テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
82
179
1,341
朝、いつも通り奏舞たちと一緒に登校する。今日はレヴィは事務所に行かなければならないそうで、学校はお休みだ。
「愛楽、ちゃんと笑顔だよ?笑顔」
「どう?できてる?」
「正直言って目ぇ細めてるようにしか見えん」
「大丈夫!そのまんまでもきっと伝わるよ!」
空舞たちに表情筋を確認してもらってから、それぞれの教室へ別れた。
すでに隣の席の男の子は登校していて、本を読んでいる。奏舞に目線を送ると、頑張ってとジェスチャーをしてくれた。
「あ、あのさ」
「えっ、あ…っ」
明らかに怖がられている。なんだかヤンキーのカツアゲみたいだ。
「昨日はごめんね、私目付き悪くて」
「き、君はっ!悪くない…と…思う」
途切れ途切れにそう言った彼は、私の目を見ず、視線を泳がせていたけど、言葉はまっすぐだった。
「改めてよろしく。私御神愛楽」
「ぼっ、ぼくは山寺隆一、よろしくおねがいっします…」
ふっ、仲直りをした上に友達までできてしまった。光平よ、君が思っているほど私は友達作りが下手なわけじゃなさそうだぞ。
荷物を片付けて、本を開く。何となく目線を感じて後ろを見ると、何人彼女がこっちを見ていた。何か用があるのかと気になり、席を立とうとした時奏舞が来た。
「あーちゃん、成功した?」
「うん。ありがとう奏舞」
「今の顔いい感じ!」
「えっ、ほんと?」
「もっかいもっかい」
「どう?」
「ダメだ、硬くなった」
「ダメかー」
「やわらか〜くして〜」
「むいぃ〜」
奏舞が私の顔をこねる。朝と比べたら柔らかくなっているはずなんだけどな。
「ッ、?」
「あーちゃんどうしたの?」
一瞬、ものすごい殺気を感じた。
怖くなって教室を見回す。特におかしな所はない。気のせいだったのだろうか。
そのときの私はまだ知る由もなかった。まさかこれからの学校生活が最悪になるなんて。
コメント
1件
Luluさん、第24話読みました! 愛楽ちゃんが隣の席の隆一くんとぎこちなくもちゃんと仲直りできて、ほっこりしました。奏舞との「むいぃ〜」のやり取りも可愛くて、表情筋の練習シーンが微笑ましい。でも最後の殺気…あれ、ただの気のせいじゃないですよね。学校生活が最悪になるって一文が不穏で、続きが気になりすぎます!