のいのりちゃん、ただの元気娘じゃない予感しかしないんだけど! 次話も楽しみにしてます🔥
煙
108
284
はるねこ
733