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月詠 涼
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#大人恋愛
坂野真夢
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臣桜
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「どっちかの部屋で、となると、今日は何だか歯止めがきかなそうだから……」
「こんな素敵なバーがあるなんて……さっき一番憧れの場所って言ってた場所が、もう更新されたかも……」
「昔から、家族で来てたんだ」
「なんて家族なのよ……」
パーティー会場のホテルの別の階に行くと、そこもまた素晴らしくラグジュアリーなバーになっていた。
そこは天井の照明が何もついておらず、それぞれのテーブルにあるランプがポンポンと付いているだけの、暗いバーだった。その代わりに、ガラス張りの窓の向こうに、東京中のビルの灯りがキラキラと輝いていた。
「暗いの怖いんじゃなかったの?」
「ここはギリ見えるでしょ」
「まあそうだけど……」
ライトを持った店員さんに、窓際のソファ席へ案内された。高級な丸いソファのすぐ足元から、たくさんの宝石を床いっぱいに散りばめたような夜景の広がっている。
「すごい!めちゃくちゃ綺麗!」
「よかった。サン先輩、好きそうだなって」
「このビルの灯り、全部指で触れそうな気分!空想の世界みたいだね!」
「ふふふ」
二人で、夜景を眺めながら、軽めのカクテルをいただいて、乾杯した。
「一番大好きな場所に二人で来て、ちゃんと話したいと思ってたんだ」
「そう思ってくれてありがとう」
すぐ隣に座っているのに、リュウジはサンゴの方をじっと見て、真剣な顔つきになった。
「実はね、サンゴ先輩のこと、前から知ってたんだ」
「そうなの?」
「うん。5年前かな。俺がまだ高校生の頃、新作試飲イベントに、親に連れてこられてさ」
「ふーん?」
「お祭りみたいなイベントで、先輩がマイク持ってエコ政策について話してて。その時、100%リサイクルペットボトルを目指してるって話、熱く語ってたよ」
「わわわ!!入社したての頃、そんなイベントもあった……かも……」
サンゴは思わずカクテルを吹き出しそうになる。
「実は、その話を聞いて感動して、試飲イベントとか、子供向けのイベントとか、毎回見に来たりしてたんだよ」
「そうなの?知らなかった」
「いつも、サン先輩、エコ系の話してたから。自動販売機の省エネの話とか、ノーラベルとか。だから、俺もエコ経済系の大学行ったり、3年からは留学までしたけど……」
「そうだったの?そんなに頑張って、環境系の勉強してきたの?」
「その……一番初めて見た時、サン先輩に一目惚れしちゃって。しかも、そこで有村サンゴって名前聞いて、何だかピンときて、泣けてきちゃって……」
「えええ?名前と見た目?」
「あと熱意?」
「ははは」
リュウジは、照れくさそうに、一度、自分の頬に手を当てた。
「有村サンゴ先輩の下につきたいって、ずーっとずーっとずーっと、高3の時も大学時代も、会長と、社長と、専務に何度も何度も話してきたんだ。それで、入社してからは部長にも何度もお願いて……」
「そ、そんなこと、普通許されるの?部長はリュウくんのこと知ってるの?」
「部長は知らないはずだけど……うーん、なんかしっかり話したら、みんな叶えてくれた」
「へええ??」
「結構熱く、リサイクルについて語ってきたし。ははは。おかげで、こんなコンペまで取れて、嬉しいし、全部サン先輩のおかげだよ」
「そんな……」
「ありがとう。有村サンゴさん」
「ふふふ。変なの」
「ありがと、サン」
笑いながら、二人でもう一度乾杯をした。
「サン先輩、ずっと大好きでした。本当に。ずっと好きです。俺と付き合ってもらえませんか?」
鷹ような真っ直ぐな目が、こちらを向いていた。
それなのに、サンゴの気持ちは何だか温かくて、柔らかくて、おもわず笑ってしまうような楽しい気分でいっぱいだった。
(なんて可愛いんだろ!!!)
「……はい。よろしくお願いします」
「よかった!!!」
ずっと今日一日中、低音ボイスだったリュウジは、この暗がりの中、いつもの弾けるような笑顔に戻っていた。
「じゃあ、今日からもう、サン先輩が彼女ってことでいい?」
「うん」
「やったー!!!」
リュウジは、愛らしい笑顔で肩をすくめていた。
「もおーーーホントかわい!」
サンゴは思わずリュウの頬を指で突いてしまう。爆イケな格好でも、やっぱりいつも通りふわふわの頬にとろけそうな気分になる。
「可愛すぎるー!!」
「サン先輩さ、そうやって人の頬、つっつきまくってるけど……」
「だって。なんか触りたいんだもん」
「いつもすっごい距離感で触ってるの気づいてる?」
「ええ?」
言われてみると、サンゴは腰をくねっらせてリュウジの方へ胸を突き出していた。自分のすぐ鼻の先に、彼の耳や頬があることに気づく。
「いつもさ、なんだかすごい艶っぽい感じになってるよ……」
「ご、ごめん」
「会社以外ならいいけど……」
「だってー。何だか、リュウくんに、指が吸い寄せられちゃうんだもん!」
「指が吸いよせられちゃうって……」
「リュウくんが可愛すぎるからいけないんだよ?いっぱい触りたくなっちゃうんだもん。……って!!わあ。私こわっ!!これってセクハラ?」
「だからそんなわけないですって。ハラスメントなしのセクシュアルな関係ってことでしょ?」
「なんかやだな……そんな。セクシャルなんて言っちゃって。あんまり触るのやめないとな……」
ふっと、サンゴは自分の指や腕をもう一方の手で押さえて引っ込めた。
「いや、俺の言い方が悪かったかもしれないけど。っていうか、なんだかんだ、結局、サン先輩の方が、俺のこと好きだよね?」
「そうなんだよね。なんでだろうね?誰にもこんなふうに思ったこと一度もないのに。毎日リュウくんに触りたくて触りたくてしょうがないの。思いっきり抱きしめたり、頭もヨシヨシしたいし、胸に耳を当てて、声聞きたいし。見てたらどうしても我慢できないの」
そう言いながら、サンゴは、彼の髪に触れ、頬にキスをして、彼の胸の方へ自分の耳を当てた。
「あーって声出してみて」
「あああー」
「ギュン死ぬ……やーんすごい!いい声!」
「ええ〜?ほんと?」
「ん〜。リュウくんのイケボが身体を通って響く音、綺麗すぎる!!」
サンゴの艶めいた声や、胸元をゆっくりと撫で回すかわいらしい手に、リュウジの脈拍が一気に上がる。
「全くもおーーー!!!今日だけはちゃんと話し合うだけにしようって思ってたのに!!思ってたよ?俺は」
リュウジは頭を抱えて、必死に何かを堪えているような顔をしていた。そんな様子を見て、サンゴはサッと離れて、俯いて誤った。
「ごめんって。もう、本当に、触らないようにするから……」
とか、一時間前まで言ってた人が……。
「やあああん!リュウ……きゅん!!」
コメント
1件
第17話読み終わったよ!リュウくんの5年間の片思いエピソードが尊すぎて泣きそうになった……。サンゴ先輩に一目惚れして、そこから環境系ガチ勉して、そのまま直属になるとか、もう完璧なストーリーすぎるでしょ!笑 しかも夜景が宝石みたいなバーでの告白シーン、めっちゃ絵になるし、お互いに好き好きオーラ出まくりでこっちまで照れるわ(笑)。触りたい衝動抑えられないサンゴ先輩も可愛すぎる!次が気になるー🔥