テラーノベル
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9話目もよろしくお願いします!
今回、センシティブな表現があります。
ご注意下さい。
スタートヽ(*^ω^*)ノ
キヨくんは3日程入院した。
その間、毎日病院に通った俺。
入院中のキヨくんは事あるごとに俺に甘えてきた。
『レトさんが食べさせてくれなきゃ、俺1人じゃ食べれない〜』
だとか、
『レトさん帰っちゃったら、俺寂しくて死んじゃうよ〜』
だとか。
それはそれはワガママ言い放題だった。
「も〜、わがまま言わないでよ!子供じゃないんだから!」
と言いつつも、甲斐甲斐しくお世話をしてる
俺も俺だけど…。
そして、キヨくんは無事退院した。
病院からの帰り道、キヨくんと並んで歩く道は、ほんの少しだけ風が涼しくて、夏の終わりの匂いがした。
ぎゅっと手を繋いだまま、夕焼けに染まる道を歩く。
まるで、初めて手を繋いだあの日のように。
『……あの時もさ、ドキドキしてたの覚えてる?』
「……ばっ、うるさいな、覚えてるに決まってるやん」
照れ隠しに目を逸らすと、キヨがくすっと笑う。
そんなやりとりすら、愛しくてたまらない。
たった一ヶ月、離れていただけなのに、
キヨくんの手の温かさは、泣きたくなるくらい恋しかった。
どちらからともなく指を絡めると、また心臓が跳ねた。
何度でもこうして手を繋ぎたいと思った。
あの日のドキドキを忘れないまま、もっと深く、もっと強く、
これからはもう二度と離さないように。
2人でレトルトの家に帰宅した頃には、空はすっかり夕焼けから夜に変わっていた。
いつもの部屋の匂い、食器の音、湯気のたつ食事。
ほんの些細なことが、全部「帰ってきた」と思わせてくれた。
食事を終え、食器を片づけ、順番に風呂を済ませる。
何も特別じゃない、だけど、特別だった。
愛する人が隣にいる事は当たり前だけど当たり前じゃない。
ソファに並んで腰掛けると、どちらからともなく、身体が自然と寄り添った。
そっと視線が絡まり、しばらく黙ったまま見つめ合う。
そして、キヨがゆっくりと顔を近づける
キヨに身を委ね自然と目を閉じるレトルト。
柔らかく、あたたかいキス。
口づけの合間に、レトルトのまつげが震える。
どちらの鼓動か分からないくらい、胸が高鳴っていた。
『……レトさん、好きだよ』
キヨがそう囁くと、レトルトは目を逸らさず
「……うん。俺もキヨくんが好きだよ」
と、耳まで赤くして小さく答えた。
空気が、少しずつロマンチックに色を変えていく。
触れる指先、ぬくもりを確かめるような手のひら。
その夜、2人はもう一度、互いの存在を身体ごと抱きしめ愛を確認し合った——。
2人で並んで立ち上がると、キヨにそっと手を引かれて寝室へと歩いていく。
繋がった手が、心の距離を埋めてくれるようだった。
柔らかな照明に包まれた寝室。
何度も過ごした場所。けれど今夜は、ほんの少しだけ空気が違う。
キヨがベッドにレトルトを押し倒そうとした、その瞬間——
レトルトの動きが一瞬早かった。
ぐい、と体勢を変えて、キヨを押し倒し、自分が上になる。
『レ、トさん……?』
驚いた声が漏れるより先に、レトルトの指先がどこかから取り出していた細い紐で、キヨの両手をゆっくり縛る。
柔らかく、だけど逃がさないように、丁寧に結ばれる手首。
そしてレトルトは、キヨの耳元に顔を寄せ、低く囁いた。
「……俺、P-Pとキヨくんが抱き合ってたの、許してないんだからね」
その一言が、キヨの背筋をぞくっと駆け上がる。
声は甘くて小さいのに、目だけが鋭く光っていた。
怒ってるのか、拗ねてるのか——
ただ、どうしようもなく自分を欲しがってくれているだけは分かる。
たまらなく愛しかった。
縛られた手。動けない体。
けれどキヨは、どこか嬉しそうに目を細め、ふっと笑った。
『……レトさん、怖ぇわ笑』
「黙ってて。今日は俺の番だから」
いつもは翻弄される側だったレトルトが、今夜だけは静かに支配する。
キヨは、そんなレトルトに素直に身を委ねて——
火照った吐息とともに、夜が深く濃く、2人を包んでいった。
いつもはキヨの下で震えながら顔を真っ赤にしているレトルトが今はキヨに跨り見下ろしている。
目を見開くキヨの上で、レトルトがゆっくりと腰を落とし、笑みを浮かべながら耳元に囁く。
「ねぇ、キヨくん。……独占欲が強いって自分だけだと思ってた?」
その声には熱がこもっていた。
嫉妬と執着、そして少しの甘えが混ざった、いつもとは違う色をした声。
「キヨくんだけじゃないんだよ?」
甘く微笑んで、キヨの頬にキスをする。
レトルトはゆっくりとキヨの体を這うように降りていき、太ももを撫でる。
『ん……っ、れと、さん……っ』
キヨの声が、堪えるように低く震えた。
だがレトルトは楽しげに、まるで「その声、もっと聞かせて」と言うように、わざとゆっくりと、ねっとりと奉仕を続ける。
くぐもった水音。
呼吸の乱れる音。
握りしめるキヨの指に力が入る。
「……我慢、してるの?可愛い….キヨくん」
レトルトは顔を上げて、意地悪そうに微笑む。
キヨは顔を赤くして、堪える。
「だめだよ、我慢なんて。……キヨくんは、俺だけのものなんだから。ちゃんと見せてよ」
キヨの内腿を軽く噛み付くレトルト。
その瞬間、 キヨの喉がひくりと震え、小さく息がもれた。
『んっ、あ……っ、レト……さ……ん……っ』
耳まで真っ赤に染めながら、キヨはとうとう声を漏らす。
「……ふふ。やっと素直になった」
レトルトは満足げに微笑むと、指先でキヨのモノをなぞる。
「俺の事、ちゃんと見てて。今日は――離さないからね」
レトルトはキヨのモノを優しく包みそのまま、唇を落とした。
最初はゆっくりと、じらすように舌先で撫でて、
そして――温かい口内へ、深く、受け入れていく。
『ん……っ、ふ、ぁ……ッ、れ……っ……さ……』
縛られた手、突っ張る喉、声を殺すために噛みしめる唇。
キヨは完全に、レトルトに征服されていた。
「はぁ…きもちい…い?キヨくん…」
いったん口を離したレトルトが、少し息をついて、唇を濡らす。
その目には、もう怯えた色なんてひと欠片もない。
「もっと……乱れてよ。俺だけに見せて」
そして再び唇を落とす。
キヨはもう、堪えきれなかった。
レトルトの唇が、もう一度、キヨの中心にゆっくりと吸い付いた。
くちゅっ….と湿った音が、部屋の静寂にいやらしく響く。
そのまま舌で根元をなぞり、先端に触れると、ちろ……っと焦らすように舐める。
『んっ……ッ、く、レト……さ……、っ、あ……ッ』
キヨの声が裏返り、喉が喘ぎに震える。
縛られた手がピンと張り、爪がシーツをひっかく音がかすかに聞こえた。
レトルトの動きはいやらしく、それでいてどこか熱のこもった優しさもある。
ときおり口を離しては、つぅ……と唾液の糸を引きながら、上目遣いでキヨの表情を見上げた。
「……キヨくん、……こっち見てよ」
唇の端に残った滴を舌先でぬぐいながら、視線を絡ませる。
『っ……レトさ……そんな、目で……見んなって……っ、ぅ……ッ!』
ぶるっとキヨの腰が反応し、息が震えた。
レトルトはさらに深く喉奥へと咥え込み、くちゅ、じゅっ……という音とともに、口内の柔らかさで包み込んだ。
『ぅ、あッ……ダメ、っ、そ、れ……レトさ……もぉ……っ……んんッ……!!』
その瞬間、キヨの喉が大きく震え、全身がびくびくと跳ねた。
耐えきれず絶頂を迎えた身体は、縛られたまま逃げ場もなく、全身で快感に身を委ねるしかない。
レトルトは口を離さず、そのまま舌でやさしく、すべてを受け止めた。
「……ふふ、気持ちよかった?」
唇の端に残る透明な雫をぺろりと舐め、濡れた声で囁く。
キヨの肩がわずかに震え、荒い息の合間に、かすれる声で答えた。
『……レトさん、マジで……ずるい……ッ』
キヨの手の拘束がほどけると、指先がすぐにレトルトの腰を探った。
キヨの上に跨っていたレトルトは、視線を落としながらも、どこか挑むような眼差しでキヨを見つめ返していた。
「……好きにしていいよ、キヨくん」
その言葉に、キヨの喉が鳴った。
獣のような熱を宿した目でレトルトを見上げ、ぐっと腰をつかむと、反射的に下から強く引き寄せる。
「っ……あ……!」
レトルトの喉から、甘く、掠れた声がもれる。
その声にキヨは、堪えきれないほどの衝動を覚えた。
もう理性なんてとうに崩れている。ただ、レトルトを感じたい。何もかも、全部。
「ん……キヨ……くん……っ」
掴まれた腰が、何度も、深く沈められていくたびに、レトルトの声が震える。
息が絡み、指が食い込み、ふたりの身体は熱と熱を確かめ合うようにぶつかりあう。
乱れた髪の間から覗くレトルトの表情は、涙を滲ませながらもどこか妖艶で。
キヨはその顔を見て、ますます本能を煽られていく。
『綺麗だ…レトさん……』
低く囁く声とともに、キヨの手がレトルトの背中をなぞる。
唇が首筋に落ち、耳元にかかる吐息が、またレトルトを痺れさせる。
――互いの熱が交差するたび、境界が溶けていく。
もうどこまでが自分で、どこまでが相手なのかもわからない。
ただ、夢中で、お互いを求め続けていた。
何度も何度も、音を立てて絡み合う。
汗が肌を伝い、髪が張り付き、視線が絡むたびに、深い口付けを交わす。
『もっと声、聞かせて』
キヨが囁くように言う。熱のこもった瞳で見上げながら。
『俺だけに、全部聞かせてよ……レトさんの好きなとこ、全部』
レトルトは震えるようにキヨを見下ろし、泣きそうな顔で微笑んだ。
そして、キヨの肩に額を預けながら、かすれた声で答える。
「……キヨくんの、全部が……好き……」
理性なんて、とっくに燃え尽きていた。
ただ互いの熱に溺れ、音を立ててぶつかり合い、言葉より先に体が「好き」を叫んでいた。
止まらない。
求めて、応えて、また求めて。
その夜、二人の世界は、どこまでも深く、赤く燃えていた。
つづく
コメント
2件
逆もたまには良いですよねぇ、、