テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「あいつらか…」
氷の暗殺者のフードを被り、山からカジと、ハンブルの死体を持ち、下山しているカムイたちを見つけた。どうやら捜索を断念したようだ。
「サクサー!俺、先行っていいか?」
「……俺も行く」
「はあはあ…」
カムイとサラフィナはボロボロの状態でありながら、下山していた。
「大丈夫か……サラフィナ」
「私は……大丈夫……です…師匠こそ……」
ドオン!!
「!?……ここで……追手」
「いやージュピットを倒したのはすごいで、しかしいただけんなー裏世界の願いを叶えるためー」
「喋りすぎだ、フクロー」
「あのフードは……」
「どーも、氷の暗殺者、またの名を六角の一人、サクサと申します。」
挨拶に礼儀はついているが、どこか冷徹な気配を感じる。
「俺等を殺しに来たのか…」
フクローが前に出て、カムイの方を指さす。
「正確にはお前、な。サラフィナは裏世界でも充分利用価値のある女やと思うし、なんなら俺の妻にでも…」
「フクロー」
「お断りします。」
ブフッというサクサの笑いが響き、フクローは少しキレ気味な顔になる。
「ふ、ふーん…!?まあ、あんま期待してなかったけどな…、うんうん」
「サラフィナもブチコロース」
「なんなのよあいつ…!」
カムイがサラフィナを庇い、前に出る。
「やってやる」
「サクサ、俺から行っていいー?」
「……ああ」
カムイが構えをとる。
「カムイ流」
しかし先に動いたのはフクローだった。
「詠唱なんて無駄無駄」
カムイの前に刃を向け、言う。
「殺陣のコツは即殺速攻」
ザシュウウッ!!という音とともにカムイの腹が掻っ捌かれた。
「ガハッ!!」
「さあ、首をストンとー」
フクローが刃を振り上げた瞬間、石が刀に当たって刃毀れの傷がつく。
「……あ?」
その先には、リチナがいた。
「か、カムイさんに近づくな!」
「お前には興味ないねん!!」
リチナの前に一瞬に立ち塞がる。
「死ねや」
と、刀を横に振り切る。しかし切り裂かれたのはフクローの腕だった。サクサも思わず声をあげる。
「なっ!?」
「ぐあっ!?」
リチナがさらに構えをとる。
「いつまでも2人の足を引っ張れない。」
「歳月抜刀!!」
「来る!」
「冬月!!」
ザシュザシュ!!
「かハッ!!」
「はあっ…!」
「リチナさん……!」
サラフィナがリチナの体を支える。
「もう…、多分1日は動けません。」
「……フクロー……弱いな」
「!?」
「雑魚は六角にはいらん」
「カジ!!お前に話す!裏世界で待ってやる。いつか来い」
そして、サクサがいる場所の霧が濃くなり、次に晴れたときは姿を消した。
「!!師匠!!」
「大丈夫だ……自分で治療した。」
「それにしても……サクサとかいうやつ…カジに……何の狙いだ?」
カムイがカジを背負い再び立ち上がる。
「とにかく帰って継子の了承をくれ」
「了解です」
裏世界の魔天六角の根城
アクレイ城
帰ってくると、ディアスが城の門で待っていた。
「あれー?フクローは…?」
「死んだ」
「…へー、」
(それが幼なじみが死んだやつの顔かよ)
サクサの顔には歓喜の顔が浮かんでいた。
(剣豪リチナ……火の神のカジ……面白い!どちらも地獄送りにしてくれようぞ)
重々しい冷酷な2つの足音が城内に響き続けていた。
異界戦争まで残り75日
コメント
2件
😀😀😀😀😀😀 凄すぎて言葉が…最高です!😇