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【能力者名】千代子令子(チヨコレイコ)
【能力名】腐れ外道とチョコレゐト
《タイプ:擬態型》
【能力】チョコを囓っている間目に映るすべての人間のスマホの検索履歴を読むことができる。継続時間はおよそ10分。
【以下、細菌達の記録】
【運命の小テストまであと6日】
(三限目、第一理科室にて)
「はい、じゃあこことこことここ、小テストに出るからなー。お前らーロカ先生に能力取られないよう頑張れよー。はい、委員長号令ー。」
白衣を着たけだるげな中年教師、
影踏架空恋慕(かげふみかくれんぼ)先生は
そう言ってカッカッカと黒板の単語三つを
青い丸で囲んだ。
「起立、礼、ありがとうございました!!」
「ありあしたー。」
「したー。」
生徒達の号令が済むと影踏先生はふわぁと
あくびをした後自らの影に沈んでどこかへと
行ってしまった。
《お昼休み、一年B組の教室にて。)
「わあぁぁあどうしよどうしよー!!次のテスト 絶対赤点だよー。」
酒池肉林が恋原表裏一体に泣きついた。
「ほんと怖いよねーロカ先生。千代子ちゃん
なんかテストの情報知ってるー?」
表裏一体は一番後ろの席で板チョコを食べてる千代子令子に話しかけた。
「うんにゃ、あたしはなーんにも?」
千代子はむちゃむちゃ板チョコを食べながら
首を横に振った。
「嘘だー、絶対なんか知ってる顔じゃーん。」
表裏一体は林の頭を撫でながらそう言った。
「いやー、私はただの《毎日板チョコをおいしく食べられ》能力を持った妖怪板チョコ女だよー。……ただ、そうだなー。学年一位の独絵転々(ヒトリエテンテン)と二位の独絵三十九秒(ヒトリエサンジュウキュウビョウ)
の双子ならなんか知ってんじゃない?」
そう言って千代子はにやにや笑った。
「転々と三十九秒さんかぁ……,。」
林と表裏一体はうーん、と微妙そうな顔をした。
「転々は…..ほら、天才過ぎて何言ってるか
わかんないし、三十九秒さんは勉強してるときの話しかけるなオーラが半端ないからなぁ…..。」
「いい人たちなんだけどねー…….。」
とお互い微妙そうな顔をした。
「そしたら千代子様!!このチロルチョコを
捧げますのでどうかこのクラスでそこそこ勉強ができて教えるのがうまくてやさしい人を教えてください~。どうかこのとおーり!!」
千代子の机にチロルチョコを置き、なむなむと林は手を合わせた。
クラス一の噂好きと名高い千代子は林の耳元に口を近づけひそひそと いった。
「これは友達の友達の友達から聞いた話なんだけど………。」
ひそひそ話を聞き終えた林は
「えーっ!!!?」
と大きな声で叫びながら
「白雪ちゃん学年三位なの!!!?」
と大声でとなりに座ってた白雪毒林檎の方
を向いた。
「あ…..うん、私里親だから少しでも今の育ててくれてるお爺ちゃんとお婆ちゃんに恩返ししたくて…….。」
白雪ちゃんは恥ずかしそうにもじもじした。
「白雪ちゃんすっごーい☆勉強教えてー!!!」
表裏一体は白雪ちゃんに抱きついた。
「うん……いいよ。能力とられちゃったら
いやだもんね。」
「やさしー!!女神ー!!!あと内の《ボランティア部》のアホ共二人にも勉強教えてよー!!!」
そう言って表裏一体は白雪ちゃんの胸に すりすりした。
「私でよければいつでもいいよ…….。」
白雪ちゃんは柔らかい表情で言った。
「そしたら今日の放課後いっしょに図書館で
……..。」
「待った、図書館はやめた方がいい。」
パキリ、と板チョコを食べながら真剣な顔で
千代子が言った。
「なんで?」
表裏一体が首を傾げると千代子はこう答えた。
「これは私の知り合いの知り合いに聞いた話なんだけど、図書館で大声を出すとなぜか
3日後に謎の死を遂げるんだって。幽霊とかならともかく能力者だったらヤバイよ。
表裏一体ちゃん絶対声出すの我慢できないでしょ?」
板チョコを囓りながら千代子が言った。
「うーん、確かに…….。」
表裏一体はそういって腕を組んだ。
おしゃべり 好きな表裏一体にとって大声を出せないというのは死と同義であるからである。
「そしたら今日の放課後皆で喫茶店《フラニー》行こうよー。私あそこの店員さんと
仲良しなんだー☆」
交友関係の広い表裏一体がそうやって手をあげた。そんなこんなで彼女達がやいやいと
ガールズトークを繰り広げてると。
【遠くから地響きのような歓声】
「え、え、何々??何かのイベント?
グラウンドから??」
林がビックリして椅子から転げそうになりながら言った。
千代子がチョコを囓りながら言った。
「ああ、あれは米津高校名物行事────。」
「悪鬼退治《ロカ•バッティング》だよ。」
(最後まで読んでくださりありがとうございます。)